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10 豊穣魔法迂回詠唱

 アレイスター作成を終え爆睡した俺が目を覚ますと、夕方に寝たはずなのにまだ夕方だった。

 丸一日寝ていたらしい。三徹なんてするもんじゃないな。作業中はハイになっていたから感じなかったが、指先も肩も腰も痛いし、目もショボショボする。


 しかしたっぷり眠って頭はハッキリした。目覚ましのインスタントコーヒーを淹れて一服し、ツナ缶とコーン缶の軽食をとって田んぼの様子を見にでかける。三日も放置してしまった。様子が気になる。

 自分で稲作をするようになって、台風の日に田んぼの様子を見に行って事故死する老人の気持ちが良く分かった。そりゃ心配だよ。


 幸い、田んぼはちょっと水深が下がっていたが、なんともなかった。止水栓を調節して水の流入量を若干増やし、日が完全に落ち切る前に帰宅する。


 都心では食料不足が著しいというが、奥多摩で一人引きこもって生活しているとあんまり感じない。青の魔女が食料を定期配給してくれるし、田んぼも上手くいっている。まあ、刈り入れ時になったら稲穂を狙う害獣との熾烈な戦いが発生するだろうから油断はならんのだけども。


 改良版豊穣魔法ができたら俺にも教えてもらおう、と考えつつ家に戻ると、玄関先に青の魔女と見知らぬ女の子が夕日を背にして立っていた。


「あっ! 大利さーん! お帰りなさい、お出かけでした?」


 親しげにぶんぶん手を振って声をかけてくる可愛らしい女の子に見覚えは無い。

 しかし、声には聞き覚えがあった。

 ショートカットの白髪からぴょっこり生えているオコジョ耳と、白くて先端だけ黒いオコジョ尻尾にも見覚えがあった。


 小学六年生ぐらいの女子。

 オコジョっぽい特徴。

 オコジョ教授に渡したはずの杖、アレイスターを持っている。


 衝撃に震えた。

 お、お前。

 まさか!


「アレイスターをありがとうございました! おかげ様でこの通り戻れました! 完全には戻らなかったですけど……どうしてもお礼を言いたくて!」

「もどして」


 大日向教授に「良かったな」と社交辞令を言おうとしたが、つい本音が出てしまった。


 なんで人に戻っちゃったんだ教授ーッ!

 人間は苦手だっつってんだろ!

 やだやだやだ! オコジョのままが良かった!

 戻して! オコジョに戻して!

 くっそー!


