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今日の夜会はシャルド侯爵家主催で
アルヴィン=シャルド
侯爵家現当主は私の父方の叔父にあたる
にしても……視線が痛ぁぁぁいですね……
まぁ、噂の公爵様と隅にいた伯爵令嬢が
寄り添って歩いてればそうなりますわよねぇ
決まってから初めての公の場ですしね
視線が痛いわ……
「まず侯爵様の所へ行きましょうか」
「あ、はい」
いけませんわね…視線が痛すぎて意識が飛んでましたわ。
「お久しぶりです!アルヴィン殿」
「おー!フィリシオにユフィ!待ってたよ!婚約おめでとう!」
「叔父様、ありがとうございます。」
「可愛い姪っ子がフィリシオに取られるとはなぁ……」
「取ったなんて言わないでくださいよ。アルヴィン殿にはまだまだ御教授よろしくお願い致します。」
談笑始まってしまったのだけれど
こんなゆるい感じなのかしら……
というか叔父様とお知り合い?
「お2人はお知り合いなんですの?」
「あぁ、フィリシオとは家の繋がりがあってね。少し年の離れた兄弟みたいなもんなんだ。」
「まぁ、そうなんですの。」
「あぁ、そうだ。ユフィ、エレナがユフィと話したがっていたから後で時間があれば声掛けてやって」
「エレナ様出席されていらっしゃるのですね!嬉しいですわ!必ずお声がけしますわ!」
「私に会うより嬉しそうだね?……叔父さん傷つくなぁ」
「叔父様にも会えて嬉しいですわ!」
叔父様は基本的にはスマートで大人の魅力がありかっこよく昔からとても可愛がってくださるし私も慕っているが姪の私には時折少しめんどくさいのだ。
エレナ様とはシャルド公爵夫人つまりは叔父様の妻である。夫人も昔からとても可愛がってくれる。私にとって姉のような………時折母のような方なのである。
それから繋がりのある方たちに挨拶を終わらせる。
この世界は夜会、舞踏会、お茶会などの催し物は主催者の独断と偏見のルールで決まる。特段変わったものは無いが、仮面とか何かを装着することとかこの好意をしなくていいとかその程度だ。今回は叔父様アルヴィン公爵のルールは皆が楽しみ媚へつらわないことで挨拶も比較的長くはなかった。向けられる視線は痛いけれど根掘り葉掘りはされない。
「あとは一緒にエルントラ伯爵と義兄さんの所に軽く挨拶しておきましょうか
「はい、お任せ致します」
「エルントラ伯爵、トラヴィス殿」
「おぉ、無事きたか」
兄はロフレイン様に会釈
父とロフレイン様が話してる間に
じーっと私を見て
「変わるもんだな」
「何がです?」
「なんでもないよ……でもいい相手そうでよかった」と囁かれ
俺は失礼しますねと父とロフレイン様に伝え
私の肩にポンポンと軽く叩き
いつもの学友たちの中に消えて行った。
お兄様はずっとご学友とご一緒ですけれど……大丈夫なのかしら?
婚約者もいないし……顔も良いと噂好きな友人が言っていましたし
家柄も悪くないのに…大丈夫なのかしら?
妹は心配ですわ………。
兄が人の中に消えていくのを見送る。
…あら、エレナ様ですわ!
「エレナ様に挨拶してきますわ!」
ユフィ!と呼ばれたのも私の耳には入らず
私はエレナ様に直進いたします。
私は大好きなのです。