60 港区中央卸売市場
海老名昭典は、港区中央卸売市場に居を構える「魔法石エビナ」の店長である。
港区は一度大怪獣侵攻によって焼野原になった。
しかしそれは前向きに考えれば広大な面積の土地が空いたという事でもあった。
一年と九カ月前の奪還作戦によって人類の手に戻った港区は、東京タワー監視塔から区内全域に飛ばされる呪殺魔法によって護られ、区画整備された都市開発が進んでいる。
かつての港区管理者、吸血の魔法使いの薫陶を受けた識者によって政治経済は牽引され、新通貨発行と東北・北海道コミュニティとの交易開始によって更に発展は加速した。
港区竹芝に開かれている中央卸売市場は、壊滅した豊洲市場に代わる東京の一大交易拠点として賑わっている。総店舗数は80軒を超え、鮮魚店、飲食店、魔法石店、魔物素材店、魔法杖店、魔獣店、御守り店などが所狭しと立ち並ぶ。
ほとんどの店舗はプレハブハウスやバラックであるが、順次木造建築への建て替えが進んでいる。海老名が経営する「魔法石エビナ」はグレムリン問屋の中では規模が大きい方で、コネのおかげもあり優先的に二階建て倉庫付きの立派な商店になっていた。
文京区でも毎月末に市が開かれていて、かつては東京の交易の中心地だったが、今は違う。
港区中央卸売市場は全店舗が年中無休で開いている。北海道魔獣農場や東北狩猟組合の交易船も整備管理された港区の港にやってくるため、商取引は非常に活発。商業中心地の座が文京区から港区へ移るのは自然な流れだった。
海老名も港区に移住する前はしがないグレムリン拾いだった。雷雨のたびに雹の如く降ってくるグレムリンを拾い集めたり、電化製品をバラしてグレムリンを回収したりが主な仕事で、主な卸先は魔法杖工房だった。
しかし、港区移住に際して一念発起。グレムリン問屋「魔法石エビナ」を開くと、これが大当たりした。
魔法杖の生産が活発になるにつれて、工房の職人たちは大量のグレムリンを必要とするようになった。個々人から大きさも量もバラバラのグレムリンを不定期にチマチマ買い上げていたのでは、製造の計画も立てにくいし、手間がかかる。
そこでグレムリン問屋の出番だ。
グレムリン拾いが拾ってきたグレムリンや、警備隊が倒した魔物から採取されたグレムリンを、一度問屋が買い集める。そして、工房の注文に応じて、決まった大きさ・色・量のグレムリンを一括で納めるのである。
海老名はどこよりも高い買取価格をつけ、儲けより評判を取る赤字初期投資戦略を実施。目論見は上手く行き、「グレムリンを売り買いするなら魔法石エビナ」の評判の下で三カ月前から黒字に転じ、中央卸売市場の大店の一つに数え上げられている。
最近では高まった評判のおかげで近隣地区の魔女たち――――目玉の魔女や世田谷の魔女、未来視の魔法使いも討伐した甲類魔物のグレムリンを卸してくれるようになり、東京魔女集会御用達の名店としてハクもついた。
魔法石エビナでは、粒径6mm以下のグレムリンは1kg単価250新円、7mm以上は一個単位の時価で買い取っている。
現在の買取基準としては、丙類魔物から採取できるグレムリンの中でも最大級の10mmサイズ、それも発色が美しくほぼ球形の一級品が一個1000新円。
変電所や高圧電流を扱う工場、乙2~3類クラスの15mmが5000新円。
乙1類クラスの20mmが1万新円。
発電所や甲3類クラスの30mmが5万新円。
甲2類クラスの40mmが18万新円だ。
40mm以上は入手そのものが困難だし、主に強力な杖の素材として珍重され、1mm単位で価格が跳ね上がっていく。
魔石の買取も受け付けてはいるが、希少品ゆえ、海老名が把握している限りでは一般市場に流れてきた事はない。
闇ルートでは少量流通しているという話も聞くが、裏社会には関わらないのが安牌だ。
さて。
月が変わって十月に突入し、肌寒くなってきたある朝の事。
日の出前に起き出した海老名が店のシャッターを開け開店準備をしていると、白んだ空に異常な黒い雲を見つけた。
雨雲にしてはあまりにも黒々としていて、遠目にもかなり巨大に見える。
黒い雲は意思を持っているかのように蛇行しながら、西からやってきて東へ去っていった。更にそれを追いかけ、飛行機のような小さな点が三つほど後に続く。
海老名が何事かとポカンと口を開け空を見上げていると、いつの間にか隣に立っていた寝間着姿の嫁が同じく空を見上げながら少し怖そうに言った。
「アレがあれ、未来視様が言ってた奴なんじゃない?」