「……人型に戻れて良かったな」

「ふ、不満そう!?」


 無理やり捻り出した祝辞に大日向教授はオロオロしている。

 そこに青の魔女が耳打ちするのが漏れ聞こえた。


「慧ちゃん、たぶん大利はケモナーなんだ」

「ケモ……?」

「大利は人間が苦手だから。きっと動物(ケモノ)しか好きになれない性癖なんだ」

「な、なるほど?」

「聞こえてんぞ、ヒトナーどもが」


 俺にしてみりゃお前らみんな人間を好きになる異常性癖者だよ。そっちの方が圧倒的多数派で、俺の方がおかしいのは重々承知ですがね。


「動物が好きなんじゃない。人間が苦手なんだ」

「そうなんですね……尻尾、触ります?」


 なんか誤解が解け切っていない気もしたが、差し出されたモコモコ尻尾は触らせてもらった。


 外が暗くなってきたので、とりあえず二人を中に招く。ウチに応接間とかいう無駄空間は存在しないので、キッチンに通してインスタントコーヒーの残りを出した。


「で、アレイスターの使い心地はどうだ」

「素晴らしいです!」


 尋ねると、大日向教授はニコニコ答えた。

 人間に戻ってしまったところを見ると、かなり役に立ったらしいのは聞かなくても分かる。しかし製作者として詳しい使い心地を聞きたい。


「デザインは?」

「それも素晴らしいです! ちゃんとお願いしたわけじゃないのに、まるで杖を貰えるならこういうのが良いっていう私の想像が形になったみたいで!」

「そりゃ良かった。オコジョの体格で柄の長さ決めたから、そこは手直ししよう」

「いえ……? ちょうどいいですけど」


 大日向教授はアレイスターを軽く持ち上げ首を傾げる。

 むむむ。まあ、本人がそう言うなら。

 小動物にクソデカ武器を持たせる計画だったのに、人間に戻ってしまったせいで図らずも通常サイズ武器になってしまった。


「それにしても、そっちの研究に役立つとは思ってたが。まさか一日で成果が出るとはなあ。そんなに使える性能だったのか」

「うーん。その通りなんですけど、それだけでは無いですね。今までは魔法暴発の危険があったので、やりたい実験リストの中から厳選して、実験数を必要最小限に絞り込む必要があったんです。実験リストそのものは一年以上かけて作ってあって。今回のブレイクスルーで渋滞してた実験を一気に消化できた……って感じです」

「なるほど。事故率は何%ぐらいになった?」

「実質0%になりました。取り扱い説明書に書いてあった通りです。事故が起きてもほぼ無害になったので」

「私も使わせてもらったが、未加工グレムリンを使う魔法と比べて威力1/100~1/120ぐらいだったな」


 青の魔女が温いコーヒーをアイスコーヒーにしながら補足する。


「魔力をコントロールしたら少し威力が上がった。魔女か魔法使いなら負荷訓練に使えるだろう」

「あ、そう? 青の魔女も要る? フラクタル杖」

「私はキュアノスだけで十分だ」


 そう言って青の魔女はキュアノスで自分の肩を叩いた。

 最初は慣れない感じだったけど、もうすっかり相棒に馴染んだようだ。


 改めて対面に座る二人を見る。

 黒い衣に仮面をつけ、美しい青の杖を持つ魔女。

 白髪の獣人で幾何学的な杖を持つ少女。

 これがコスプレじゃないってんだから現実離れしてるよな。


 グレムリン災害後に生まれた世代は、こういう異質な魔法杖や魔女が当然のものとしてそこに在る暮らしをしていくのだろう。

 変な感じだ。俺にとっては胸躍るファンタジーでも、新世代の子供たちにとっては生まれた時からそこにあった普通のモノになるわけで。

 こうしてジェネレーションギャップが生まれていくんだなー。


「使って問題が無かったなら良かった。かなり繊細な構造してるから、不具合あったら教えてくれ、メンテナンスする。まあ樹脂で固めてあるから普通に使ってればポロッと欠けたりはしないはず」

「はい。今のところすっごく使い心地いいですけど、何かあったら頼らせてもらいますね!」

「そうしてくれ。他には、そうだな。豊穣魔法はどうなった? そっちは研究進みそうか?」

「あ、できました」

「……は?」

「豊穣魔法の改良。できました」

「…………!?」


 衝撃過ぎて理解にタイムラグが起きた。

 ンな馬鹿な! 昨日の今日だぞ!?

 日本が未曾有の大飢饉に襲われるという日本史に残る凄惨な未来予想がたった一日でひっくり返ったって事か!?

 変身解除に加えて豊穣魔法改良まで一日で!?


 す、すごい。すごすぎる!

 すごいけど、怖い!

 もう怖いよ!

 大日向教授が天才過ぎて一周回って怖い!


「大日向教授は本当に凄い方ですね。感服しました」

「あの、敬語はやめて下さい。さっきも言いましたけど、全部一日でやったわけじゃないですからね? 父とその同僚、大日向研究チームが遺してくれた研究データがたくさんあって、私はその研究データを踏まえて今回最後の一押しをしただけです。95%ぐらいはもう研究終わってたんですよ。残り5%で全然進まなくなっていたところを、大利さんが4.9%進めて、私が0.1%片付けたんです」

「あ、ああ、そういう事ね。流石にか。ビビったわ。でも95%の研究データをちゃんと自分の頭の中に叩き込んで血肉にしたのは大日向教授だろ。大日向教授はめちゃ頑張ったし、マジですげぇと思う。紛れもなく天才の仕事だ。天才の俺が言うんだから間違いない」

