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ご説明

『聞いて驚け』




直人に、海の相談をしてから数日後、連絡があった。




『なに?』

『海のメンツが決まった』

『そうか。そう言えばりのあから、1人友達を連れていきたいと言われていたんだった』

『そう言うのは早く言えよ』

『忘れてた』

『まぁ問題ないけど』

『じゃあいいじゃないか』

『ではりのあちゃんの友達いれて7人』

『だれなの?』

『俺、お前、りのあちゃん、茜、彩春ちゃん、雪菜ちゃん、りの友』

『……俺が相談したんだけどさ……』

『なんだよ』

『雪菜さんとの関係を、りのあになんと言えば…』

『知らん』

『初めて会いましたとか、どう考えても無理だしな…』

『まぁそれは流石に無理があるだろうな』

『んじゃ伝えるしかないのか…』

『まぁそれぐらい自分で何とかしろ。まぁそういうことなんで、お前は暇だろうから、忙しそうな女子を中心に予定決めるから決まったら教える』

『うん、わかった…』




 これは困った。

 

 流石に、莉乃愛に雪菜さんとの関係性を一切説明せずに突っ込めるとは思えない。


 だって配信であれだけ喋ってるし…。



一旦雪菜さんに、日向ゆきはの中身が雪菜さんだということを話していいかを聞かないと…

と思い、俺は雪菜さんにLIMEで連絡した。




『雪菜さん、海に一緒に行かれると伺いました』

『はい! 妹から誘われたので…大丈夫でしたか?』

『もちろん大丈夫なのですが、込み入った事情がありまして…』

『菅谷さんのことですかね?』

『はい…』

『ほとんど聞いていないんですけど、今一緒の家に暮らしてると伺いました』

『はい、そうなんです。それで、少し事情をご説明できればと思いまして、ディスボードでお話しできるタイミングありますか?』

『今日の22時なら大丈夫ですよ!』

『了解です、ではその時間にディスボードに入りますね』

『よろしくお願いします(スタンプ)』




そして、予定の22時になったので、ディスボードに入った。





「アークさん、お疲れ様です!」


「お疲れ様ですゆきはさん! ウォールガイズの配信見てましたよー」


「あ、ありがとうございます! 事務所の方に誘っていただけたので!」


「しかし、もうすぐ20万人ですねー」


「そうなんですよ、ありがたいことに! ただOPEXはプラチナまで来ましたが、今回はちょっとラッキーな感じもあったんで、ちゃんと相応になるように続けます!」


「頑張ってください! それで海の件なんですが…」


「はい」


「つい最近なんですが、ゆきはさんの高校の近くの東の菅谷さんが俺の幼馴染の菅谷さんだということがわかりまして、なんでそれがわかったか説明しますね」


「はい!」


「幼馴染と言っても、菅谷さんが昔住んでいた家が、俺の家の近くで、幼稚園まではよく一緒に遊んでいたんですが、小学校以降は疎遠だったんですよね…」


「ああ、そうなんですね。じゃあ菅谷さんは最近は違うところに住んでたんですか?」


「そうなんですが、少し複雑な状況だったことも最近知りまして、どうも中学なるぐらいでお母さんがなくなり、引っ越しして家庭が大荒れしたみたいでして」


「ああ…そうなんですね…」


「それで色々家庭で問題が起こった結果、小さい頃の記憶を頼りにうちに助けを求めにきまして…」


「なんと……」


「詳細は会ったときにでも本人と話してもらえればと思うんですが、とりあえず問題は解決したんですが、我が家は部屋も余ってるし、母さんは娘が欲しかったし、崩壊している家に帰ってもいいことないってことで、うちで暮らすことになったのが1カ月ちょっと前なんです…」


「なんか、色々あれですね…なんか聞いちゃってすいません……」


「いやいや、大丈夫です! それでまぁ色々あって、海に行きたいということだったんですが、僕リアルではあんなんですから…ちょっと喋れる人が少なくてですね…」


「なるほどですね! 私は一緒に行けて嬉しいですよ!」


「それならよかったです…」


「それに高校に入ってから配信ばかりで、高校生っぽいこと何もしてなかったんで、たまにはいいかなと!」


「確かに、ずっと配信してらっしゃいましたもんね」


「はい…でも、そのおかげで今ホロサンジに所属できているようなものなんで、後悔はないんですが、いい機会だなーと思って!」


「そうですか…そう思ってもらえているなら本当によかったです」


「でも、菅谷さんは私は話したことないですし、駅でチラッと見かけたことぐらいしかないですけど、すっごいスタイルもいいし美人ですよね」


「そうですねー、そうなんだと思いますが、雪菜さんも全くもって同レベルかと…」


「え、あ…ありがとうございます…」


「OPEXで例えるなら、お二人はデスト帯で僕がブロンズです…」


「あはは! でも髪切ったアークさんかっこよかったですよ?」


「あ…ありがとうございます…半ば強引に菅谷さんに連行されまして…」


「えー、実物はもっとカッコいいと思うんで楽しみです!」


「あ、いや、楽しみにされるようなもんではないかと思うんですが…。」


「いいんです!」


「それでですね、流石に雪菜さんと俺が初対面って言うのは無理がありすぎるなと思いまして、菅谷さんに関係性を話してもいいですかね? 恐らくその過程で、日向ゆきはの中の人であることを伝えることにはなると思うんですが…」