「あー、『渡り』か。無害だって話だが……」
「やだねぇ。落ちてきたら呪殺できるのかな」
「まあ警備隊が無理でも魔女様がなんとかしてくれるだろ」
不安なのは皆同じらしく、開店準備をしている他の店の店主たちも自分達と同じように落ち着かない様子で空を見上げていた。
東京では先月末から今日にかけ、厳しい戦いがあちらこちらで起きていた。時間を操る力に目覚めた甲類魔物と魔女が激突し、ほとんど戦場状態だったとか。
港区にも異常な速さで動く甲類魔物が出没し、世田谷の魔女に応援を要請するも拒否され、目玉の魔女も手一杯でそちらには行けないと断られ、結局しばらく経ってからすっ飛んできた青の魔女が鎧袖一触するという一幕があった。
荒瀧組事件以降、活動圏を広げた青の魔女は八面六臂の働きをしている。他の魔女が手こずったり負傷を免れないような魔物が相手でも、青の魔女の手にかかれば瞬殺だ。
ただ、基本は文京区を中心に活動しているので、港区まではなかなか来てくれない。迅速な救援は厳しいものがある。
魔女たちが異常な甲類魔物たちの対応で溺れそうになっている間、乙類以下の魔物の対処は各地の警備隊が引き受けている。
魔力鍛錬法のおかげで、警備隊の魔術師たちの戦力は大幅に上がった。
海老名も魔法に携わる商売をしている関係上、多少は魔法に関して知見があるのだが、魔術師の戦闘力基準の一つとして「凍る投げ槍」の魔法が使えるかどうか、というものがあるのだそうだ。
青の魔女の魔法である「凍る投げ槍」は、詠唱の短さ、威力、射出速度、消費魔力などが全て高いレベルでまとまっている攻撃魔法だ。消費魔力15Kの魔法で、上手く当てれば乙3類魔物を一発で殺せる。
魔力鍛錬法はその「凍る投げ槍」使用者を大量に増やした。
消費魔力1Kの「撃て」や2Kの「焔よ」を使えるようになった者も爆発的に増えた。今までマトモに魔法を使えなかった大衆が魔法を使えるようになり、ある程度の自衛力が備わったのである。
すると、丙類魔物討伐に労力を割いていた警備隊が、乙類魔物に注力できるようになる。
すると、乙類魔物以下と戦う頻度が大きく下がった魔女が、異常を起こしている甲類魔物との戦いに集中できる。
そして、東京全体の魔法レベル底上げによって杖を始めとする魔法道具の需要が高まり、魔法道具の素材であるグレムリンの需要も高まり、魔法石エビナは風が吹けば桶屋が儲かる式に大儲けする、という寸法だ。
何が儲けに繋がるか分からないものだ。
しかし、いつまでも空を見上げてボーっとしていても一銭にもならない事は分かる。
海老名は不安げな嫁を促して一緒に店を開け、開店前に通勤してきた店員と軽い打ち合わせをしてから、朝一でグレムリンを売りに来た客を迎えた。
今日から「渡り」が始まり、甲類魔物異変のピークは過ぎる。連日連戦激戦で疲れ果てていた各地の魔女たちも、ようやく一息つけるだろう。
ニートで有名なさざれ石の魔女でさえ漫画喫茶から数年ぶりに出てきて外で甲類魔物に対処したという噂だから、どれほどの異常事態だったかよくわかる。
渡りが始まったからには異常に強い甲類魔物たちは消えていき、危険度を増していた交易路は平和になる(比較的)。ここ数カ月危険手当で買い取り価格を上げていた東北・北海道産の大粒グレムリンも様子を見ながら値下げしていける。
甲類魔物に襲われ船が沈む危険を冒して交易を行う北の住人達に出血大サービスで高い金を払った事により、普通は金で買えない信用を現金買いできた。この信用は今後の商売をしていく上で非常に大きな利益に結び付くだろう。
信用への投資を怠らない海老名の魔法石エビナは、業界ナンバーワンの信用度を勝ち得ている。
過去には魔女集会の重鎮、目玉の魔女が来店した事もある。
だがこの日の夕方には、目玉の魔女を凌ぐ大物が店に訪れた。
青の魔女である。
市場がざわついたので誰か有名人が来たのはすぐ分かったが、人混みを割って少し疲れた様子で歩いて来る青の魔女が自分の店の前で立ち止まった時は流石に驚いた。
特に青の魔女の怒りを買うような事はしてないよな? と一瞬不安になり顧みてから、まごつく店員を下げ、営業スマイルを作って応対に出る。
「いらっしゃいませ、青の魔女様。店長の海老名昭典でございます。本日はどのようなご用件でしょう?」
海老名が尋ねると、青の魔女は仕立てのよい見るからに上質なローブの内ポケットからメモを取り出し読み上げた。
「40mm以上のグレムリンを30個。それと緑系の色のグレムリン、こちらは大きさを問わないがあるだけ欲しい。融解再凝固でもいい。赤系のグレムリンも少し」