「そうでしょうか? ありがとうございます」

「教授の父ちゃんも草葉の陰で誇らしく思ってるだろうな。自慢の娘だって」

「…………」


 何の気なしにポロッと言った途端、ずっとニコニコしていた大日向教授の顔色が変わった。

 手でサッと顔を隠し、俯いてしまう。

 いきなり何事かと動揺していると、小さなすすり泣きが聞こえてきた。

 

 や、やべ。泣かしてしまった。

 パパっ子に死んだ父の話は地雷だったか。


 くそっ、こういう事が起きるから人と話すのは嫌なんだ。書面でのやりとりなら相手に渡す前に読み返してチェックする時間があるから、迂闊な一言を言わずに済むのに。人間の会話ムズ過ぎる。


「す、すまん。無神経だった」


 俺が胃を痛めキョドりながら謝ると、返事をしようとして声が出てこない大日向教授に代わり、彼女の背中を優しくさすっていた青の魔女が穏やかに答えた。


「いいんだ。大利は時々、無自覚に人の心を揺さぶる。良い方向にな。確かにだいたいいつも無神経だが、大利がそういう奴なのは私も慧ちゃんも分かっている。それでいて本当に欲しかったもの、本当に欲しかった言葉を不意打ちみたいにくれるから……」

「…………?」

「ふ。つまり、大利はそのままでいてくれ、という話だ」


 青の魔女は軽く笑って、分かりやすくまとめた。

 はあ。そうなんですか……? 大日向教授まだ泣いてるけど、青の魔女の言葉に頷いてるし、そうなんだろうな。

 全然ピンと来ねぇ。


 まあいいや。

 そのままでいてくれって言ってたし、そのままでいよう。


 気を取り直して話を続ける。大日向教授もだいたい泣き止んだっぽいし。


「話戻すけどさあ、豊穣魔法改良できたんなら俺にも教えてくれないか? 俺でも唱えられる呪文なんだろ? 田んぼの収穫増やしたいんだ」

「……ぐすっ、はい。それはもちろんです。そうですね、未来視さんに報告する前に最終テストしてくれる方が必要でしたし。それも兼ねて教えさせていただくという形でどうでしょう?」

「呪文のテスターになればいいのか? やるやる」


 アッサリ許可が出たので、青の魔女が台所を使って晩飯を作ってくれている間に俺は改良豊穣魔法を教わる事になった。

 国家機密レベルの重要魔法だし教えてもらえないかもなーとダメ元で頼んだのだが、よくよく考えればどうせすぐ日本全国に盛大に広める事になるのだ。

 俺がちょっと先んじて教わっても問題なかろう。


「えっと。じゃあ、呪文を覚えるだけにしますか? 呪文の成り立ちとかも知りたいですか?」

「成り立ち興味あるな」


 前回の講義では魔法語の基礎を一通り教わっただけだ。

 魔法語研究の集大成とも言える豊穣魔法迂回詠唱がどう成立したのか? 魔法語初学者としては最先端研究のお話が気になるところですね。


「ではお話しますね。大丈夫です、今の大利さんの知識で分からない話はしませんから。

 まずですね、豊穣の魔法は東京都荒川区から台東区にまたがる地域を管理している花の魔女さんの魔法です。未来視さんが対価を支払って教えてもらいまして、それをさらに私が教わった形になります。

 詠唱の原文は『結晶の季節が巡る(グリスタ・ヒァーズィ)幽界捕食者の恵みあれほにゃららウェウェント』で、人間には発音できません」

「ほにゃららの部分が詠唱できない発音?」

「そうです。森の中で、木々が風にざわめく音を聞いた事ありますか? あんな感じの音です」


 俺は言われた通りの音を出そうとして、すぐに諦めた。そんなの絶対発音できない。


「魔法には必ず基幹単語というものがありまして、これは分かりやすく言えば基本呪文です。青の魔女さんでいうところの凍れ(ヴァアラー)ですね。青の魔女さんが使う全ての魔法の詠唱文には必ず凍れ(ヴァアラー)が含まれます。

