PROLOGUE-序幕
20xx年の世界は3つに分かれていた。そして3つのどの国にも属さない独立自治区が世界に数個、そのうちの一つが東洋にある島国、永世中立独立国家の日本だ。
その日は唐突に訪れた、日本に住む人々の殆どは、しだいに黒くなる午前の空を見て強い不安に襲われた。どのメディアもすぐには状況を伝えられなかった。
中国消失、原因不明の爆発により中国全土及び周辺区域が荒野と化した。世界で二番目に強大なその国は、一夜にして失われた。
そしてその3週間後、世界中が混乱し、様々な秩序が機能停止する中、それは始まった。
それは、人類がかつて経験したどの病原体よりも恐ろしいウィルス、キメラウィルス。
最初の感染者は中東で発見され、それは一週間としなうちにアフリカやヨーロッパに伝染した。
この惨劇はロシアの科学者、グレゴリー・ガンフスキー博士がワクチンを開発するまでの6ヶ月間で世界中の半分の命を奪った。世界はピーク時の1/3まで人口を減らし、既存の秩序と枠組みは全て崩壊した。
あれから13年。それでもかろうじて政治機能が働き、国内の平定に成功した国々を中心に世界は復興を見せつつあった。