ゲーム実況配信を始めることになった
今から1年ほど前のおれが高校2年の時に親父が、
「そんなにゲームやってるんなら、実況配信でもすれば? よく見てたろ? 自分の食い扶持は自分で稼げ」
と言い出し、「いっそ一人暮らしでもさせるか? もちろん仕送りはなしで。あ、学費は出してやる」なんて鬼畜なことも言っていたが、流石にそれは母さんが寂しくなるから嫌だということでなしにはなったが、
「ゲーム実況配信か。ちょっとやってみようかな…」
「おー、いいじゃねーか。そうと決まったらヘッドセット買いに行くか。いや、イヤホンとマイクか? んー…どうなんだ?」
「え、、、フレンドで配信してる人とかは、大体イヤホンとマイクだった気がするけど…。というかイヤホンは持ってるから」
「ほー、んじゃマイク買いに行くか。近くの電気屋はスペック低いのしかないから、新宿行くか」
「ええ? これから行くの?」
「おう」
「新宿行くのー? そしたらお母さん、この前の食パン買ってきて欲しいんだけど~」
「おーわかったよ。新、覚えといて」
「まじで行くんかい」
ということで、ゲーム配信のためのマイクと諸々の備品をその日のうちに購入し、それから各種設定や実況配信における注意事項を調べて、次の日の夜には初配信をした。
こんなに多くの動画の中で、誰かが見てくれることなんてあるのだろうか?なんて思っていたが、初めての配信にも関わらず3~4人ほどの人が見に来てくれた。
まぁ逆に見てくれる人いるんだなとびっくりしたぐらいで、やるからには収益をあげれるぐらいにはしようと思い、とりあえずほぼ毎日配信をしていった。
普段ゲームなんてほぼ無言でやっていたので、最初は殆どしゃべることもできず、見ている人もずっと数人ぐらいが続き、ごくまれにコメントをしてくれる人がいるぐらいだった。
ただ、実況配信をしているフレンドと一緒にやることで少しずつ話すこともできるようなり、それに伴ってコメントも少しずつ増えて(主に同じ人だが)、見てくれる人も数十人と増えていった。
いくつかPCゲームをやっていたなかで、なんとなく多くの実況配信者やバーチャル配信者が取り上げていたFPSゲームを実況配信することにした。
多くはないながら一緒にパーティーも組めるフレンドもいて、更に俺のランクがいわゆる高ランクであったこともあり、しゃべるのに慣れてからは、ゲーム実況配信をしているフレンドとボイスチャットを入れてゲームをする機会も増えた。
そうすると人間適応するもので、普段リアルでは直人を除いては友人との会話なんてほとんどできない俺でも、下ネタや他愛もない話題まで普通に会話できるようになった。ただしオンラインに限るではあったが…
そうやって行くうちに登録者数が100人を超え、おーー!と思いつつも収益化とか遠すぎないか…と思いつつ配信を続けていった。