 魔法詠唱を改造する上で、この基幹単語は変えられません。基幹単語は固定です。幸い、花の魔女さんの基幹単語は恵みあれ(ウェウェント)ですから、人間でも発音可能でした」

「発音できない基幹単語とかあんの? 高等呪文ほど発音不可音が多いみたいな話聞いた事あるけど、その理論でいけば基礎呪文だっていう基幹単語は最下級呪文なわけだろ」

「大変良い質問ですね」


 俺の質問に、大日向教授は存在しない眼鏡をクイッと上げる動きをしてノリノリで答えてくれる。


「未来視さんの『啓示を(ほにゃららクナック)』など、基幹単語がそもそも高等呪文の場合があります。こういった高等な基幹単語の魔法系統を扱う魔女や魔法使いは、魔力逆流でフィードバックダメージを受けたり、魔法の制御を失って二次災害を起こしがちです」

「へぇ~! 確かに未来予知は一番簡単なヤツでも高等呪文っぽいよな」


 解説を聞いて納得する。

 一秒先の未来が視えるだけでも、スポーツや格闘の世界で無敵になれる。そりゃ高等に決まってる。

 という事は、未来視魔法は魔法語学的にどんな小細工をしても普通の人間には使えない、魔女魔法使い専用呪文ってワケね。ズルい。


「詠唱原文である『結晶の季節が巡る(グリスタ・ヒァーズィ)幽界捕食者の恵みあれほにゃららウェウェント』のうち、『結晶の季節が巡る』は発音できますし、文節が切れているので、変える必要がありません。基幹単語は変更できないので、『恵みあれ』も固定です。だから『幽界捕食者』を人間に発音できる音で言い換えるだけで良いんですが、これが難しい。大利さん、幽界捕食者ってなんなのか知ってます?」

「え? 知らん」


 俺が即答すると、大日向教授はしみじみと頷いた。


「そうなんですよ。私も知りません。この世界の誰も知らない言葉です。捕食者っていうからにはたぶん生き物だと思うんですけど、ほら、アメリカだとハリケーンに女性の人名をつけるじゃないですか? 魔法語を使っている文明がどんな文化・価値観を持っているのか分からない以上、幽界捕食者が何を意味しているのか正確な特定はできず、予想するしかありません。

 我々は予想に基づいて、研究チームが把握している72個の呪文の中から言い換えに使えそうな単語を抽出して、上手く組み合わせて、発音不可音を使わない単語のみで詠唱を再構築した迂回呪文を15通り作成しました」

「で、その15通りをアレイスターを使って実験したのか」

「そうです。15通りの試作呪文の中で、原文と同様の効果の発動が確認できた唯一の呪文はこうです。

結晶の季節が巡る(グリスタ・ヒァーズィ)君よ(ゼィ)その瞳に(ダダニダ)映る世界とは(オプトラェ)違う世界の(ォオォ・プトラエ)食べられる者(ヒティヒティ)ではない者の(カパジャ)恵みあれ(ウェウェント)』」

「ながっ!!」

「迂回呪文ですからね」


 はーっ、こりゃ研究に手こずるわけだ。

 カタカナ禁止縛りで、幼稚園児でも知ってる語彙限定で、ビジネス会話しろみたいなもんだろ? よく迂回詠唱をでっち上げられたもんだよ。そりゃ冗長な詠唱にもなりますわ。


「こんな長文暗記しないといけないのか。ひえー」

「文の構造を理解しているとちょっとは覚えやすいんですけど。大利さんは暗記が楽でしょうね。

 では! 実際に発音の練習してみましょう。長いので文節で区切って少しずつ。さあ私の後に続いて、安全音を忘れずに。結晶の季節が巡る(グリスタ・ヒァーズィ)

