王族と契約の印紋の話。※
「ねぇ?ベニカ。僕たちの印紋はひとつだけでしょ。これが、証明。…王族の印紋は成長するんだ。」
「印紋が成長…?」
「そう。"王族の呪い"だよ。」
ルル様はちょっと長くなるんだけど、と前置きをしてからゆっくりと話始めた。
魔法があった時代から暫く経って、印紋が出始めてすぐの頃。
その頃はまだ…王族も他の貴族と同じ約束の印紋で。
当時数名居た後継者候補も例に漏れず、側妻やお気に入りに付けていた。
「女性の方もただの貴族よりは王族の血が欲しい、とこぞって王族と性交渉をする人間が絶えないし、その分子どもも増えたりするから…後継者が増えすぎてこの国の王政は混乱したらしいんだけど。」
無尽蔵に印紋を付けたとなると生まれた子どもの数も想像に難しくない。
「それを重く見た当時の王太子がどこからか魔法を使える人間を連れてきて…王族に呪いをかけた。」
王族は印紋を付けることは何人でも出来るが子を残せる相手は1人だけ。
同じ異性と3度性交渉をすれば子を残せる様になるが、3度してしまえばその相手としか性交渉は出来ない。
1度でも王族と性交渉をしたものの印紋は書き換えできない。
そして…印紋は成長する。
別の相手と性交渉した場合は印紋は別箇所に現れるが、同じ異性と性交渉した場合は植物が成長するように範囲が広がる。
「このちょっと特殊な印紋を王家は"契約の印紋"と呼んでいる。」
「契約の印紋…約束の印紋よりも厳かな感じですわね。」
「それはそうだよ。1度付けたら消せないから。」
飄々と重大なことを言ってのける。
「消せないんですの…?」
「…そんな不安そうな顔をしないでよ。言ったでしょ?今だけ、兄さんが無事成婚するまで我慢してって。大丈夫。方法が無い訳では無いから。」
「本当に…?」
「僕がベニカに嘘をつくと思う?…今まではってことだから安心して?」
ルル様はハニカむ様に笑うと、私の頬を撫でた。