「あー確かにそうですねぇ。特に事務所の人から明確にルールを設定されているわけではないんですが、あんまり大っぴらにするのもですよねぇ」


「そうですよねぇ」


「ちょっと聞いてみますね!」


「お願いしてもいいですか?」


「はい、大丈夫です! ではわかったらLIMEで連絡しますね!」


「はい、ありがとうございます。」


「はい、ではまたご連絡します!」


「ありがとうございました!」




そう言ってディスボードを抜けた。


とりあえず、雪菜さんからの連絡を待つことになったが、もし言っちゃダメって言われたらなんて説明すればいいんだ…




翌日、雪菜さんから「友人なら他の人に言ったり、ネットに書いたりしなかったら大丈夫だそうです!」と連絡がきたので、一安心した。


そうとなったら、今度は莉乃愛に雪菜さんとの関係を話さなきゃならない。




「りのあ、少しいい?」




そう言って、莉乃愛の部屋をノックすると、中から「いいよー」と返ってきたので、莉乃愛の部屋に入った。




「りのあ、海に行くことでちょっと話があるんだけど」


「んーどうしたのー?」




ベットでゴロゴロしていた莉乃愛は起き上がるとベットに腰かけた。




「実はさ、海に行くメンバーが決まったんだけどそのことでちょっと…」


「おお! 誰と行くの? いつ????」


「え、えっと…いつかはこれから直人が調整するらしいんだけど、直人の親父さんの知り合いが持ってる海辺の別荘に一泊二日予定」


「まーーーーじーーーーー! 最高じゃんーーーーー! ってか金持ちばっかか!」


「えっと、んで、一緒に行くメンバーなんだけど…」


「うんうん♪」


「俺、りのあ、三好さん、直人、直人妹、中里姉妹」


「中里姉妹?」


「あの、りのあの高校らへんでうわさになってる、西の中里さんとその妹」


「はあああ?!?! なぜゆえに????」


「実は俺、前から中里さん、西の中里さんとは知り合いだったんだ…」


「ええ?? なんで?? あっくんのタイプ????」


「あ、いや、そういうわけじゃなくて…俺がよくやってるOPEXってゲームわかる?」


「あーあの銃で撃つやつね!」


「そう、それで俺のチャンネルも知ってるから、見たことあるかもしれないけど、俺たまにホロサンジの人にOPEX教えてるでしょ?」


「ああ、日向さんだっけ?? 転生告知とかで一躍時の人になった!」


「そうそう、それでねその日向ゆきはさんの中の人が西の中里さんなの」


「………………………………はああああああああああああ?!」


「直人の妹さんと中里さんの妹さんが友達で、直人経由でOPEX教えてくれる人を探してると言われて、転生前から教えてたんだよ」


「えええええええええええええ?! じゃあ、日向ゆきは=西の中里?」


「そう」


「まじ?」


「まじ」


「……………………………………まじか………………」


「それで、今回の海のことを直人に相談したら、俺の喋れるギリギリ範囲を探した結果、こういうメンバーに…」


「……いや、まぁ別にいいんだけどさ…まじか…まさか西の中里がメンバーに入ってくるのは予想外すぎた」


「いや、俺もびっくりでさ…」


「…まぁでもいっか! なんか楽しそうだし!」


「それで、流石にりのあに西の中里さんと俺が初対面って言うわけにはいかないなと思ってご説明に上がりました…」


「なるほどなるほど、苦しゅうないぞ♪」


「それで、中里さんが日向ゆきはってのは口外しない感じで…」


「あーそれはおっけー! わたしもモデルやってるし! あ、でも華蓮はいい? 上手くオブラートに包むとか多分私そう言う器用なの無理な気がする」


「あー、うん、口外しないことを条件でOKだと思う」


「おっけおっけー! 今度遊ぶからその時話しとくわ!」


「ってかあっくん、これで東西制覇じゃん」


「全く意図してなかったんだけどね…」


「不思議な偶然もあるもんだねー。でも西の中里と海に行くとなったら、うちのクラスの男子ども羨ましがるだろうなぁ!」


「そうなんだね…」


「ま、とりあえず水着かおーっと!」




そう言って、莉乃愛はスマホをいじりだした。


話すべきことは話したので、俺は自分の部屋に戻り、落ち着きを取り戻すために、俺のホームグラウンドであるソロ配信を始めようと準備した。




そして、8月後半に皆で海に行くこととなった。

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