「かしこまりました。研磨剤もございますが、ご入用ですか?」
「ん、それも買っていこう」
「ありがとうございます。大粒のグレムリンは奥にありますので、こちらへどうぞ……」
店内の応接室に青の魔女を通すと、ちょうど下がらせていた店員がお茶とお茶請けの用意を済ませ退室するところだった。海老名は指示もしていないのに良く気を利かせた店員を内心で褒め称える。これで青の魔女との取引が上手くまとまったら昇給モノだ。
応接室で接客したところによると、青の魔女は名前は伏せていたがどうやら名工0933の遣いで買い付けに来たらしい。
青の魔女のご来店で、0933とのツテにもなると来れば、ここは儲けなど度外視だ。
ただしあまり極端に値下げし過ぎても大抵は相手に良い印象を与えないから、程よく割り引いて気持ちよい取引だったと思ってもらう必要がある。
店の在庫をひっくり返して40mmグレムリン30個と指定色のグレムリンを用意すると、青の魔女は意外そうに言った。
「30個出せるのか。もう何軒か店を回らないといけないかと思っていた」
「青の魔女様の御用命とあれば。ありがたい事に、目玉の魔女様や未来視の魔法使い様にも御贔屓にして頂いております」
「ああ、目玉が言ってた店ってここなのか。品質は……まあ、確かめる意味も無いな。全部買おう。支払いは現金が良いか? 物々交換?」
「どちらでも承っております。今回は初の御来店という事ですので、価格は勉強させて頂きます」
青の魔女は少し考え、懐からキラキラ光る砂が入った小瓶を出し、テーブルに置いた。
海老名は絶句した。
魔法石を扱う者として、知識としてだけは知っていた。魔石には、得も言われぬ魔性の魅力があると。目を惹きつけられてやまない、不思議な輝きをしていると。
テーブルに置かれた小瓶の砂には、間違いなくそれがあった。声が震える。
「まさか。魔石ですか?」
「分かるのか? 魔石研磨の時に出た削りカスだ。1mmか2mm程度の小粒も混ざっている。これを今回の支払いに充てたい」
望外の支払い提案を受け、海老名は素早く脳内の算盤を弾いた。
これを断る手はない。魔石の商いなんてどれだけ望んでも普通はできない。
市場に全く流れない超希少品。売値は海老名の言い値になるだろう。客寄せとしてショーケースに展示しても良い。
「こんな貴重品をよろしいのですか?」
「在庫の一部だ。問題無いと言っていた。市場の素材価格で幾らになるのか興味があるそうだ。価格の見積もりはできるか?」
「そ、そうですね。目方で、いえ、粒径で考えるとですね……あー、グレムリンの相場からすると……えー」
「今回の支払いには足りるか?」
「! 失礼しました。支払いには十二分です。ただ、こんなに頂きますと価値のつり合いが取れませんので。大粒のグレムリンをもう少しつけさせていただければ」
「いや、30個でいい。価値がつり合っていないなら、大粒のグレムリンをまた30個ぐらい取り置いておいてくれ。代金の余りは取り置き代にしてくれればいい。
いつ頃になるか分からないが、また来店する。その時までにその魔石の見積もり価格を出しておいてくれ」
「かしこまりました。お心遣いありがとうございます」
青の魔女との商談は円滑で素晴らしい物に終わった。
商品袋を手に帰る青の魔女を店員総出で見送り、姿が見えなくなってから頭を上げ、大物との大口取引に喜び合う。
今回の取引は大きな利益になるが、それ以上に大きな評判と信用を生む。青の魔女は怒らせなければ最高の顧客だ。
時刻は夜になり、店を閉めた嫁は片付けをしていた店員を祝いの酒席に誘う。嫁は当然海老名も来るものと考えていたようだったが、海老名は断った。
嫁は機嫌を悪くして口を尖らせる。
「アンタが来なくてどーすんの。店長でしょ」
「飲み代は出すよ。ただ、今日は姉ちゃんのとこに行く日だからな」
「ああ……そうね、それならそっちかぁ。義姉さんによろしく言って。伝わるか分からないけど」
「言っておく」
海老名は夜の街に飲みに繰り出す嫁たちと別れ、一人で埠頭へ向かった。
10月に入り、夜になると冷える。ジャケットの襟を立て、潮風にさらわれないよう帽子を抑えながら埠頭に着くと、そこには既に姉が待っていた。
歌声が聞こえる。
人のものではない澄み切った美しい歌声が、月夜の水面に響く。
停泊している交易船の縁に下半身の魚体を器用に使い腰かけ、星空に声を贈る歌姫は、人魚の魔女と呼ばれている。
