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親友を救いに異世界に行った話  作者: 祭
闘簫天
5/70

戦火

 ウルサスの祭りから数日経ったある日、バーリングの中心部から少し離れたところにあるとある畑で私たちは野菜の収穫を手伝っていた。

 「いやぁ、すまないね。手伝ってもらっちゃって。」

 「大丈夫ですよ。こっちはやっておきますので休んでてください。」

 先日のウルサスの一件もあり、体力を消耗しすぎるのはいざという時に危ないと言うことで、この日は休みにしていた。この日、私たちは雑貨屋に行ったり、町を散策したりしていたのだが、最近知り合った農家のおばあちゃんが腰を痛めてしまったと聞いて、畑仕事を手伝いに来ているのだった。ちなみに汚れたり、破れたした服はクレアさんが完璧に修復してくれて、今日も着ている。

 「ところでこの野菜何なのかな?」

 「フラガリアって言ってたけど、見た目はカボチャっぽいよね。」

 「え~、大きいジャガイモじゃない?」

 「ジャガイモってこんなにでかくないでしょ。」

 今収穫しているのは土の中に可食部のついた根菜というやつだった。地上に出ている大きな葉っぱを引っ張るとカボチャサイズのジャガイモが出てくる。これを背中のかごにいれて収穫するという作業を繰り返していた。畑自体はそこそこ広いけど、野菜自体は案外軽く、むしろ楽しいくらいだった。

 

 「今日はありがとうね~。これよかったら食べて。」

 夕方くらいまで手伝いをして、作業を終えるとおばあちゃんは私たちに取れたてのフラガリアを振る舞ってくれた。見た目に反して、中には赤い果肉がつまっていて、イチゴのような甘酸っぱい味がした。

 「みずみずしくておいしい。これ果物だったんだね。」

 「なんかだいぶ異世界になじんできた気がする。」

 「確かに~、食べ物とかもう違和感なくなってきたもんね~。」

 「こないだのウルサスの肉には色々困惑したけどね。」

 「あー、あれね…」

 味はおいしかったけど、未だに人を食べた動物の味というなかなかにサイコなワードが頭にこびりついていた。

 「長居するのも悪いから、そろそろ帰るね。」

 「ごちそうしてくれてありがとう、おばあちゃん!」

 「うん。またいつでもおいで。」

 私たちは頂いたフラガリアを完食し、おばあちゃんに手を振って別れた。


+++


 その日の夜、ふと目を覚ますと外がやけに騒がしかった。カーテンを開けてみると町の西側が妙に明るい。それもお祭りのような雰囲気ではなく、何かが燃えているような光だった。

 「恵、桐香、起きて! 町が火事になってる!」

 「ん、ん~、火事? 本当?」

 「ほんとだよ! 窓の外見て!」

 「…! え!? ほんとだ、なんで?」

 2人は状況を察して飛び起きた。とりあえず部屋を出てみる。教会の1階に降りると十数人の人だかりができていた。

 「これ何があったんですか? 西の方が火事みたいなんですけど…」

 「あ! 天使様! 助けてください! 兵士達が……」

 「兵士? それってこの国の?」 

 「兵士達が私たちの家に火矢を放って、襲ってきたんです! 私たちの家財と食糧を奪って。私たちは殺されるかと思って、命からがら逃げてきたんです…!」

 「……え? 兵士が?」

 この国の軍に属する兵士は、国家の安全のために闘う、いわゆる兵士としての役割だけでなく、日本で言う警察のような治安維持の役割を担っていると言うことは聞いていた。まして今は首都で勃発した内乱の鎮圧に当たっていると聞いていたので、この人の話を聞いたとき、私たちは耳を疑った。

 「どうしよう。本当にそうならただ事じゃないよ。」

 「カイルさん、私たち行ってきます。このままここでじっとしているわけにもいきません。」

 信じていないわけではないけど、自分の目で確かめる必要があると思った。それにここに来てから町の人たちにはすごく良くしてもらっていた。今なら恩返しができるのかもしれない。

