表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

浦川 日歌里ノウラジュウニシ【side:U】

冷えて固まった残渣

作者: 歌川 詩季

残渣(ざんさ)」と「残滓(ざんし)」を、ちゃんと覚えていません。

 冷えて固まったのは かつて燃えていた情熱の残渣(ざんさ)

 だけど そこから

 炎を(とも)していた その姿は知れない


 流れた汗を(すく)い集めて 水鏡(みずかがみ)をつくっても

 それを流した者の姿を映さないように


 流れた涙が(くぼ)みをみつけて 水たまりをつくっても

 それを流した者の姿を浮かべないように


 冷えて固まった残渣(ざんさ)からは


 どんな色の炎を揺らしていたのか

 どんなあたたかさが まわりを照らしていたのか

 それすらも知れない


 最期まで燃え尽きることができたのか

 なかばで吹き消されてしまったのか

 なにひとつ知れない。



 それでも 冷えて固まった残渣(ざんさ)

 爪ではがしながら 私は想い(えが)


 かつて炎を(とも)していた蝋燭(ろうそく)

 その姿を胸に 私は想い描く

 自分でも、いいかげんに覚えろと思います。

 反省。


  挿絵(By みてみん)


 ※ 下↓にリンクがあります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【同一課題作品】
和蝋燭
作者:日浦海里先生
― 新着の感想 ―
[良い点]  今の状況に憂いを感じながらも、かつて情熱を傾けたものを思うことで心に火を灯しているように感じました。とても素敵な作品です。 [気になる点]  特にございません。 [一言]  以前、残滓と…
[良い点]  >情熱の残渣  >残渣を   爪ではがしながら 私は想い描えがく    無常感の中にも、  それをすくう優しさを感じました。 [一言]  残渣という言葉を冬野も知りませんでした。  残…
[一言]  残渣という言葉自体知りませんでした。  私なら無難に残滓を使いそうです。  何ひとつ後悔はないのかもしれないけれど。  残るものから伝わるものは、やはり少し物寂しい感情のような気がしま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