サンタクロース?
そして、パーティールームのドアを開けると、
「おー! 皆で写真撮ってたらちょっと遅くなっちゃった!」
と莉乃愛がこっちに気が付き言った。
「莉乃愛ちゃんてか皆まじかーーーーー! 最高だ!」
と直人が喜び、俺は固まっている。
膝上丈のスカートの長さのサンタクロース? が5人いた。
「新ー! これはプライスレスなクリスマスプレゼントだ!!」
「…」
「ってか皆めっちゃ似合ってるねー!」
と直人は、皆の方に歩いていった。
俺はその場フリーズしていると、莉乃愛が近づいてきて、
「あっくんどお~?」
と言ってくる。
「…」
「ほらー、沈黙してないで!」
「…に…似合ってます……」
「よかった! でも皆すごい可愛いでしょー!」
と、言いながら莉乃愛もみんなのところに戻っていった。
すると直人が戻ってきて、
「ほら、壊れるならそこの席に座って壊れてろよー」
と、俺の背中を押して席に座らせた。
「りのあちゃーん! 皆最高なんだけど、この後どんな感じなのー?」
「えっとねー、皆でご飯食べてー、写真撮ってー!」
と莉乃愛が言うと、横から華蓮さんが出てきて、
「その後お菓子食べてー、写真撮ってー!」
と言うと、直人が、
「オッケー! ノープランってことね! そしたら、とりあえず皆で飯食ったら、実は俺がこっそり撮影してた、文化祭ミスコン当日の映像を放映しましょう!」
「おーーーーー! 直人最高すぎる!」
と莉乃愛が言うと、「当日の映像ないと思ってたー」みたいなことをみんな言いながら、空いている席に座りだした。
斜め前の席に座った雪菜さんが、
「コスプレって言っていいのかな? 初めてやった…」
「あ、そ、そうなんですね…に、似合ってますよ…」
「あ、ありがとう…。スカートがあんまり短すぎなくて良かった…」
「おねーちゃんあんまり短いスカートはかないもんねー!」
と、雪菜さんのとなりに彩春ちゃんが座りその横に茜ちゃんが座った。
「こういうのは兄貴に任せておけば、完璧にやってくれるんで大丈夫ですよー!」
「直人は確かに、こういうのすごいよね」
「むしろ、こういう能力で女を騙していると言えます!」
「俺からはなんとも言えません…」
「ただ、不思議なことに、この空間には誰も騙されてる人がいない!」
「いいことなのでは…」
「ま、いいことですけどね~! しかし、アークさん随分私達にも慣れましたねー!」
「さ…流石にね…」
「まぁ、菅谷先輩みたいな超絶美人と毎日一緒にいれば慣れるかー」
「え…いや、茜ちゃんもりのあとはタイプは違うと思うけど…相当可愛いかと……」
「えっ…」
「あぁぁぁぁ! 人の妹ナンパしてんじゃねーよーーー!」
「え? いや客観的事実」
というと、茜ちゃんは下を向いてしまった。
「私もやられたわー」
と彩春ちゃんがニヤニヤしながら茜ちゃんの方を見ていた。
そしてその後皆で、準備してあった寿司やらピザやらをを食べ、文化祭当日の様子を放映し、そして彩春ちゃんが「おねーちゃんが昨日だした歌を聞いて欲しい!」といい、まりんさんと一緒に歌を歌っている動画を放映し、と続いた。
ノープランの割には、結構みんなで一緒にやってきたことがあるので、話題も尽きず、海の写真を見返したり女子がしだしたころ、
「新ー、そろそろタイミングだからとってきてくれー」
「俺1人で?」
「2人で行ったら変だろうがー」
「わ…わかった…」
「この部屋の前まで来たら、LIMEして」
「りょ…りょうかいです……」
そう俺は言うと、席を立ちパーティールームを出て、家に戻り、俺と直人2人のプレゼントを台車に載せて戻った。
『ドアの前』
『了解、ちょっとそのまま待機』
とメッセージが来ると、中から微かに声が聞こえてきた。
「えーーーーーみなさん! プライスレスなクリスマスプレゼントを、俺と新にありがとう! なので、お返しに直人サンタと新サンタは高校最後のクリスマスに、大奮発したプレゼントを準備しました!」
と直人が言った。
密閉性高すぎだろ…、結構近づかないと聞こえない……。
「え、まじで?!」
「兄貴、やるじゃん!」
と聞こえた。
多分華蓮さんと茜ちゃんだろう。
そうするとドアが開き、
「お、おわ、ちけーな」
「あ、ごめん」
「まず彩春ちゃんと茜のやつ。俺が茜でお前が彩春ちゃんに渡そうぜ。渡すまで後ろに隠しておけよ」
「あ、うん」
そう言われたので、俺は台車からGECCIのプレゼント包装された紙袋を二つとりだし、直人に茜ちゃんの方を渡した。
そうして中に戻っていく直人の後ろについて俺も中に入ると、もうワクワクとした5人の目がこっちを大注目している。
「ではまずー、彩春ちゃんと茜こっちきてー!」
というと、サンタな2人がこっちにやってきた。
「メリークリスマス!」
と、直人が言うので、とりあえず真似して
「メ……メリークリスマス……」
と言いながら、後ろ手に持っていたプレゼントを2人に渡した。
「あ…兄貴……ガチ?」
「ちょ、まって…」
と2人が嬉しいというより驚いている…
「ま、まさか袋だけでぬか喜びを…!」
「まぁ開けてみろよ!」
と直人が言うと、2人はそっと袋から中身を取り出した。そして、
「やばすぎでしょ……」
「こ、これもらっていいの…」
「おう! クリスマスプレゼントだしな! 使ってくれ! 俺と新2人で買ってるから!」
と、直人が言った。