 「ですが、状況がわかっていませんし、危ないですよ。」

 「大丈夫です。危ないと思ったらすぐ逃げますし、私たちウルサスに勝ったんですよ!」

 「今くらいは私たちに任せてよ。」

 不安そうに引き留めるカイルさんに私は強がってみせた。もちろん不安はあるけど、能力が上がっているのは確かだし、なんとかなるような気がしたのは本当だ。


 火が出ている通りに着くまで、逃げようとしている人や呆然と立ち尽くしている人にすれ違った。現場は通りの両側で10件ほどの建物が燃えていて、真っ黒な煙が立ち上っている。建物と建物の間隔が狭いためにどんどん燃え広がりそうな勢いだった。

 「とにかく逃げ遅れている人がいないか確かめよう。」

 「じゃあ、手分けして…」

 手分けして探そうとしたとき、近くの燃えてる建物から見覚えのある男の人が出てきた。

 「アクセサリー屋のおじさん! 大丈夫ですか!?」

 建物から出てきたのは、こないだ市場で恵にアクセサリーをくれたおじさんだった。

 「はぁ、はぁ、助けてくれ! 家の中に妻と子供が残ってる、火の中に入っていって助けに行きたいけど、俺じゃ燃えて死んじまう。どうか助けてくれ、頼む! 一生の頼みだ…!」

 おじさんは縋り付くように懇願した。

 「もちろんです! 絶対に助けに行きますから、おじさんははやく安全なところに!」

 「ありがとう…、2人とも2階の寝室にいます。どうか、どうか……」

 「任せてください!」

 そう言って、おじさんは火の粉がかからない方に走っていった。

 「じゃあ、ここは私と恵で行くから、桐香は他に逃げ遅れてる人がいないか探してきて。」

 「2人で大丈夫?」

 「うん。なんとかするよ。それより、ここに戦力かけるより、手分けして一人でも多く助けた方が良いんじゃない?」

 「…うん、わかった。じゃ頼んだよ。」

 とはいえ、私は火を消すには無力なので、魔法で水を出せる恵が頼りになる。ということで恵が火を消して、私がその隙に入っていくという作戦にした。

 「大量の水!」

 恵の声とともに滝のような水が出て、入り口付近の火が一気にかき消された。

 「よし! 行こう!」

 建物の中に入ると炎が燃え広がっており、大量の煙が充満していた。生身では到底進めそうにないので、足下の火を消して、一瞬道を作って進むを繰り返し、なんとか奥の部屋までたどり着いた。

 しかし、扉を開けようとするもドアノブが熱すぎてまともに触ることができない。

 「そんな、ゆっくり冷やしてる暇なんかなさそうだし…」

 そうしている間にも、かき消した火や煙が私たちの後ろまで迫っていた。

 「私に考えがある。あの! 中にいたら一回扉から離れてもらって良いですか!?」

 私は刀を出し、中にいるおじさんの奥さんと子供に呼びかけた。扉から離れた気配を感じて、私は刀を2回振り、扉をスパッと上下に斬った。

 「桜すごい! そんなことできるようになったのね!」 

 「まあね。だいぶ練習したからって、そんなことより今は…」

 部屋の中に入ると2人とも部屋の奥で抱き合うような格好で固まっていた。

 「助けに来ました。もう大丈夫ですよ。」

 2人の手を取り、部屋を出ると廊下にはまた煙が充満していた。

 「ふぅ…、突風!!」

 恵が少し気合いを入れて叫ぶとさっきよりも強い風が吹き、出口までの煙が外に押し出された。

 「今のうちに!」

 私たちは煙が戻ってくる前に、なんとか脱出することができた。


 「逃げ遅れてる人いますか!」

 桐香は逃げ遅れた人を探し、燃え盛る家々を走り回っていた。

 「―――」

 建物の木材が燃えるパチパチという音の中でかすかに人の声が聞こえた。

 (どこだ? 多分こっちだと思うんだけど…)

