表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

82/131

【中里雪菜視点】おじさんみたい

「おねーちゃんカラオケいつぶりー?」


「歌うのは中学以来かも…」



と、私は彩春と2人で街を歩いてる。




この前、急遽アークさんとgoodさんとOPEXの配信を行った。


太田さんからは、「今回はアークさんがいたから大丈夫だけど、あんまり突発的にやりすぎると荒れるから注意してねー」と、配信を始めてから初めて注意されてしまった。



でも、なんか楽しかったな。


goodさんもすごい話やすくていい人だったし。


最後の試合、ハンデ有でダメージ勝負したけど、2人がまさかの超本気で、ハンデがあっても負けてしまった。


だって、私がロングでダメージ稼ぐ前に倒しちゃうんだもん…。


そして萌え声は死ぬほど恥ずかしかった。




でも、視聴者さん達には非常に好評だったようで、『また来る代』と言って、結構投げ銭も投げられた……。




でも、そんな本気な2人について行けたし、私もダメージを与えられた。


OPEX着実に上手くなってるんだなと実感できてよかった。



萌え声は、恥ずかしいからできればもうやりたくないけど…。




今日は休日なので、お昼ごろから夕方にかけて配信をしたので、もう配信の予定はない。


ただ、事務所の人から提案されて、クリスマス前にまりんさんと2人でマリンスノーとして、最近人気の歌を歌ってみて、その動画を投稿することになっている。


もう久しく歌なんて歌っていないので、彩春にお願いして付き合ってもらって、練習のためにカラオケに向かっている。




「しかしついにおねーちゃんが歌を出すのか―」


「歌を出すっていうか、カラオケだけどね」


「でもちゃんとしたスタジオで録音するんでしょ?」


「そうみたい」


「そりゃ、ちゃんと練習しないとねーーー」


「彩春つきあってくれてありがとね」


「ぜーんぜんいいよ! タダでカラオケできるし!」


「それは任せて!」




最近では登録者が30万人を超えていて、まだ伸びている。


大分収益もあがっているようで、高校生にしてはってか普通の社会人としてでも、そこそこもらってるぐらいの、収入があるようになった。


お父さんは「いよいよやばい…」と言っていたが、私自身は特に実感もないので、こうしてたまに彩春にご馳走したり、奢ってあげたりするぐらいだ。




カラオケに入り、彩春が受付をして、言われた部屋に入ると、彩春が慣れた手つきでタッチパネルで曲選ぶ。




「さ…最近はそんな感じなんだね……」


「おねーちゃん……おじさんみたい…」


「いやだって…全然行く機会ないからさ……」


「まぁ配信頑張ってるのは知ってるけど、もう少し高校生がやることもやったらーー」


「んーーーー、まぁもう卒業だし!」


「おねーちゃん卒業したらどうするの?」


「このままバーチャル配信者専業かなぁ……」


「ええ、他に選択肢あるの?」


「あ、いや、そういうことじゃなくて、普通に日向ゆきはをやるんだけどさ!」


「えー、じゃあどういうことー?」


「えっと…いつか顔出し配信やってもいいかなーとか……」


「えええええええ? どうしたの? あんなに嫌がってたのに!」


「あ、いや、バーチャルやってるし逆に難しいことはわかってるから、その予定もないんだけどね…」


「そりゃそうだろうけど…」


「いやさ、文化祭の時のりのあちゃん見てたらさ、りのあちゃんだけど私の真似してくれてたじゃん? だから、なんか悪くないのかもなぁ……なんて……」


「……まじで?」


「いやでも! 日向ゆきはだからさ! もしそういうことがあってもって…」


「いやーーーー、まぁどうやってやるのかとかはわからないけど、あの、おねーちゃんがそう思えたってことはいいことだね!」


「そ、そうかな?」


「そうだよー! 前はバーチャルの方がー…みたいな感じだったのにー。あー、頑張ってよかった!」


「いろはありがとね! とりあえずは、日向ゆきはをもっと頑張る為に練習しないと!」


「よーし、んじゃ指定曲いれるよ!」


「あ、え、いや、最初はいろはが…」


「もーーーしょうがないなー! そしたら私が歌う間に心の準備してねー!」


「う、うん…」




そう言うと、彩春は慣れた感じで曲を入れて、マイクを持って歌いだした。


その後、私も指定曲を入れて歌って、原曲を聞き直して彩春にアドバイスももらいながら、練習した。



3時間弱練習して、家に帰りお風呂に入って、日向ゆきはのSNSを見ていると、湯月くんからLIMEがきた。




『この前急遽一緒に配信になっちゃいましたが、怒られたりしませんでしたか?』

『やりすぎは注意だよ~って軽く注意されたぐらいです!』

『なんかすいません…』

『あ、いえいえ! 私は楽しかったんで本当よかったです!』

『それならよかったです』

『goodさんもすごい話しやすい人ですね!』

『そうですねー、あんまりギスギスしたタイプの方ではないですからね』

『はい、よかったです!』

『それじゃあ、また機会がありましたらやりましょう!』

『太田さんはやっぱり入ってもらいたいみたいですよ(笑)』

『いやいや、ホロサンジはってかバーチャル配信者なんてできませんて』

『あはは(笑) 是非またよろしくお願いします!』

『はい、こちらこそ』





アークさんの中の人、湯月新くん。


りのあちゃんが髪を切りに連れてって、服を変えてから、何回か会ってるけど、すごいカッコよくなった。


それに喋るとやっぱりアークさんと一緒だから、本当に安心する…


同年代の男の子の知り合いなんてほとんどいないけど、湯月くんと後一応直人くんは、普通に気にすることなく喋れる。


やっぱり白風あげはを育ててくれて、日向ゆきはを支えてくれたアークさんは、私にとっては特別なんだなぁ。


そんなことを思いながら、明日の配信について日向ゆきはのSNSに投稿した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 実際の関係はりのあがリード気味ですが、あっくとの相性としては雪菜の方が良さそうな感じですねぇw 顔出し配信への思いも口にして、成長見られますし。 りのあ、同居してるメリットを生かして頑張らな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