3/10
ちょっとエッチなやつですよ
「今回のは本ですよ。しかもちょっとエッチなやつですよ」
エストラゴンの手には、薄っぺらい一冊の本が握られていた。
品質は驚くほど高く、印刷と製紙技術から作られた世界の技術レベルが想像できる。
「読めるの?」
「文字は読めませんが、絵がついてるので」
「どんな奴なの」
「ドラゴンと平べったい鉄の馬車?みたいなやつが性行為に及んでいる本です」
「へ?」
「進んでますねえ異世界の方々は」
「進んでるというかなんというか」
「あ、いけませんよ偏見は」
ズビシ!とエストラゴンが人差し指を立てる。
「はい」
「今度東の洞窟のドラゴンさんに会ったら見せてあげましょう」
「やめたげて」