 声が聞こえた家の前に来たとき、建物の脇にもう1本路地があることに気づいた。路地を抜け、もう1本隣の通りに出ると、窓から女の人が身体を乗り出し、叫んでいた。

 「誰か、助けて! せめて娘だけでも!」

 「…いた! 今助けます! とはいえ私だけじゃ中には入れない、はやく恵に……」

 「あなたお祭りの時に壇上にいた…。お願いします! 3歳と6歳の娘がいるんです! この子達だけでもお願いします!」

 女の人が窓から身を乗り出して助けを求めている。その背後からは大量の煙があふれ出ており、部屋の中まで火の手が回っているようだ。

 (どうする…、助けるとは言ったけど、私じゃこの火はどうにもできない。とはいえ、恵を呼びに戻る余裕もない……。いや、もしかしたらこの世界なら…)

 「その場から飛び降りてください! 私が受け止めます!」

 (窓の位置から考えて、あの人がいるのは3階。普通なら3階から飛び降りる人を受け止めようとすれば足も腰も無地じゃないだろうけど、この世界の私ならいけるかもしれない。)

 「と、飛び降りるんですか!? この高さを…」

 女の人の奥からは子供の泣き声が聞こえる。躊躇している暇はない。

 「大丈夫! 私は天使の一人ですよ? 怪我一つさせません。」

 女の人を不安を払拭しようと、桐香はがらにもないことを言って笑った。

 「わ、わかりました。では、娘から降ろします。お願いします!」

 女の人は3歳の娘から順に降ろし、桐香はそれを受け止めた。2人目の娘をキャッチした頃、部屋にあった何かが引火したようで、部屋の中が小さく爆発し、女の人は放り出されるように飛び降りた。

 「きゃああああ!!!」 

 想定していた落下点と変わったことで桐香は若干無理な体勢にはなったが、なんとか受け止めることができた。

 「あ、ありがとうございます! ありがとうございます! この恩は一生忘れません!」

 そう言って何度も頭を下げて、女の人は2人の娘を抱えて教会の方へと向かった。

 「身体能力が上がってるからなんとかなるとは思ってたけど、あの体勢でキャッチしてなんともないなんて…、想像以上だな。」

 桐香は親子を見送り、ズボンについた煤を払って、逃げ遅れた人の捜索を再開しようとしたとき、2件隣のまだ引火していない建物の扉がバンッと蹴り飛ばされるように開いた。 

 「…あ? なんだお前?」

 出てきたのは右手に剣、左手には大きな袋を持った20代前半くらいの若い男だった。男は西洋鎧の手甲と鉄靴だけを付けており、胴には帷子のみを付けていた。

 「お前こそ、逃げ遅れた町民ではないよな?」

 桐香は警戒し、姿勢を低くしてバッジに手をかけた。

 「まさか、この火事の発端になった兵士って…」

 「だとしたら何だ。殺すのか?」

 男は持っていた袋を投げ捨てるように傍らに置き、薄笑いを浮かべた。雑に置かれた袋の口が開き、中から数枚の硬貨や宝石のようなものが零れた。

 「お前…、 殺しはしない。少し反省してもらうだけだ。」

 桐香は込み上げる怒りを抑えながらバッジから銃を出し、男に向かって構える。

 「なんでこんなこと。兵士は市民を守るんじゃなかったのか?」

 「ふっ…、ああそうだな。兵士は国の安全を守るのが仕事だ。だからこうして国に仇なす敵を殺しに来たんだよ! 国に反逆する市民(おまえら)をな!!」 

 「は? この町の人たちがいつ反逆したって言うんだよ。」

 「俺はな…、俺たちは毎日汗水垂らして国民のためっつって訓練してきたんだよ。それなのにお前らは国に反逆した。何人もの仲間がお前らに殺された。今まで守ってやってきたお前らに、殺されたんだよ!!!」

