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【中里雪菜視点】ホロサンジの洗礼

視聴者の皆さんに受け入れてもらえたので、私はこれまでの経緯を話した。




「本当はもっと早くお伝えしたかったんですが、今回ホロサンジさんでも初めての転生告知となりまして、事務所の方々とも色々と協議した結果今になってしまいました。ご心配おかけした方には本当に申し訳ありません」




と話すと、




『問題ない!』




と、多くのコメントが流れてきた。




「今回、ホロサンジの方から所属にならないかとお声がけ頂いたのですが、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、既にホロサンジにはあげはさんという名前の配信者の方がいらっしゃるので転生前提になる、と。ただ、私としては、昔から私を支えてくれた皆さんを騙すようなことはしたくないということで、ホロサンジの方々に無理言って、今回の告知となりました」




『流石俺たちのあげはちゃん。』

『転生告知あり!』

『これからも応援する!』




「なので明日からはホロサンジ所属の「日向ゆきは」に転生して配信活動を行います! 日向ゆきはの公開は明日の20時を予定していますので、もしよかったらそっちも見てみてください」




『見る、絶対見る』

『そっちもリマインダー出してほしい』

『チャンネル登録してきた』




と、多くのコメントが流れてきた。


その後しばらく、目についたコメントを読み上げそれに返答してと配信をしていると、





『ホロサンジ公式:これからは私たちも最大限サポートいたします』




と、ホロサンジの方が公式アカウントでコメントしてくれた。



それを見た視聴者さん達が、




『公式来た』

『俺たちのあげはちゃんを泣かすなよ!』

『公式も来るとかうける!』




みたいな感じで非常に好意的に受け止めてくれた。


そしてその後、またコメントとお話ししていると、私も予想していなかったことが起こった。




『柊まりん:ようこそホロサンジへ。一緒にOPEXやろうね!』




なんと、柊まりんさんという登録者100万人を超える超大物バーチャル配信者の方がコメントしてくれたのだ。


これには視聴者さんも大盛り上がり。




『やば』

『まりんちゃん来た』

『大物来て草草草草』




と、大量のコメントが流れる。




「え…あ…や…ちょ…やば! ま…まりんさんありがとうございます! よろしくお願いします!!」



すると、




『ロイド:ホロサンジへようこそ』




とコメントしてくれたロイドさんは、男性の超大物バーチャル配信者の方だ。





『ロイドまできた』

『いよいよやばい』

『大物大集結』

『やばすぎ(笑)』




「あ、え、あ、ど…どうしよう……ロイドさんありがとうございます!」




と、大物の登場にしどろもどろになりながらもお伝えした。


それを皮切りに、ホロサンジの方々が次々とコメントしに来てくれて、もうあっぷあっぷしてた。


コメント欄も、なんか壊れた雰囲気になって、




『転生告知やべー』

『大物への第一歩』

『あげはちゃん後半ぶっ壊れで草』




みたいな感じで、様々なコメントが寄せられた。




そして、配信が1時間ぐらいたちそうになったので、




「皆さん、今日は本当にありがとうございました! 最後に、これで最後になる白風あげはのアバターは、知人の紹介でスタジオビブリでイラストレーターをされている、yukiさんに「頑張ってね!」と無料で書いていただき、今回の件も「役目を終えたね」と快く見送っていただきました! 本当にありがとうございました!」




『ビブリのイラストレーターさんだったのか』

『どおりで巫女っぽい衣装』

『え、めっちゃいい話』




「では、今日はこれで配信を終了させていただきますが、また明日から日向ゆきはとしてよろしくお願いします!」


「じゃーねー!」



と言って、配信を終わらした。



ふぅとイヤホンをはずして、お茶を飲むと、バタバタと彩春が走ってきた。




「おねーちゃん!! やばいよやばいよ!!!」


「えー、やばかったよー。もう本当疲れたー」




と、机に突っ伏して、バンっとドアを開けた彩春の方を見た。




「いや、確かにあれはやばかったけど、見てこれ!」




と、彩春がスマホの画面を見せてきた。


そこには、日向ゆきはのチャンネルが表示されていた。




「日向ゆきはのチャンネルがどうしたの~」




と、ぐでっとしながら話しかけると、




「見てよ! この登録者数!」




えー? っと目凝らして登録者を見ると、




 日向ゆきはチャンネル

 登録者数:86,000人




「は? え? やば…」


「だから言ったじゃん! やばいって!」




まだ動画を一つも投稿していない空っぽのチャンネルの登録者が8万人以上いるのだ。

 

一気に白風あげはを超えてしまった。


そんな状態に絶句してると、太田さんから連絡がきた。




「雪菜ちゃんお疲れ様―! すごかったねぇ~」

「おつかれさまです! 本当疲れました~」

「いやー、まさかまりんとかコメント来るとは思わなかったわ」

「本当ですー。あれは太田さんが手配してくれたのではないのですか?」

「いやいやー、誰も手配してないよー。公式だけ! ただ、今回転生告知があることを昨日、配信者たちには伝えたんだけど、皆面白がってたけど、まさかコメントしに来るとは…」

「本当びっくりして、後半もうあんまり覚えてないです…」

「まぁ、とありあえず転生告知お疲れ様! 明日の日向ゆきはの公開もよろしくね!」

「はい、わかりましたー!」

「んじゃ今日はゆっくりしてねー! お疲れ様―」

「はい、お疲れ様です!」




こうして、白風あげはの配信活動が終了した。


アークさんからもLIMEが来ていて、




『一気に大物になってしまいましたね』




と、連絡が来ていたので『困りました…』というスタンプを返したら、




『雪菜さんは、雪菜さんのペースで頑張ってください。無理はしないでください』




と、返事が来たので「ハイ!」というスタンプをお返しした。


ふー疲れた。お風呂でも入ってすっきりしよう。変な汗いっぱいかいちゃったし。


そう思い、




「いろはー、お姉ちゃんお風呂入ってくるわー」


「了解―」




そう言うと、彩春は自分の部屋に戻っていった。



お風呂からあがったあと、白風あげはのSNSで、今日の感謝を伝えた後、新しい日向ゆきはのSNSを告知した。


今気が付いたけど、日向ゆきはのSNSのフォロワーも既に3万人を超えていた。


まだどこにも告知してなかったのに…

 

そしてその日は疲れたのか、そのまま寝てしまった。




次の日起きると、太田さんからメッセージが届いていた。




『配信中にリマインダーが欲しいとコメントで言われてたので、こちらで20時開始のリマインダー設定しておきました』




おおお、これが担当さんというものなのか。

なんかすごい。

 



『遅くなりました。ありがとうございます!』




と返事をし、リビングに向かった。


お父さんとお母さんも配信を見ていたようで、なんか凄そうだったねと雰囲気は察してくれていたようだ。



遅めの朝食を食べながら動画配信サイトを見てみると、既に切り抜きが何本も上がっていた。




『まりんが転生告知会場に訪れ、限界化する白風あげは(今日から日向ゆきは)』

『白風あげはの転生告知をホロサンジの集会場所にするロイド』




そして、




「やっほー! 本日から動画配信を開始するホロサンジ所属の日向ゆきはです! 実は、私には前世の記憶があります。なので、その前世の記憶を頼りにまずはゲーム実況配信を中心に活動させてもらい、他にも前世ではできなかった様々なことに挑戦していきたいと思っています!」


「どうですか~、制服なんですよ~」




『前世の記憶があるって新しい!』

『設定があるのか!』

『前世の記憶があるってアニメ以外で初めて聞いた』




こうして、白風あげはは転生し日向ゆきはとして配信活動を開始した。

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