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PSYCHOKINESIS-ESP NIGHT-  作者: ユキヒラ
AWAKE<覚醒>
3/19

SITUATION

 世界は3つに分かれていた、アメリカ帝国、EU共和国、そしてドーベルマンの母国ロシアである。

 ロシアはキメラウィルスのワクチンを開発し、その被害を最小限に抑えたうえ、経済的にもある程度の余裕を獲得した国だ。


 自給率の低い日本は、経済的に早く復興したロシアと同盟関係を結び資源の輸入ルートを確保した。


 その一方、アメリカ帝国の台頭はロシアに冷戦時代の恐怖を呼び戻させた。ロシアの不安は当たった。日本とアメリカ合衆国は同盟関係にあり、それを半ば強引にアメリカ帝国が引き継いだ。アメリカは日本を足がかりに旧中国圏の進出を狙っていたが、ロシアもその点を警戒していた。


 日本は極めて厳しい状況の中、政治的判断で永世中立国という立場を取り、両大国の間でバランスを取っている。今や両大国の軍が駐在し睨み合っている状態だ。


 しかし、小競り合いは起きる。


 これまで4度にわたり、ロシアとアメリカの駐在軍の衝突が合った。その度に多くの日本人が犠牲となった。


 ドーベルマンは第四次代理紛争の際に、偶然前線指揮を取ることになった。地域住民の避難を優先し多くの人命を救うのみにならず、3から4倍の戦力を持っているアメリカを一時撤退に追い込んだ。

 そういった逸話もありドーベルマンの日本国内での人気は高い。


 ここまで、アメリカ優勢だった日本国内の勢力図は、この紛争で振り出しに戻ったと言っていい。


 その後、第五次代理内紛を未然に防ぐなど多くの功績を残し、今や駐日ロシア軍の実質的に彼が陣頭指揮を取る立場にいる。


 そのドーベルマンが現場に到着するまで、戦車隊も奈意斗もおとなしくしていた。その時間は10分程度。しかし戦車隊にとっては永遠の時間に感じられた。


 奈意斗は少しずつ冷静さを取り戻していた。自分からわざわざ動くことは無いと考えていた、しだいにこの場を切り抜けようか考えているうちに、時間が経っていた。


 そこに、高級車が到着した。戦車隊の前に横向きに駐車し、奈意斗側のドアが開いた。髭の似合う中年の男性が降りてきた。雰囲気だけで只者じゃないとわかる、ドーベルマンの気品と堅牢さは奈意斗の警戒心を解いた。

 ドーベルマンもドアから出て顔を上げた瞬間に、その颯爽としたオーラと冷たい眼差しを印象的に思った。

 この時、二人は目があった。


 奈意斗とドーベルマン、お互いに不思議な感覚であった。彼らは見つめ合ったまま、しばらく時間がたった。

 太陽がちょうど真上に登り、照りつける日光と吹き付ける熱い風が二人を包む。しかし、それを感じることなく、二人はお互いだけの世界にいるように見つめ合った。


 その夜、奈意斗は部屋に入りすぐに自分部屋に入った。

 服を脱ぎ、部屋着に着替えすぐに風呂場に向かった。

「何を急いでるの」

 サエの言葉をシカトしたて、風呂場で衣服を洗う。

 血だらけだった。


 幸いにも、洗剤が効いたのか、血の色はある程度落ちてきた。言い訳をして汚れたと言えば、ごまかせる程度だろう。


 あの後、ドーベルマンは彼を車に乗せて中央病院まで車を走らせた。


 リムジンの後部座席、ドーベルマンと奈意斗と付き人の三人、付き人は2人にコーヒーを入れた。


「すまんな、エスパーとわかった以上、必要な措置をロシアは取らねばならない。」


 ドーベルマンは丁寧な物腰で自分たちの立場と今後について説明した。


 本来であればエスパーは見つけしだい拘束し研究機関送りであるが、今回はドーベルマンの権限でいったん通常検査のみで帰宅させるつもりであると伝えた。


 しかし、ドーベルマンは条件をつけた。


「もし、君が我々の味方だと証明してくれるならね」


 奈意斗はその意味がわからなかった。最初はアメリカ帝国との戦争に関連することかと思っていたが、深く話を聞くともっと深刻だった。


「つまりだ、」


 ドーベルマンは事態の詳細を説明し始めた。


 約15年前に起こった中国消失からである。

 当時、人類の中には500万人に1人程度の割合でエスパーが生まれていることがわかっていた。

 中国はエスパーとエスパーでない人間を分ける決定的な因子の同定に躍起になっていた。


 そこで、当時軍部を中心に世間では発表できないようなおぞましい研究を行っていた、ロシアと共同でエスパーの人体実験を行なっていたのだ。

 中国の豊富な人口は他国に比べて多くのエスパーを輩出していた。


 人体実験で分かったことは二つ、エスパーには特定の遺伝子領域が発現していること、すなわち特殊なタンパク質が生成され、脳内の未解明の領域に作用することがわかった。

 2つ目、この遺伝子は全ての人類どころか昆虫や植物にまで存在する配列であることがわかった。


 ここまでのことが分かると、ロシアの提案で非エスパーの検体をエスパーに変える実験を行うことになった。

 実験結果は3通りであった。脳がオーバーヒートし死亡、もしくは廃人となる。エスパーとしての能力を一時的に発現するが数時間で能力を失うもの。最後にエスパーとして恒久的に覚醒するものだった。