 男は激昂し、剣を構えて桐香に向かっていく。

 「支離滅裂だ。話し合いは無理か…」

 桐香は銃の引き金を引き、兵士の足下の石がパンっと爆ぜた。驚いた兵士は前屈みに倒れた。

 「おとなしく捕まってくれ。話はその後いくらでも聞くから。」

 桐香は男に手を伸ばしたが、男は桐香をにらみ返し、手を払った。

 「……ふざけるな! なんで俺だけこんな目に遭うんだよ。全部…全部悪いのはお前らだろ!」

 男は怒っていたかと思えば、泣いてるように震える声で言った。

 (様子がおかしい。感情が不安定すぎる。口ぶりから逆恨みなんだろうけど、それにしたってあまりにも狂気的だ。)

 「一旦落ち着け! この町の人たちは首都の反乱とは関係ない!」

 桐香は様子のおかしい男をなんとか落ち着かせようと必死になだめようとした。

 「黙れ! 俺は敵のお前らを殺しに来たんだよ!」

 男は桐香の話を歯牙にもかけず、再び剣を構える。

 (しまった、近づきすぎた…!)

 桐香は男の剣を銃身で受けるのが精一杯だった。この距離では狙いを定めている隙もない上に撃てたとしても男に致命傷を与えてしまいかねない。桐香はそれ以上動かれないように必死に銃身で男の剣を押さえていた。

 「桐香! 大丈夫!? さっき銃声が…って誰!?」

 私と恵が銃声を聞いて別の通りに来ると、桐香を襲う男の背中が見えた。私の声に気づいた男は桐香を押し飛ばし、私の方へと近づいてきた。

 「ダメだ2人とも! その男から離れて!」

 「え? どういうこと? この人誰?」

 「そいつが町を襲った犯人だ! とにかく危険だ!」

 「えぇぇ!?」

 気づくと男は私の目の前で剣を振り上げていた。私はのけぞるように反射的に避けた。

 「ちょ、なになになに!?」

 私は刀を出したものの鞘を抜く間がなく、鞘に収まった状態で受け続けた。

 桐香はもう一度銃を構え、男の背中に標準を合わせたが、引き金を引けなかった。

 (手が震える…、何で? 背中ががら空きなのに、軽めに撃てば終わりなのに、出力も照準もコントロールできない。どうする、いっそこのまま……)

 「桐香! 私どうすればいい!? 桐香が教えてくれればなんとかするから!」

 (桜…、そうだ私一人で何とかしようとしなくてもいいんだ。)

 「二人とも! そいつを止めて!」

 「うん、わかった!」

 私は刀で男の剣を払い、距離を詰めた。怖いけど、ウルサスほどの力も威圧感もない。今度は私から刀を振るうと男はそれを止め、鍔迫り合いのようになるも、単純な力は私の方が勝っていた。

 「あああ!! 何なんだお前ら!!! 俺の邪魔をするな!!」

 よろめいた男は目を充血させ、鼻息荒く私に向かって剣を構える。

 「水!」

 恵の魔法で男の顔に水がかかる。目くらましを食らったように男はよろよろと後退した。その隙に私は男の手を峰打ちすると男は剣を落とし、膝をついた。

 「なんで……」

 男の顔は泣いているように見えた。

 「ごめん。あとで一杯話聞くから。」

 私は男の脇腹を刀で打つと男は気を失った。


 「ごめん。私がしっかりしないといけなかったのに。」

 気絶している男の手を拘束すると、桐香が申し訳なさそうに切り出した。

 「そんなことないよ。桐香が指示出してくれたから私たち動けたんだよ。」

 「そうよ。それに桐香、私たちが来るまでこの人止めてくれてたんでしょ?」

 「…ありがと。そう言ってくれると助かる。」

 私たちは男を教会に連れて行き、カイルさんの指示でとりあえず地下の物置に今晩はいてもらうことにした。避難した人や家がなくなってしまった人は教会の一階で一夜を過ごすことになった。

 

