表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖霊の街  作者: 葛城 炯
38/56

19.霊精と古文書 2

 ソフィアとアリアの仲間達

『◎……料理の時に食材も浄化しちゃうんだよ。味付けするときの調味料とかも……』

『○ああ。それで味が妙なモンにできあがるんか』

『★無味を通り越して、凄いことになっているような気もするけどな』

『☆一口で卒倒しそうになっていたこともなかったか?』

『◎……塩味な調味料とかのは浄化し切れないからね。甘味とかは変化しちゃうから』

『○苦味とか酸味も変わるで』

『★薬っぽい味に変わることが多いよな』

『◎……旨味とかも別な味に変わるからね。でも、体質だから仕方ないよ』

 ん〜なんか凄そうだけど、浄化の術を「体質」としてもっているなら仕方ない……のかな?

「なんか凄そうだね。ソフィ姉ぇの料理は……」

『○一度なんか、屈強な兵士さん達を3日は寝込ませたで』

『☆んで、ソコを攻め込まれて……責任感じて、一人で撃退してたけどな』

『★んでも、その件で寺院長さんにえらい怒られてたけどな』

「ん? なんで?」

『◎……基本的に寺院関係者は国同士の諍いとかに介入することは禁じられてるんだって。自分が生まれた国とかは別としてね。力が強力すぎるから……それに寺院出身者同士で闘ったら被害が無駄に大きくなるし……利するのは魔王か魔王関係者だけだから……そんな理由らしいよ』

 なるほど。確かにソフィアみたいの同士が闘ったら……勝敗以前に廻りが迷惑なのは間違いない。

 なにせ鞭形態でもアタシの陣形態と良い勝負。つまり4段階ほどレベルが違う……というか根本的に威力が違いすぎるんだから……フルパワー×最高法術レベルで闘ったら地形とか気候レベルで影響が出そうだ。

「ま、争いごとにはなるべく関係しない方が……相手の幸せかもね」

『★そうそう。ソフィアの料理も振る舞われるコトもないし……』

『☆味方の陣営にいたら白魔導師って料理番とかになるらしいからなぁ』

『○そしたら、ソフィアが居る方が勢力削がれることになるから……闘っているモン同士で譲り合ったりして……』

『★☆きゃははは……それ良いな』

『◎……良くないよ』

『★☆○なんでや?』

『◎……ソフィアが聞いているから』

「え?」とアタシが振り返ると……ソフィアが額の端をヒクつかせながらも、笑顔を繕っているソフィアが立っていた。

「アンタ達〜っ! 人の悪口で盛り上がらないようにっ!」

 ソフィアの後ろにいるヴィオラさんも苦笑いしている。って、コトは……料理の腕の話とかは本当なんだろうな。


 ソフィア達が早く戻ってきたのは……ヴィオラさんの試合が終わったから。当然、ヴィオラさんは勝ち上がり。霊精を飲んだのが効いたのかな? ともあれ、無事に済んだのは良いことだね。

 さて……夕食までにはまだ時間があるから、その間にソフィアに確認すべきコトを聞いておこう。

「ソフィ姉ぇ。ちょっといい?」


 ソフィアの人形達の直し方は……随分と簡単だなと改めて思う。

 人形を袋に入れて、時元浄化の術の宝珠……城を直すときと違ってかなり小さいのが1個だけというのは対象が小さいからだろう……をぽいっと放って終わり。サーラがなんか目を回して出てきたけど……意識を退避させるのがちょっとだけ遅れたらしい。まぁ、他のも含めてちゃんと全員無事だから良いか。

 術がかけ終わった人形達を改めて見ると……布が薄くなっているのとかはちゃんと直っている。糸が怪しくなっているのは……完全じゃない。けど、それは術の所為じゃなく、ソフィアが戻したい状態がそういう時点なのだということなのだろう。

「……ちょっと、アタシが直してもいい?」

「え? どういうこと?」と怪訝そうな顔をしたので、制作中のモノをソフィアに見せる。

「ちょっと小物で作ってみたんだ。ノーラは土を弄るのが癖というか性分らしいから、スコップを装備。アェリィは転んだりするのが多いらしいから……前掛けというか外套着みたいなの。サーラは……なんか全体的に危なくなりやすいから……戦闘服というか、まぁ外套着だね。そんなのを作ってみたんだけど……付けてもいい?」

 制作中なので小恥ずかしいんだけど……まぁ、出来上がったら、人形用のグッズとして……それなりの値段では売れそうなぐらいには自信はあるけどね。って何を言っているんだ?

 と、ソフィアを見たら……なんか目を潤ませている。何故に?

「ありがとう。こんなにいろんなのを創ってくれて……でも……」

 改めて確認すると……繕い跡はやっぱり別れた家族……お母さんとかお姉さんが直してくれた跡なんだそうな。妹さんも直してくれたりしていたらしい。

「判った。そういうことなら直した糸とかは変えない。でも……危なくなっていたりするから、重ね直したりするのはいい?」

 どういうこと? みたいな顔をしたので追加説明。直しの糸は取らずに、更に重ねて糸で繕う。それで元の繕い糸にかかる力も減るから長持ちするはず。と説明したら……予想通りの反応が返ってきた。

「アリア。ありがとうっ!」と抱きつき+抱きしめ=アタシは呼吸困難(かなり長め)。

 ふぅ。予想していたけど、ヴィオラさんが止めてくれなかったら、現実世界じゃないところにいってしまいそうだった。


 読んで頂きありがとうございます。

 これはアコライト・ソフィア、アリアとソフィア、闇の剣、岬岩城の姫の後編に当たります。

 感想などいただけると有り難いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