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【菅谷莉乃愛視点】パ……パン屋…だと

「あっくんは大学に行くか行かないかで迷ってるんだってー」




と、わたしが買ってきた牛乳を飲みながら言うと、




「どこでもいけるのに?!」




と前の席に座った華蓮が答えた。




「そうみたい」


「なぜ?!」


「わかんない!」


「ってか大学ってなにすんの?」


「さー?」


「ってかりのあはどうするの?」


「んー、あっくんが帝都にいるならわたしも帝都!」


「えーなにそれーー(ニヤニヤ)」


「か…家族だからね!」


「でも、帝都で何するの?」


「んー…いっそモデルを本業にしてしまう…?」


「りのあはそれがあるからいいよねーーーー! あたしどうしよーー」




と二人で話していると、いつもの3バカの1人が話しかけてきた。




「なんだ三好、進路悩んでるのか?」


「んーあーまーねーー」




と、華蓮がめんどくさそうに相手すると、




「なんなら、俺がもらって…」


「死ね!」




と言って、座りながら男子のすねを蹴った。


華蓮がそのまま、




「てかあんたは決まってんの?」


「ん? 親父の後継いで大工」




と、話した。すると3バカの残り二人が集まってきて、




「俺、実家のパン屋」


「俺専門―」




と話してきた。




それを聞いた華蓮は、




「パ……パン屋…だと?」


「あーうち、あの駅前のパン屋だからさ」




というと、華蓮が堪えきれず、




「…に……似合わな過ぎて反応に困るんだけどーーーーー!」


「いや、ほんそれーーーーーー!」




とわたしたち2人が言うと、




「う…うるせーな! 俺も似合わねーことわかってっからちょっとハズいんだよ!」




と、照れ笑いをしながらその男子は話し、「パン屋で働きだしたら行くわ(笑)」「でもあそこのコロッケパン美味しいよね」なんていいつつ、皆で話してた。






すると先生が教室に入ってきて、




「11月の文化祭について話すから席座れー」




と言いながら、担任の先生が教室に入ってきた。




「えー、プリント配るから前から回してくれー」




そう言うと、文化祭について記載されたプリントが回されてきた。




「要約すると、3年生は各クラス、男子と女子の代表者をそれぞれ選出したミスコンみたいなのがある以外は、2年生の出してる出店やらを楽しんでくれー」




それを聞いたクラスメイトは、




「いよっしゃあああああああああ! この時を待ってたぜええええええ! ぜってー優勝すんぞおおおおおおおお!」


「昨年の出店は3位だったからぜってぇかああああああああああああつ!!!!」




と大盛り上がりだ。


優勝するとなにがあるってわけじゃないが、まぁわたし達のクラス、イベントごとは必要以上に前のめりなうえに、順位が出るとなるとこんな感じだ。


2年の時の出店は売上で順位が決まるのだが、女子が可愛い制服を着て販売するフライドポテト屋だった。


わたし達のクラスは誰かが美味しいものを作れるわけでもないので、女子の容姿と制服で戦いにいったが、あえなく美味しい焼き鳥と美味しいカレーを提供したクラスに負けた。




「あーーー、うるさいなお前らー。まぁ優勝目指すのはいいがほどほどになー」




と先生が言っているが、もう「誰出る?」みたいな感じで、あまり聞いてない。




「ってか、女子は菅谷だな!」


「そうなの?」


「ったりめーだろ! 東の菅谷だぞ! 女子部門はぜってー勝てる!」


「んーまぁ他の子がいいならなんでもいいけどー」




というと、




「いやいや、りのあしかありえないでしょ!」




と華蓮がいい、女子が皆頷いてる。


すると先生が、




「ミスコンとはいっても、どれだけ綺麗かって感じじゃないぞー。まず日常のその子を映した動画撮って、会場で流して、その後本人がステージに出てきてアピールタイムがあって、その動画の本人とステージに出てきた本人にどれぐらいギャップがあるか。よりギャップが大きいと感じた人に投票していく感じだぞー」




それを聞いた華蓮が、




「りのあに勝る人なんていない!」


「いやいや、ギャップとかわたしよくわかんないんだけどぉ!」


「んー……確かにわたしもよくわかんないなぁ」


「あっ! 閃いた! わたし雪菜になるわ!!」




それを聞いた華蓮は、驚愕の表情をうかべながら、




「そ…それは! た、確かにギャップがすごい! りのあの清楚系女子、見たい!」




と言った。


他の子が口々に「雪菜ってだれ?」と聞いてくるので、




「あー雪菜って西の中里ね。この前一緒に海行ったのよ。この子」




と言ってわたしが海で撮影したツーショットをスマホに表示すると、クラスメイトがわらわら集まってきた。




「こ…これはやっべーーーーーーーーーー! この写真くれええええええええ!」




と男子が言い出し、




「え、やばああああああ!!! めちゃ可愛いーーーーーーー!!!! 流石西の中里だわ。てかりのあいつの間にか友達だったんだね」




と女子が言い出した。


するといつものバカ3人のうちの一人が、




「いや確かに、普段の菅谷がこれになってステージ出てきたらビビるけどさ、なれんの?」




というので、




「ふふふ、妹がこの学校の1年にいるじゃないか! 服もメイクも仕草も話し方も、全て妹仕込みにしてもらえばいけるっしょ!!」


「たしかにーーーーー! それはありだ! なんか地味な子が派手になる的なの多そうだけど、美少女が別の美少女ってギャップはものすごそうだ!!!」


「んじゃ女子は菅谷で! 男子どうする?」




と話し出した。


話し合った結果、男子は3バカの1人が出場することとなった。

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