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西の中里

そんな直人を横目で、多少引きながら見つつも、


「まぁ俺はあげはさんと一緒にゲームやってますし、何より釣り合わないというかそもそも僕が論外のところに存在している認識ですしねー」


「そ、そんなことないです! アークさんはカッコいいですよ!」


「「「…」」」




雪菜さんは顔を赤くして下を向いてしまった。




「彩春さん大丈夫ですよ? そもそも俺これまでゲームやらパソコンやらばかりで、男女のどうのなんて頭の片隅にもないですから、勘違いしたりしませんからね」


「いや…まぁそれはいいんですけど、そこまで興味ないのもなんか…(笑)」


「あ、いや、決して興味がないわけではなく、もちろん雪菜さんは凄い美人だと思いますし、なんなら彩春さんも負けずに美人だと思います! 俺は、容姿がきれいだろうがそうじゃなかろうがどうせ喋れなかったので、なんか住んでる世界が違う感じなんです」


「なんか、新がめっちゃイケメンじゃん! 彩春ちゃんまで顔を赤くしちゃってー!」


「つっ……!」


「まぁこういうやつなんだよ新は。かっこいいとか太ってるとか、きれいとかブスとかなんかそういうのすべて無視して自分の世界に閉じこもってんの。んでその世界を最初にこじ開けたのがおれ。つぎが雪菜ちゃん。ただそれだけのことよー」


「なんか私、すごいことをやってのけてたんですね…!」


「まぁこいつあんだけゲームしてて、おれより成績いいぐらい頭はいいから、折角なんでうまくつかっちゃってー!」


「そ…そんな、上手く使うなんて…」


「あ、いや、それで大丈夫ですよ…。とりあえずプラチナまでは面倒見ます…」


「あ、お願いします。ふふふ」


「喋ってみると面白いのよこいつ」


「それは配信で知ってます!」


「確かにそうか!」




そんな感じで、皆であははっと笑っていた。


あの俺がまさか、女子と一緒にリアルで笑いあってる日が来るとは思わなかった。しかもこんな美少女二人と。



「と、そういえば西の中里って雪菜ちゃんなの?!」


「あ、はい…そうなんです」


「納得だわー、こりゃ噂されるわー」


「妹に聞いたんですが、菅谷さんともお知り合いなんですよね?」


「げっ、聞いてましたか…まぁ紹介はしてもらいましたが、相手にされてないというかなんか暖簾に腕押し感があるんだよねー」


「へぇー直人が珍しい」


「いやおれだって、過去にもそういうことはあったわ」


「そうなんだ、てっきりオールオッケーされてるのかと思った」


「んなわけあるか。見ろこの警戒的な彩春ちゃんの目を。見ろ! この雪菜さんのどこか汚いものを見るような目を! 見ろ! わが妹おおおおおおお」


「ちなみになんでそんな番長みたいになってんの?雪菜さん縄張り争いでも?」


「いやいや、まさか!!!!!」


「単純にー、学校の最寄り駅を挟んで西側にお姉ちゃんの高校があって、東側に私が通ってて菅谷さんも通ってる高校があって、それぞれに超絶美少女がいるってことでお互いの高校やら近隣の高校でうわさが広がり、そう呼ばれるようになったみたいで―す」


「な…なるほど…可愛いのも色々不便なんですね…」


「もう妹ってバレてるんで紹介してくれってうるさいんですよー! まぁそういうふとどきな輩を蹴散らすために私はその高校に行ったんですけどね!」


「そうなんですね。それは凄い。でも彩春さんが東の高校にいるなら東西中里って呼ばれていてもおかしくないですよね」


「なっ………」


「新―、俺はお前にこんな天然たらし能力があるとは知らなかったよ~」


「いや、ただの事実だろ」


「まぁ事実ではあるがなー。ほら彩春ちゃんが赤くなっちゃったじゃねーか」


「なっ…! そ、そんなことありません!」


「そうなんですよ! 湯月くん! 彩春ちゃん可愛いんだよ!」


「ちょ、やめてよおねーちゃんっ!」




そう言って、姉妹の微笑ましいつつきあいを俺達は見ていた。



とりあえず、一度連絡を取ってみるとのことで、帰宅したらメールを送ると言っていた。しかしあげはさん凄いなぁ、ホロサンジに入るかもしれないのか。


ホロサンジとかはいったら流石に一緒にゲームはできないだろうなぁ。



そんなことを思いながら中里姉妹と別れて、俺達も帰った。




『なー親友よ』

『なんだ』

『今日は助かっただろ?』

『うん、すごく助かった。だが雪菜さんの連絡先は死守する』

『なぜだあああああああああああ』

『お前の妹から、差出人が明確な脅迫状が届いているからだ』

『茜めー』

『雪菜さんの連絡先を獲得したくば、妹を攻略することだ』

『くそおおおおおお』

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