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「おめでとう、ユフィーリア」


「おめでとうございます!お嬢様!」


「「おめでとうございます!ユフィーリア様」」


「「おめでとうございます!」」



「婚約おめでとう、ユフィーリア……なんて顔してるのよ?」




「こんな顔よ……」


私はエルントラ伯爵家令嬢、ユフィーリア=エルントラ

私は今伯爵家令嬢とは思えない誰が見ても不機嫌な顔をしていた。



「その顔の理由は?」



「何がそんなにおめでたいのかわからないわ」


「めでたいことじゃない、あの碧い薔薇でしょ?」


「碧い薔薇?ロフレイン公爵の何が碧い薔薇なの?」


「何がていうかロフレイン公爵様が碧い薔薇なの!」


「はい?」


「ユフィは興味無さすぎるのよ、、、碧い薔薇ていうのはフィリシオ=ロフレイン公爵様の社交界での異名よ!黒くも青くも見える深い色の髪が素敵でそして孔雀の美しい青い羽のような―――――――………………」




なっ――――――――がい……………


私の友人エミリーことエミリシア=ファミリエ伯爵令嬢が言うには、、、


黒くも青くも見えるサラサラヘアーに


孔雀の碧い羽のような美しくも深い瞳


男の顔とは思えないほどの美人で


最近は大人の色気が出たていう容姿端麗


そして国王陛下の覚えもよく


23歳にして騎士団副団長という


異例の出世コースを突き進むエリート中のエリート


そして家柄も申し分ない。


国内一二を争う優良ぶっ……あ、いや素敵な殿方?




なんだそうで………………



「ちょっと!」


「え、あ、はい?」


「せっかく説明してるのに……聞いてないでしょ?」


「一応きいて……いましてよ…?」


「はい?」


「なんでもありません……ところで…それでなんでそんなめでたいのよ?あんなに言うほどかしら」


「……ユフィ………何を聞いていたのよ……」


エミリーは額に手を当てながら首を振る


でもまぁ、それがあたなよねぇ……て呆れつつ言われた。



何故……心外だわ。









後日顔合わせのために呼ばれた。


「お嬢様急いでください!」


「マーサ、そんなに急がなくっても……」


「公爵様はもうお着きなのですよ!」



急げ急げと急かされて半ば強引に連れてかれる。



「さっここでございます!」



私は応接室の扉の前でため息を吐き外面に切り替え扉をノックした。


コンコンっ


扉が開く


「失礼致します」


軽く会釈し部屋へ足を踏み入れ


ドアを開けて待つ執事に軽く目配せし


お父様の座ってる隣に立つ



「我が娘のユフィーリアだ。ユフィーリアこちらがロフレイン公爵フィリシオ=ロフレイン殿だ」


「初めまして、フィリシオ=ロフレインといいます。よろしく」


「初めましてユフィーリア=エルントラと申します。よろしくお願い致します。」


お互いニコッと当たり障りのない微笑みを浮かべ挨拶する。


するとお父様はあとは任せるよ。と言って出ていってしまった。



任せると言われても困るのだが………



「ユフィーリアと呼んでも?」


「はい、お好きに呼んでください」


「ユフィーリアはこの婚約に賛成なのかな?」


「………?賛成?賛成も何も……政略結婚……?と言われれば多少疑問は浮かびますが……何らかの理由があるのでは?政略結婚は家と家の繋がりです。個人の気持はそれほど重要ではないでしょう」


この人は何を聞きたいのか……公爵ともあろう方からそんなことを問われるとは…


「私は気持ちも伴えばいいと思っている」


そりゃあ気持ちも伴えば言いには決まっている。


ただ初対面でそれを言われるとはねぇ…


それにそんなにこだわらなくともいいと思うのだけれど…


彼女は公爵という高位爵位からの婚約の申し出だったので


愛人や本当に好きな人の隠れ蓑位のことを言われると思っていた。


というかこの人の顔苦手だわっ……


なんかあのいたたまれませんわ…落ち着かない…



「そのように気を使う必要はありませんわ。正直に言っておきます。少々うとい所がございまして申し訳ありません。婚約破棄はいつでも承ります。父にもそのようにお伝えしておきますわ。」


「思っていたより手強そうだね」



何故笑うのかしら?か怒るとかならまだしも……


笑うって何?


彼女は彼の自分に向ける感情がわからなく不快に感じた。



表情がひきつりかけた時



「なんでって顔してるね?覚悟してて?」



何を?……


「今日はこれで失礼するよ、また後日。またね」



言葉が出てこず顔を見ると


え、いや……なんか……笑顔ですわね?とっても素敵な笑顔なんですけれど……なんか怖っ怖い………。








彼女は少しの間彼が出ていった扉を見たまま固まっていた。


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