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【中里雪菜視点】転生告知

さて、アークさんにもLIMEで連絡したし、いよいよ今週の土曜日だ。


今週の土曜日に、白風あげはは転生しホロサンジ所属となる。


ホロサンジの事務所で契約を終えてから、色々と準備が始まった。



まず、転生後の名前だ。


いくつか事務所の方から候補を提案してその中から選んでもいいし、考えてくれた名前をこちらで問題ないか確認してもいいと言われた。



名前は自分で考えるので、考えた名前の確認をお願いします。とお話し、早速彩春に相談しにいった。




「いろはー、新しい名前―、なんかいい案ない?」


「ふふふー、白風あげはも私だからね! 私のネーミングセンスは最強!」




と、言いながら「んー」と考え出した。


彩春に任せっぱなしもなんなので、私も考え出した。


すると、いろはが、




「きたっ! 日向いろはは? 日向って雰囲気がなんかお姉ちゃんぽい」


「いろはと一緒でややこしくなるからやだー!」


「えー結構いいと思ったのに! んじゃー、あ、ゆきはは? 日向ゆきは」


「あ、結構いいかも!」


「わたしとお姉ちゃんの合体!」


「なんか強くなった気分だよ(笑)」


「いいねいいね! これでどう?」


「事務所に人に話してみる!」




そう言って部屋に戻り、LIMEで事務所の方に、『「日向ゆきは」はいかがですか?』と連絡すると、『確認するから待っててね』と返ってきた。


翌日、『大丈夫そうです!』と返事が来たので、私の転生後の名前は、日向ゆきはに決まった。


その後、イラストレーターさんと打ち合わせて、衣装の好みなんかを話しつつ、最初はリアルJKだから制服で行きましょうかーと制服姿が最初の衣装となった。


そして、出来上がったアバターは、あげは時代より少し薄めの青色の髪の毛でミディアムショートになって、すこし元気めな制服姿の可愛い女の子だった。


事務所の方とそれを見ながら話していると、




「いやー初めての転生告知だからさ、なんか白風あげはさんの色が残ってた方がいいかなと思って、髪の毛を同じような色にしました!」




とお話されていて、




「ありがとうございます、私もすごくいいと思いますのでこれでお願いします!」




そう言って、名前とアバターが決まった。


その他の衣装を何点か作るからと打合せをしたり、白風あげはとして配信もしたりと、結構忙しい毎日を送った。



 

そしてついに、日向ゆきはへ転生する日が事務所の人と話し合って決まった。




それが今週の土曜日だ。


事務所の方との段取り通り、先週末の配信で、「少しリアルの用事で配信をお休みします」とだけ伝えそれ以降、白風あげはとして配信をしていない。その時のコメント欄は、



『修学旅行か?』

『体育祭?』

『課外授業?』




とか、皆さん学校関連の用事を想起したようで、特に何事もなく終了した。



そして先ほど、




『リスナーさんへ。重大なお知らせがございます』




というタイトルで、今週の土曜日19時に配信を予約したリマインダーを投稿した。そして投稿リマインダーのURLをSNSで発信した。



その後アークさんにLIMEで土曜日の19時ですと伝え、お風呂に入りに行った。


お風呂からあがってきて、SNSを見ると、ものすごい量のコメントが寄せられていた。





『え、なに、どういうこと?』

『ザワザワ』

『え、辞めるとか言わないよね?』

『不吉…』




など、さまざまなコメントがあった。


ただ、事務所の方とここも事前に相談しており、何を言われても返事をしない。ということで、少し待っててね…と思いつつ、その日は眠った。



そして、ひっそりと事務所の方になんの動画も投稿されていない「日向ゆきは」のチャンネルを作ってもらい、何も投稿されていない「日向ゆきは」のSNSを作った。





そしてついに、転生を告知する日となった。






もう、朝からドキドキだ。

 

お父さんとお母さんからは、これからまた心機一転頑張ってねと応援された。




「おねーちゃん! やばいよ! ドキドキがやばいよ!」




と、白風あげはのSNSを見ている私の後ろで彩春がじたばたしていた。




「私もやばいよーーー。19時まで耐えれるかわからない…」


「いや、そこは頑張ってよ(笑)」


「いや、そりゃ頑張るけどさ(笑)」




そんなことを話していると、太田さんからLIMEで通話がかかってきた。通話を取ると、




「雪菜さん、太田です! 今大丈夫~?」

「はい、大丈夫です!」

「いよいよだね!」

「はい!ドキドキがやばいです…」

「いや実は私もでさ…大丈夫かなと思って電話しました!」

「あ、ありがとうございます! 大丈夫です!」

「そうだ、このまま何もなく進められたら、雪菜さんの担当は私がやることになりそうなのでよろしくね!」

「えー! それは心強いです!」

「そう言ってもらえてよかった! 今日は頑張ってね~」

「はい!」




そう話して、通話を切った。



その日は何も手につかず、落ち着かない一日を過ごした。


昼過ぎに、アークさんから、




『いよいよですね。頑張ってください』




と、連絡がきたので、『頑張ります!』というスタンプを返しておいた。


 

そしていよいよ、配信時間となった。


彩春は「頑張ってね」と部屋を出ていき、私は配信の準備を始めた。

 

 

ノートパソコンで自分の配信を開き、いよいよ配信を始めた。




「やっほー。白風あげはです。皆さんお待たせして申し訳ありません!」




そう言って配信を開始すると、ものすごい量のコメントが流れてきた。




「すいません、ちょっとコメントが多くて一つずつお返しすることができないんですが、まだ来れてない人もいるかもしれないので、もう少しだけ待ちますね」




と言って、『今日の飲み物はなに?』とか当たり障りのないコメントだけ拾ってしばらく話していた。



そして時間は19:10となったので、いよいよ本題に進む。




「えーっとそれでは、そろそろ本題に移らせていただきたいと思います」




そう言うと、一気にコメントが減った。




「えー本日は、皆さんお忙しいところ聞きに来てもらって本当にありがとうございます。」




その時点で、同時接続者は18,000人と群を抜いて過去最高だ。









「本日は皆さんに重大なお知らせがあり、このような場を設けさせていただきました」









「私バーチャル配信者白風あげはは…………………………本日をもって動画配信活動を終了いたします」









そう伝えると、ものすごい量のコメントが流れてきた。




『まじか』

『耐えられない』

『一番最悪の結果だ…』

『俺はこれからどうしたら…』




等々、ものすごい勢いでコメントが流れていく。

よし、言うぞ! そう思い、



「明日からはホロサンジ所属「日向ゆきは」に転生し配信活動を開始します!!!」



「今新しいチャンネルを概要欄に記載しますので、もしよろしければ皆さん登録してください!」




と話すと、さっきを超えるコメントで最早読めないが、





『キター』

『まさかの転生告知!』

『告知して転生ってあるのか』

『ホロサンジへ転生!!!』




等々、皆テンション高くなっている。受け入れてくれてるみたいで本当によかった…

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