 結果的にエスパーの能力を発現させる因子は脳の未解明領域で生成されていると思われる、未解明物質が誘引することがわかった。この物質の生成過程はわからず、また個人差があり、何をトリガーとして生成されるのかわからなかった。


 そして、不思議なことに、同じ配列から発現し、同じ物質によって誘引される、エスパーとしての能力であるはずが、人によって全く異なる能力を発現するのだ。


 空を飛べるもの、無呼吸で生きられるもの、体色を変更できるもの、相手の精神を操れるもの。


 これらの実験は50年以上も中露の秘密共同研究所で行われた。

 そして、超大国アメリカがその情報を掴んだのは、研究により14体のコーディネートエスパーが誕生した頃だった。

 その頃は既にクローン技術を用いて、試験管内でエスパーを作ることができるようになっていた。もっとも成功率は低いが。

 その実験データは、CIAのスパイによりアメリカにもたらされたと推測される。

 アメリカは、何体かのエスパーを新たに作り、エスパー兵士の育成に躍起になっていた。

 その、情報が中国にもたらされて、約二週間後だった。中国の消失が起きた。その原因はいまだに不明である。


 ここまでの説明をして、ドーベルマンは一息ついた。

 コーヒーをすする。


 奈意斗は続きを話すよう促した。


「つまり、中国消失はそのコーディネートエスパーが関係していると?」


 ドーベルマンは頷いた。


「ロシアはそう見ている。そして14体のエスパーに加え、アメリカでは既に12体のエスパーが完成目前だったと、こちらのスパイの情報でわかっていた。」


 つまり、エスパーは最大26体いることになる。


「そうだ、アルファベットで識別されていたことから、aからzまでと思うが」


 ドーベルマンはそう言ってまたコーヒーをすすった。


「10年彼らを追ってきた。奴らは人類に対して復讐戦争を仕掛けているのだ、15年前から今日まで人類が経験した悲劇はほとんど彼らによるものだと思ってもらっていい。この日本に拠点を作ったこともわかっている、しかし彼らを倒すことができない。彼らは狡猾で人外の能力を持っている。」


「ドーベルマン中将、その話と私が帰るための条件にどんな関係があるのですか」


 奈意斗は話の結論が見えず、少し苛立ちながら質問をした。

「彼らを倒せるとしたら、それはこれまでの軍部の戦い方では無理だ、奴らは少数、しかし一人一人は一個大隊の力を持つ。だからこそ同じ超人的な力を持つ人間の力が必要だ。君のような。」


 ドーベルマンは、これまでと打って変わって強い視線を彼に向けて、強い口調で喋った。

 しかし、奈意斗はまだ冷めた目のまま、心に全く響くことなくそこにいた。


「それは、僕に関係のないことじゃないか」


 奈意斗は素直にめんどくさいと思っていた。普通の人生で良い。世界の裏側にそんな秘密があったと知ったところで、彼は自分の人生を変える気持ちはなかった。


 ドーベルマンは彼の答えがノーとわかった。

 そう言うだろうと考えていた。

 彼のことがなぜかよくわかる。

 何も考えない、ただ生きていく。それで十分だと、彼は思っている、しかし本当は違う。

 そして、ドーベルマンはまさにそれを見抜いていた。


「そうか、残念だ。」

 ドーベルマンは、銃を取り出し彼の眉間に向けた。

 付き人は、驚いてコーヒーを落とした。


 奈意斗は冷静だった。いや、少しだけ口元が緩んだ。

 この表情を見て、ドーベルマンは確信した。

 自分の目の前の男は、エスパーという以外に、普通じゃないと。


「君は、そういう人間だ」


 ドーベルマンは恐怖していた、この車に乗ってからずっと怖かった。目の前の人間は殺人鬼かもしれない、そう思っていたからだ、そしてそれは確信に変わった。


 死を感じること、それは行うことであり、見ることでもある。


「君はそういう人間だ、君は死に取り憑かれている。何も楽しいことがないと思って生きている。何にも情熱を燃やせない。全てがどうでもいいと思って生きている。それはなぜか?君は究極の刺激を知っているんだ、だからそれ以外のすべてが下らなく思える。」