+++


 翌日、バーリングの西側の建物の火は完全に消化され、とりあえず事態は収束した。二〇人近くの人が怪我をしたようだったけど、幸い死者はいなかった。

 私たちは昨日の男の話を聞くために、カイルさんと一緒に教会の地下室に向かった。

 「おはようございます。気分は落ち着きましたか?」

 男は昨日とは随分と印象が違い、青ざめた顔で肩をすくめてうつむいている。

 「…なぁ、これ本当に俺がやったのか?」

 「え? 覚えてないんですか?」

 「いや…、そういうわけじゃないけど、まるで悪夢でも見てたみたいで、現実で起きたこととは思えない。」

 「は? お前あれだけ人を傷つけといてなんだよそれ。」

 男の曖昧な返事に、桐香は怒気を強めて言い返した。男はただ怯えるように頭を抱えて続けた。

 「そりゃ俺だって不満はあったし、全く恨みがなかったわけじゃないけど、全部戦争の生だと思ってたし、俺が民間人を傷つけるなんて考えたこともない。…でも、昨日の記憶は確かにあって、もう訳わかんねえよ……。」

 言い終える頃には涙を流していた。演技をしているようには見えないし、何より昨日とは雰囲気がまるで別人のようで、何もかもが異様だった。

 「じ、じゃあ、事件の前に何かあったとか、そういうことですか?」

 思い返せば、初めてカイルさんから首都の内乱の話を聞いたとき、発端となる事件の首謀者は記憶が曖昧で動機がわからないと言う話だった。

 「…4日前、俺が配属された東部地区で衝突があった。俺たちは訓練兵で経験は浅かったけど、他にいないってことで戦場に駆り出された。結果は案の定ボロボロで、半分以上が負傷して、3分の1が戦死した。その中に俺の友人もいて……、でも、だからって民間人に復讐しようとなんて考えていなかった。はず…」

 男は恐ろしい光景を思い出しているように震える声で言った。

 「…あ、それと、確か、緊急事態の鐘の音を聞く直前に変な音を聞いたな。」

 「音?」

 「ああ、ブオオオっ感じの角笛みたいな変な音だった。国軍は合図に角笛なんて使わないし、反乱軍が使ってるなんてことも聞いたことがない。」

 変な音…、直感的には今回の件と何の関係もなさそうだけど、話を聞く限りは確かに変だし、なんとなく引っかかる感じがした。

 「あの音を聞いてからはなんつーか、頭に血が昇ってるみたいで……。なぁ、俺は死刑になるのか?」

 「それは…」

 私はカイルさんに視線を飛ばした。私たちは事件の真相が知りたかっただけで、処罰とかは全く考えていなかったし。そもそも人を裁く権利はない。

 「彼女たちは審問官でも自警団でもありません。しばらくは私が身柄を預かります。落ち着いたら国軍の方に行きましょう。」

 カイルさんは男を連れて行き、その場を収めてくれた。


 「なんか、普通に恨みとか復讐とかそういう話ではなさそうだね。」

 「まあ、一応動機らしいものはあるみたいだけど、本人が否定してるし、自分でも何してるかわかんないって感じか。」

 「もしかして、本当に堕天使ってのが関わってる?」

 「それはわからないけど…、でも、動機がないとしたら内乱の発端になったリムさんと一緒だし、なにより記憶が曖昧で頭に血が昇ってたって、そんな偶然ある?」

 私だけではなく、2人も今回の件とカイルさんから聞いた内乱の発端となった事件がなんとなく似ていると思っているようだった。明確な動機がないこと、頭に血が昇っていたという発言、奇妙な点が見事に一致している。加えて今回は謎の奇妙な音…。

 「首都に行って確かめよう。その堕天使が関わってるかどうかはわからないけど、もしそうなら私たちにしか解決できない。」

 この一件で首都の内乱の余波を目の当たりにして、事態の異様さがわかった。私たちがこの世界に来た目的の堕天使を探すために私達は首都アインスに行くことを決めた。

 


お読みいただきありがとうございます。

 

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