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海の持ち物

直人が全員の予定を調整した結果、お盆明けの次の週に、皆で海に行くことになった。

場所は伊豆の更に先っちょの方だ。


直人の親父さんが一緒に同行してくれるとのことで、仕事で使う大型のミニバンで全員を一気に車で乗せていってくれるそうだ。


俺は特にパソコン以外準備するものもないので、何も考えることなく配信の日々だった。


もう、あと数日というところで、夕食の時に莉乃愛が話しかけてきた。




「ねぇ、あっくん」


「なに?」


「何も用意しているそぶりがないけど、まさか水着あるよね?」


「え? ないよ?」


「え? どうするの?」


「え? 水着いるの?」


「え? 逆に水着いらないの?」




と二人で、かみ合っているようで全くかみ合っていない会話をしていると母さんが、




「あはは! りのあー、新は海に行くとは言っても、入ると言ってないから入るつもりないんだと思うわよー」




莉乃愛はそれを聞き、俺の方を向きながら若干引いていた。




「まじか…海に行くというのにそんな選択肢あるんだ…」


「…いや、逆になぜ海に入るという選択肢があるのかが俺には…」


「あっくんじゃあ、逆に何もってくの?」


「ノートパソコン」


「…」




すると母さんが、




「あはは、りのあー、なんか新に水着見つけてあげてー。通販で買わせればすぐ届くでしょー」


「う…うん、わかった…」


「新も、ゲームばっかりしてないでもう少し友達と遊ぶということを学びなさーい」




そう言って、母さんは食べ終わった皿をもってキッチンの方へ向かった。


すると莉乃愛が、




「あっくん、後でURL送るからさ、それすぐ買ってね…」




そう言って部屋に戻っていった。




その後、莉乃愛から送られてきたURLをお急ぎ便で購入し、莉乃愛と母さんに言われるがまま準備していると、あっという間に前日となり華蓮さんが泊まりに来た。


華蓮さんだけ少し家が離れているので、うちに泊まりに来て、一緒に迎えに来てもらう流れになっていた。


その夜は、いつにもまして明るい食卓の雰囲気に終始圧倒されつつも、次の日朝が早いので、早々にお風呂に入って寝ることにした。


雪菜さんも20時頃に配信を終わらしたようだ。




そして、翌日の早朝、起きてキッチンに行きコーヒーを貰い部屋に戻りネットをみていると、莉乃愛と華蓮さんが出てきたようだ。


部屋から出てきたのが一瞬でわかる。一瞬で家の中が騒がしくなった。



暫くネットを見た後、もうすぐ直人達が迎えに来てくれる時間なので、荷物を玄関に置いてリビングに行った。




「あっくんおはよー」




そう莉乃愛が話しかけてきたので、




「お、おはよう。三好さんもおはようございます」




そう三好さんにも挨拶すると、




「おはよー! 華蓮でいいよ!」




と華蓮さんが言うと、莉乃愛が、




「華蓮、あっくんに名前呼びのハードルは鬼高だよー」


「えーりのあはりのあじゃんー」


「まぁわたしはほら、幼馴染だし」


「えー、そんなのずっと前の話じゃんー」


「ずっと前でも幼馴染に変わりはないからね!」


「でも、最初はこんな感じだったんでしょ?」


「そうだねー」


「どうやって普通になったの?」


「勢いで強引に!」




と、莉乃愛はニカッとしって言った。




「あーおっけー! そう言うの得意だから、あたしも勢いでもってくわ!」




と、華蓮さんが言うと、莉乃愛と二人であははと笑っていた。



俺の意思はいったい…




「り、莉乃愛、そろそろ直人が着くはずだから、駐車場のところに行こう…」


「あーおっけー! 華蓮いこー!」


「りょうかーーい!」




そう言って二人は莉乃愛の部屋に行ったので、俺も玄関に向かい荷物をもって待っていると二人も荷物を持って出てきた。




海に行くと決まっているので、二人とも薄着なのだが、なんかも目のやり場に困るどころか、もはやない。


莉乃愛はなんか、肩が全部出てる白いシャツみたいなやつにジーンズのショートパンツでキャップをかぶってる。


華蓮さんは、少し大きめの白いTシャツにオフホワイトのショートパンツだ。


莉乃愛はある程度見慣れたところはあるけど、華蓮さんも莉乃愛とは違うけど、なんかこう元気な小さめの女の子だから普通に可愛いのだ。



そんな二人が目の前に俺が固まってると、




「あっくんなにー? 見惚れたー?(ニヤニヤ)」




と莉乃愛がからかってきた。




「え…いや……」




と反応に困っていると華蓮さんが、




「りのあ美人だもんねー!」




と話すので、




「あ…そうだとは思うんですが…三好さんも普通に可愛いと思います……」




と俺がもごもごしながら言うと、




「………………聞いた? りのあ? あのバカどもにあっくんの爪の垢でも煎じて飲ましてやりてええええええ!」




そう言って莉乃愛と二人で笑いだした。




三人で靴を履き家を出て、駐車場の車付のところで待って暫くすると、白いミニバンが入ってきた。


車付に車が止まると、中から直人と直人のお父さんが降りてきた。




「おーす! りのあちゃんとりのあちゃんの友達もおはよー!」




そう直人が挨拶すると、華蓮さんが、




「おはよー! 華蓮でいいよ!」


「おっけー! 俺も直人でいいよー! 華蓮ちゃんよろしくね!」


「おっけおっけー!」




と言って、莉乃愛と華蓮さんと直人は3人で話しだした。

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