本名は海老名汐梨。海老名昭典の実姉だ。
グレムリン災害が起きたあの日以来、姉は全てが変わった。
45歳だったはずなのに、見た目が18歳ほどにまで若返っている。縮れた黒髪は艶やかな金髪になり、下半身は魚になった。ジャージを着ているか、さもなければダイビングスーツか、というチョイスだった服装は、今では貝殻のブラジャーと珊瑚の髪留めになっている。
「こんにちは!」
「ああ。こんにちは、姉ちゃん」
人魚の魔女は、埠頭に立つ海老名を見つけると歌を止め、にこやかに手を振って挨拶してきた。海老名はやるせなくなる。
「こんにちは? こんにちは。こんにちはー!」
「なあ、今日は青の魔女が店に来たんだ。魔石を買い取るなんて初めてでさ、緊張して失礼しちまったかも知れん。姉ちゃんならどうしたかな」
「こんにちは」
人魚の魔女は軽く跳ねて海老名の前に来ると、熱心に頷いて見せた。
話を理解しているのか、していないのか。
姉は水族館に勤めていた。電気ウナギの水槽の清掃中、運悪く変異を起こした姉は、同時に変異しはじめた電気ウナギと融合。
異形化し、海中なら青の魔女に匹敵すると言われる絶大な力を手に入れた代わりに、人の言葉を喋れなくなった。
いや、厳密には喋れはするのだが、語彙が一つしかなく、言語理解も不明瞭で、会話が成立しない。
変異前、彼女はあまり良い姉では無かった。
潮干狩りに行けばバケツ持ち係をやらされた。
大型水槽を買うためにお年玉を全部持っていかれた。
パソコンをいつも占有して、順番を譲ってくれなかった。
だが全ては幼い頃の思い出で、この歳になると良い面もあったと分かる。
夏休みの自由研究で海の生き物について調べたいと言うと、自分の宿題そっちのけで全面協力してくれた。
成人祝いに沖縄に連れて行ってくれ、本業ガイド顔負けのホエールウォッチングツアーをしてくれた。
本当に小さい頃にポロッと一回言っただけの「海の生き物はクラゲが一番好き」という言葉をいつまでも覚えていて、誕生日ケーキのデコレーションやクリスマスのマフラーの模様はいつだってクラゲだった。
姉は海の生き物が大好きだった。
海を愛していた。
今、姉は海と共に在る。
「なあ姉ちゃん。今、幸せか」
「こんにちは」
「海で暮らせたらいいのにって言ってた事もあったよな」
「こんにちは~」
「まともに喋れなくなっちまって、記憶も頭もぐちゃぐちゃでさ。こうやって話してても伝わってるのか伝わってないのか。こんなんになっちまっても、姉ちゃんは海で暮らせて幸せだって思えてるのか?」
「こんにちは」
「俺には、分かんねぇよ……」
人魚の魔女は海老名の言葉に一生懸命耳を傾け、うんうん頷いている。
彼女の記憶や意思は全てが動物並に還ったわけではない。満月の夜には必ず弟である海老名を探し、沿岸をうろつき歌を歌う。
家族を覚えているのだ。
「こんにちは!」
急に、人魚の魔女は嬉しそうに手を叩き、何かを思い出したように海中に飛び込んだ。
かと思えばすぐに出てきて、白っぽい半透明のグンニャリした物を海老名に差し出しニッコリ笑う。
「こんにちは。こんにちは!」
それはクラゲだった。
海老名が昔一度だけ海の生き物の中で一番好きだと言った、クラゲだった。
感情がこみ上げ、海老名は泣いた。
昔の面影などほとんどない、全てが変わってしまった姉だけれど。
覚えている事だってある。
確かに、彼女は姉だった。
海老名の涙を見てオロオロし、海藻を持ってきて心配そうに涙を拭ってくれる人魚の魔女に海老名は涙を抑えて深呼吸してから言った。
「いいんだ姉ちゃん。ありがとな」
「こんにちは……?」
「俺は大丈夫だ。姉ちゃんが元気そうで良かったよ。俺も元気にやってる。商売も順調で……ああ、そうだ。嫁さんがよろしくって言ってた。姉ちゃんが人魚になってから結婚したから覚えてないかも知れないけど、ほら、一度一緒に埠頭に来たろ」
「こんにちは」
「来年、子供が生まれるんだ。姉ちゃんに甥っ子か姪っ子ができるんだよ」
「こんにちは!」
「子供が生まれて、色々落ち着いたら、顔を見せるよ。じゃあ、また。体に気を付けてな」
海老名が手を振り別れを告げると、人魚の魔女は察してちょっと悲しそうにした。
それから、名残惜しそうにぶんぶん手を振り、満月を映す夜の水面に身を躍らせ姿を消す。
世の中には変わらないものもあれば、変わるものもある。
姉にとって自身の身に起きた激変が幸福なものである事を、海老名は祈った。
 





