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【中里雪菜視点】特訓の成果

アークさんにOPEXを教えてもらうようになってから、自分的には劇的にうまくなっていっていると思う。


正直アークさんの本気のプレイの時の速度についていける気はまだしないが、ソロでOPEXの配信ができるぐらいまでにはなった。



アークさんって割とずっと穏やかだけど、要所要所で的確なアドバイスをくれて、アドバイス通りに動いてみると本当にそこから敵が出てきたりと、本当に要点を押さえて教えてくれる。


最初はキーボードとマウスで操作していたが、慣れてるわけじゃないだろうからコントローラーの方がいいということで操作をコントローラーに変えて、もしお金に余裕があるようならイヤホンを変えた方がいいということでイヤホンも変えた。


OPEXうまくなるってプレイだけじゃないんだなーと思いつつ、今日もコーチング配信を受ける予定だ。



最近はソロでOPEXのランク配信をやったりもしていて、その頃からまた登録者が増えだした。やっぱりOPEXって人気コンテンツなんだなぁ。

 

そして登録者も2万人に近くなり、OPEXのランクももうすぐゴールドに行けそうと言うあたりで、配信者名で投稿しているSNSに別の配信者の方からメッセージがきた。




『個人でバーチャル配信をやっている楓なぎさと申します。突然のご連絡失礼します。白風さんのOPEXの実況配信を拝見しまして、全然下手ですが私もOPEX配信をやっているのですが、もしよろしければコラボ配信しませんか?』




同じバーチャル配信者さんからだ!どれどれ…



そう思って調べてみると、

楓なぎさチャンネル 登録者23,000


 

おお、大先輩だ。動画の種類は、ゲームメインというわけではなく雑談系に歌に結構バランスいい感じだ。逆にいいのかな? と思いつつも、折角だしと思い『是非お願いします』と返事をして、その後やりとりをしてコラボ配信日が決まった。


しかし歌かー…最近はカラオケなんてほとんど行かないしな…



そうして初のコラボ配信日となった。




「今日はなんとコラボ配信となっております! 白風あげはです! よろしくお願いします!」


「楓なぎさでーす。よろしくおねがいしまーす」


「今回はお声がけいただきありがとうございました!」


「いえいえ、逆にうちがありがたいぐらいだよー。ゲームそれほど得意ってわけじゃないけど、OPEX配信やりたいけど、ちょっと下手すぎてさぁ」


「私も最初そんな感じでしたー! 本当初めてのOPEX配信とかやばかったです…」


「あ、そのアーカイブ私も見たよ…」


「やめてください…」


「まぁそれは置いといてとりあえずやろうー!」


「はい、よろしくお願いします! 何のキャラ使いますか?」




そんな感じでつつがなくコラボ配信は進んだ。私の方がランクが上だから当然と言えば当然なんだけど、「ここはこうしたほうがいいですよー」とか「ロング系はこれ以降は使わないですねー」みたいな感じで、アドバイス(?)的なことを話すことがあったことが何より驚きだ。

 

これもアークさんのおかげだなぁ。



初のコラボ配信を終わったところで楓さんから相談があると言われた。




「あの白風さんにこんなこと聞くのもあれかもしんないんだけどー、白風さんにOPEX教えてくれてる人いるじゃん?」


「あー、アークさんですか?」


「そうそう。その人って私も追加で教えてもらうこととかできるかなー?」


「んー、どうなんでしょう。普段コーチングとかはやらないとは仰ってるので聞いてみなきゃわからないですね」


「ちょっと聞いてもらうこととかできるかなー? 私もさ流石にもう少しOPEXのゲーム配信やりたいんだけど、事務所所属の人とやるには下手すぎるし、個人勢だと中々そういう人もみつけられなくてさ…」


「そうですよねぇ。私も結局リアルの知人づてで見つけてきた感じですし…じゃあ、今度聞いてみますね!」


「ありがとー! あ、でもちなみにいくらかかってるの…? 少しならうちも出せるけど流石に高額は無理で…」


「あ、本当にタダなんですよ。お金もらっちゃうと楽しくできなくなりそうだからと言ってました」


「えーー本当にタダなんだ!」


「あ…でも聞いてみないと…」


「あ、そうだよね…」


「そこら辺も聞いてみてお伝えしますね!」




こういうゲームやってこなかった人はやっぱり困るよねー、アークさんに次の配信の時に相談しよっと。



そうして次のコーチング配信が終わったときにアークさんに他に教えて欲しいと言ってる人がいると相談すると、私の配信の時に一緒に教えましょうということになった。

 

なんか私との配信の時間を優先してくれた感じで少しうれしかったな…



そうして、私とアークさんと後1枠はいつも野良の人だったところに楓さんが入って、3人でコラボ配信することとなった。



楓さんとのコラボ配信以降、私は着実にOPEXのランクを伸ばしつつ、個人勢の方々から結構お声がけをいただけるようになり、それに伴い登録者数も増える。

という、いい循環になった。


ただ…登録者数が増える。だけで循環は終わらず、その後多くの方にアークさんとの配信に混ぜてもらって教えて欲しい。

というところまでも循環しており、私とアークさんのコーチング配信の@1枠は色んな配信者さんで常に埋まることとなった…



なんか私だけだったのに…アークさんが有名になっていく…なんてこともちらっと思ったが、まぁそれはお互い様でもあるので気持ちを切り替えて、私はOPEXをアークさんから教わった。




そしてついに、ソロでゴールドランクに到達する瞬間が訪れた。




「これはいったんじゃない、いったんじゃない!?」




直前の試合で3位だった私はついにゴールドに到達したはずだと実況していた。コメント欄も、




『これはいった』

『苦節!』

『まさかあそこからここまで来るとは』

『アーク教え方上手いもんな』

『いよいよか!』




そしてゲーム画面でランクがゴールドになったことが表示された。




「やったーーーーーーー!!!! やったやったーーー! みんなついにここまでうまくなったー! あれ…あれ…やば、涙が…」




泣く予定なんて全くなかったのに、自然と私は泣いてしまった。ただ涙はコメント欄のおかげですぐに止まった。すごい額の投げ銭が飛んできたのだ。




「え、ちょ、え、え、ちょっとまって! みんなありがとう! でもちょっと待って! えーゆうちょんさん10,000円ありがとう! 待って待って! 嬉しいんだけどまってーーー」




普段からちょこちょこと投げ銭をもらうことはあったが、こんな高額をもらうのは初めてで、しかもそれがいっぱいでびっくりして涙が止まった。


その日の配信は結局、投げ銭してくれた人をみんな読み上げて感謝してこれまでを振り返ったりしていたら、ゲームを終わらせてから1時間半も配信していた。


途中でアークさんも来てくれて投げ銭してくれた。




「あ、アークさん5,000円ありがとう!」




『お、アーク来た』

『先生、弟子は育ったぞ』

『アークよくやった』

『プラチナまでの道のりは長い』

『アーク0が足りない。上限投げろ』





と、コメント欄もアークさんに優しい感じの対応だったのでほっとした。



そして配信後集計したら、なんと323,000円。サラリーマンの月給みたいな金額を1日で稼いでしまった…。正直びっくりしたけど、妹は凄い凄いと喜んで、両親に報告しに行った。


両親も喜んでくれたが、「あー税理士お願いしないとだなこれは」と、税理士の先生を探してくれるらしい。




「おれがもらった初任給以上を1日で…すごい時代だな…」




と、お父さんは黄昏ていたが…

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