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夜会当日


「……………マーサ?」


急かせかと今日の準備をするマーサに声をかける


「なんでしょう?お嬢様」


私は前に飾られているこれから身につけるであろう今日の夜会のドレスと装飾品を凝視した。


「私こんなドレス持ってたかしら?」


するととても良い顔で微笑まれ


「今日の朝早くに届いたのです。勿論ロフレイン公爵様からでございます。」


はい?これを着てこいと………


いや、うん、まぁ、碧い深みのある落ち着いた色にタイトドレスなのに首周りから膝あたりにかけてシースルー生地の光で青にも黒にも見えるショールのようになったもので覆われてて大人の女性を連想させるのに嫌らしさはない素敵なドレス、、、だけどこれ私が着るの?


私は普段ハッキリした色を着ない上にそんな流行ぎりぎり責めるようなこともしたことがない……できるだけ当たり障りなくすごしてきたのに……いきなりこれ着るの?


「マーサ……?これ……着なきゃ……だめ?」


「当たり前でございます。」


一刀両断。


「さっ準備致しましょう?お嬢様?」


なんで今日はメイドさんたちワクワクしてる……の?







疲れた……


「お嬢様!お似合いでございます!」


「あ、ありがとう………」



鏡に映る私は……なんか着なれなくてソワソワする……


胸元にはサファイアの控えめなネックレス


髪は上でまとめて碧い孔雀の羽と薔薇を催した髪飾り


碧いオペラグローブに繊細な刺繍



「服に着られてない?」


「「「そんなことありません!お似合いでございます!」」」


「そ、そう………ならいいのだけど……」



どうも落ち着かないわ……






「お嬢様、お迎えいらっしゃいました。」


「今行くわ。」











階段を降りつつ様子を伺う。


あらまぁ、今日はも輝いていらっしゃること。


後ろ姿でも空気が違いますわねぇ……


気が重いわ……。


いえいえ、切り替えねばなりません。


階段途中の踊り場で一瞬足を止め


大きく息を吐く。


外面装着。



「お待たせ致しまして申し訳ありません。」


と会釈し微笑む



……………


え、何でしょう……なぜか空気が固まってますわ?



「あの……ロフレイン様?」


「あ、いえ、すみません……似合っています」


「……ありがとうございます…?」


ロフレイン公爵は咳払いをひとつすると


「では…行きましょうか?」


と手を差し伸べて下さったので


「はい」


と手を添えました。





馬車にロフレイン様の手を借り乗り込み


席に着きます


向かに座るロフレイン様


碧い薔薇と呼ばれるだけあって確かに美形ですし


私の年齢からみるからかもしれませんが………紳士ですし


大人の男性という感じですわね。


私が不釣り合いなのもあって


余計目がチカチカするというか目線が定まりませんわ。



というかあの間はなんなのでしょう?




「エルントラ伯爵と義兄さんは先に?」


「あ、はい。先に行っておられます。」


「そう………。今日は一応婚約者お披露目でもあるから少し忙しないかもしれないけどよろしくお願いします」


「え、あ、そう……ですね…不慣れなことも多いですがこちらこそよろしくお願い致しますわ。」



あー忘れてましたわ……。


そういやまだ婚約発表してない……のにこの装いにエスコートしてもらうってことはそういうことよねぇ……。

完全に忘れてたというか考えていませんでした……。

これは思ったより長引きそうですね…。



…既に帰りたいわ…。



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