「グリスタ・ヒァージュィ」

「おーっ! グリスタはいいですね。前半はオッケーです! 素晴らしい。前半完璧なんですけど、後半が惜しいです。最後の発音はですね、ジュ、イ、ではなくて、ズィ。アルファベットのZ(ゼット)をズィーって言うじゃないですか? あの発音をベースにしてですね、口を開きながら舌を、こう……」


 それから俺は小6女子に発音指導をされたり、口の中に指を突っ込んで舌を抑えつけられたりしながら、ぶっ通しで真夜中までかけてなんとか迂回豊穣魔法の発音を覚えた。忘れないように紙にもビッシリ発音上の注意点を書き込んだ。


 俺達が詠唱伝授をしている間、夕食だけでなく黙って夜食まで作ってくれた青の魔女は(都合の)良い女。助かったぜ。

 まあ俺のために作ったというより、半分以上は大日向教授をスクスク育てるために作ったんだろうけど。カレー甘口だったし。


 大日向教授にOKを出してもらった時にはもうド深夜。

 大日向教授は素で「ソファーか何か貸してもらえますか?」とかほざいてナチュラルに泊まって行こうとしやがったが、俺はもちろん青の魔女に押し付けた。

 冗談じゃねぇぞ。青の魔女が護衛についていれば夜道だろうが戦場だろうが危険なんて無い。切にお帰り願う。


 ちょっと不満そうにしながらも大人しく青の魔女に手を繋がれ玄関に立った大日向教授は、外に出る前に振り返りモジモジと言った。


「あの、また遊びに来ていいですか……?」

「ダメだ」

「大利、貴様ッ!」

「あ、いいんですいいんです! 大丈夫ですから。言い方、言い方かな?

 えっと、また技術交流がしたいです。ほら、今回は私の知識をキッカケにして正十二面体フラクタル型魔法杖を作れたわけでしょう? 私はこのアレイスターのおかげで迂回豊穣魔法を完成させられたし、人間にも戻れ……9割戻れました。技術交流のおかげで技術革新が起きたと言えます。これからも定期的に会って、話して、技術交流をするのはお互いに良い刺激になると思うんですけど。どうでしょう?」

「嫌だ。二度と会いたくない」


 理詰めで今後も会うメリットを説いてきたが、断固断る。

 オコジョモードなら歓迎したが、ケモミミモードはお断りだ。

 大日向教授は子供ながらに良い奴だ。話も面白い。

 しかしめっちゃ社交的で明るい性格のせいで本能が拒否反応を出す。青の魔女のように仮面で顔を隠してもたぶん体が受け付けない。


 子供相手に大人げない全力拒否に青の魔女が殺気立つが、俺は氷像にされる前に急いで妥協案を出した。


「会うのは絶対嫌だが、書面のやり取りなら超大歓迎だ。文通しようぜ」

「えっ。文通……ですか?」

「そう。会いたくないけど技術交流はしたいし、教授の話おもろいから」

「なるほど、ぜひお願いします。しましょう、文通! いいですね、なんだかわくわくしてきました。帰ったらすぐお手紙書きますね!」


 俺のコミュ障フルスロットルな提案に喜んだ大日向教授は、ぶんぶん手を振り何度も振り返ってニコニコ笑顔を振りまきながら、青の魔女に付き添われ帰っていった。

 それを見送り、俺は冷や汗混じりの汗を拭う。ふいー、疲れた。


 十二歳でアレなら、大きくなったらどうなる事やら。

 そのうち鳥語とか魚語とか話しだしても驚かんぞ。

 大日向教授の今後をひっそり見守っていこう。

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― 新着の感想 ―
ここまで交流できるのにそれでも依然ATフィールドは全開なのね
拒絶反応の仕方が尋常じゃない…自分と紐づく親しい人皆殺されたとかそれくらい壮絶なトラウマでもないとこうはならない気がする…それでいて外界には興味持ってるのがアンバランスというかチグハグなんだよな…人間…
貴様ァ! ケモミミロリッ娘に何の不満があるんだ!!
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