 奈意斗は、冷静でありながら興奮している。親近感を感じた。彼は目の前の人間が自分の心を見透かしたことに驚いていた。それと同時に自分の中の欲望が言葉になり、認識した。 興奮だ、もしくは快感だった。


 ドーベルマンは続けた、自分の命は人外の力により一瞬で死ぬかもしれないという恐怖の中で。銃を持つ手は震えていた。


「君に、チャンスを与えることができる。君に究極のそれを与えられる。殺戮が許される」


 奈意斗は聞いた。心の何かが弾ける音がした。もし、今、彼にについていけば。


「いっ…」

 行くよ一緒に。そう言いかけた。


「叔母さんが、いるから」


 ドーベルマンはそれを聞いて、静かに銃を下ろした。


 病院の検査を受けて、いったん家に帰った。条件を飲まなかったのに、家に帰されたわけだが、おそらくこの家は監視されているのだろう。


 奈意斗は、ずっとモヤモヤしていた。もし、一緒に行っていたなら、そう考えずにいられなかった。

 そして、あの男は自分の何かを変えてくれるそんな気がしていた。


 ドーベルマンはその夜、奈意斗のことを考えながら、自室で日本酒を嗜んでいた。


 その気になれば、彼の家族を人質に取ることや、金を出すなど、協力させる方法はいくらでもあった。

 ロシアには、世界には、彼の能力が必要である。人類にとって、おそらく初めて自分たちに勝る存在が、今まさに牙を向けている。

 だからこそ、どんな手を使っても彼を味方にするべきだ。

 ドーベルマンは、その為の確実な方法が、彼の中に隠されている欲求に訴えることだと確信していた。


 彼が求めているのは究極の刺激、死を感じる瞬間は、たとえそれが自分の死だとしても、彼にとって究極の刺激なのだ。

 もしかしたら、ほっといても誰かを殺していた類の人種かもしれない。

 きっと彼は、我々に協力する。このチャンスに彼は目を背けれないのだ。

 そう、ドーベルマンは確信していた。


 奈意斗は、布団に入ってもう一度頭を整理していた。

 この戦いで、こちら側は所謂正義ではない。人類の愚かな行為が命を弄び、その結果生まれた悲しい存在が、当然の憎しみのもと、人類を苦しめている。そして、その存在を殺す為に手を貸す。


 しかし、重要なことはそこではない。多くの人は人生で求めているものが違うようで同じだ。

 成功を求めるもの、平穏を求めるもの、愛を求めるもの、力を求めるもの。

 それは、全て欲しいと思うものを手に入れるという快感に過ぎない。

 手に入れる、ということが大切なのだ。なぜ欲しいか、どうやって得るかは重要ではない、ただ欲したものを手に入れる、永遠に、飽きるほどに。


 多くの場合、人は何が欲しいかすらわかっていない。だから迷うのだ、時には勘違いして追い続けることもある。しかし、奈意斗は今、自分が手に入れたい物を理解した。


 奈意斗は生きる快感を欲したのだ。


 自他の死を感じることは、まさにそれなのだ。


 そこまでわかっていて、自分の中にある理性が拒否をした。

 死を感じる、つまり誰かと殺し合うことは、こんな時代でも理性に反する。

 死体を眺めることで、今日までは十分だった。

 でも、今日自分に人を殺せることがわかった。

 それでも、理性が欲求を拒絶するのだった。


 次の日は休みだった。


 サエは昨日、奈意斗が永遠に変わってしまったのではないか、と感じていた。

 もう、一緒に暮らして18年になる。変化を感じるには十分な年月だ。

 妹の奈実が、赤ん坊の彼を置いて出て行って以来だ。

 母親として最低のことをした妹、しかしどうしても責める気にならない。今や何をしてるかもわからない。男を作っているのか、何処かで雪崩死んだのか。


 奈実は、昔から不思議な子だった。あまり人を寄せ付けない、大人しい子だった。いつも何かに怯えたように見えた。


 小さい頃から、1人だった。


 小学生の時、奈実はクラスのいじめっ子に目をつけられた。学校で必要な嫌がらせをうけ、びしょ濡れで帰ってくる事もしょっちゅうだった。

 しかし、何も言わない。


 奈実とサエの母親が病気で死んでから、父親は遅くまで帰ってこない為、姉妹2人で生活をしていた。


 だから、誰も彼女の悲しみを理解して助けることができるものなんていなかった。

 サエにも、怖くてできなかった。


 ある日、サエはクラスの女の子電話をとった。恐ろしい話を聞いた。

 奈実がそのいじめっ子のグループに呼び出されたというのだ、公園に。


 サエがその電話を聞いた時、奈実の姿はなかった。


 サエは公園へ走った。いじめっ子が学校を離れて、果たしてどれ程酷いことをするか、姉としての使命感からか、それともこの後の悲劇をなんとなく予想していたからか、サエは走った。


