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始まりのお話。

第二王子の名前をルイと呼ばせたくてルイポルトにしていましたが、フランス語で狼の意味を持つ「ルル」に変更することにしたため、ルヴァスールに変更致しました。

『ベニカ・ヴィクトーリア・ブライトナー、申し訳ない。陛下からの王命なんだ。婚約破棄をしてくれないか。』


ワタシ、ブライトナー侯爵家の次女であるベニカ・ヴィクトーリア・ブライトナーが皇太子殿下ーーーーレオナルト・ヨハンネス・アインハルト様からそう伝えられたのが今朝方のこと。


『私は隣国のリディ王女と婚約することになった。』


私の方をまっすぐに見つめて…そう、レオナルト殿下は仰る。

王命ならば、仕方ない。

私がどんなにレオナルト殿下を慕っていたとしても、国同士の繋がりを出されてしまえば勝てない。

いくら祖母が王妹でも…私は国内の一貴族に過ぎないのだから。


『分かり…ました。婚約破棄、了承致します。』


『ーーーだが…私には君が必要だ。』


私の返事に泣きそうな顔をして私を見つめる殿下に、浅はかにも胸がときめく。


何を…仰られるのかしら。

これから婚約破棄をする相手に。

結婚は無理だけど、これからも友人として付き合ってくれ、とか?


だけど殿下は過去1番に綺麗な笑顔を浮かべて、言った。


『リディ王女とは結婚するが、愛のない結婚だ。だから…私の愛妾になってくれ。』


愛妾…?



私は確かに殿下を慕っている。

けれど、殿下に好きだとか愛してるだとか…そんなことを言われた覚えはない。


それでも私に…2番目の女になれ、と?

貴方の1番になりたい私に…











ーーー「どうして…っ」


「どうして?それは僕に対して?兄さんに対して?」


……そうだ。今、私は何故か第2王子、ルヴァスール・マティーアス・アインハルト様ーーールル様に押し倒されている。


朝から散々だ、と思いながらも現実逃避をしたくて思い出したくもない今朝のことを考えていたのだ。


「…殿下のことよ。」


「そっか。兄さんは婚約破棄をするベニカを愛妾にって言ったんだって?…反吐が出る。」


「…え?」


「だってそうだろう?結局は妾だけど、愛妾といえば良いように聞こえるかもしれない。けれど、あの兄さんに愛なんて分かるわけが無い。そんな人がベニカを2番目でも幸せ、なんて思わせられるとは思えない。」

「この国の王族は一夫一妻制だ。いつまで経ってもベニカは2番目でしかいられない。愛妾なんて…ベニカを縛るだけだ。」


怒っているのか、眉間に皺を寄せて吐き捨てる様に言う。


「ベニカが2番目なんて許せない。ベニカは1番に愛されるべき人だ。」


言いながら、何故か私のドレスに手をかける。


「だから…抱くね。ベニカを兄さんの2番目なんてさせない。」


「!?…離して…ッ!」


「ごめんね…ベニカ。許してなんて言わない。けど…今だけだから。我慢して。」


ーーー駄目だと言わせない強さで腕を掴むくせに、無理矢理なのを忘れてしまう程に酷く甘く優しく…私はルル様に抱かれた。

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