 その公園に着いた時、いじめっ子の取り巻きの男の子達が、泣いている声が聞こえた。

 公園の中に入ると、腰を抜かし、失禁するほどに怯える、男の子達がいた。泣いている物、呆然としている物。


 そして、公園中央にあった大木が倒れていた。その大木は木の一番太いところから、引きちぎられたように折れていた。

 その下には、いじめっ子らしき人物が潰されていた。

 右腕が千切れていた。おそらく臓物であろう物が散乱し、その表情は目玉が飛び出しかけ、舌を噛みちぎり、ただただ苦しそうな物であった。


 奈実はただその散乱した少年を見つめていた。

 サエには少し奈実が笑ったように見えた。


 ただ、木に潰されただけでここまでなるのか。

 サエですらそのような疑問を持ったが、結局事件は大木の腐食による倒木によって、運悪く少年が下敷きになったということでおさまった。


 しかし、多くの疑問が残る。まず明らかに大木は腐っていなかった。

 そして、多くの子供が当時の出来事に口を継ぐんだが。その後、その男の子達の奈実に対する怯え方は尋常ではなかった。


 ある男の子などは、精神錯乱に陥ってしまった。

 殺さなで欲しいと、何度も繰り返し、発狂し、ついには何かに怯えて、病院の窓から飛び降りたほどだ。


 その頃から、ある噂がたった。奈実は魔女だと。


 実のところ、サエがそう思った。

 もし、奈実があの男の子を殺したなら、そんな想像が頭を離れなかった。


 奈意斗が起きてくる。いつも通りであるはずの日常。

 サエはコーヒーを入れた奈意斗に出してやった。

 奈意斗は、ありがとうと言い、コーヒーを飲む。


 奈意斗が昨夜帰ってきた時、顔も見せずにさっさと風呂に入って寝てしまったので、サエも布団に入り早めに休んだ。


 夢を見た。


 その、死んだ男の子が、夢に出てきた。

 誰かと対峙している。


 その誰かが掌を男の子に向けた、男の子の体は少しづつ上へと持ち上がったいく。

 男の子の表情は恐怖そのものだった。


 そのまま後ろの大木に叩きつけられた。

 枝男の子の体を貫き、男の子は悲鳴を上げた、そのまま右腕が引っ張られた。男の子は頭のあまり泣き叫んだ、そのまま腕が千切れて血が飛び散った。

 そのまま、男の子は地面に叩きつけられ、衝撃で舌を噛み切った。


 その後、大木が揺れだし、ものすごい音共に倒れ出した。男の子は、悲鳴を上げ続けた。そして大木の倒れる音とともにに悲鳴はやんだ。


 その誰かが、ゆっくりサエの方を振り返る。

 それは、奈意斗だった。笑っていた。あの時の奈実のように。

 夢はそこで終わった。その時サエは感じたのだ、奈意斗は、あの時の奈実と同じになったのではないかと。



「奈意斗」


 特に何を聞くか決めていなかった、ただそれが自分の知っている奈意斗だと確認する為に呼んだ。


「どうしたの」


 ちょっと怯え気味のサエを見て、奈意斗は答えた。

 サエが怯えてることには気づいていないが、それでも様子がおかしいことに気づいた。


 しばらくの沈黙をサエは感じた。


「今日、渋谷に買い物に行かないかい、ほら服新しいの買うだろう」


 サエはやっとこさ喋る内容を見つけた。


 奈意斗はまだ不審に思いながらも、うなずいた。


 奈意斗も、悩んでいた。昨日のことだ。

 当然何があったかなんで喋れない。でも、もしドーベルマンの誘いを受け入れるなら、今までと同じ生活はできない。

 まして、サエに何か被害が及ぶかもしれない。


 18年、母親同然に思ってきた叔母を悲しませることはなかなかできないと思っていた。


 サエ自身に子供は2人いたが、第四時代理紛争で亡くした。

 幸いにも遺体は回収された為、死体安置所代わりの施設内で遺体確認ができた。奈意斗も立ち会った。

 両方とも蜂の巣で、見れた物ではなかった。サエは泣き崩れ狂ったように泣いていた。


 サエ自身気づいていたことだが、兄2人の死を見て、かつてなく目を輝かせた奈意斗がいた。

 サエはその時の恐怖を今も忘れていない。

 それでも、息子を失った傷を癒してくれるのは、奈意斗だけだった。

 奈意斗は、サエの為に生きていたようなところがある。

 自分がサエの心の支えになるべきであることを、子供心にわかっていた。そしてそれ以外自分に価値を見出せなかった。


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