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聖霊の街  作者: 葛城 炯
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15.その朝の夢と…… 1

 ソフィアとアリアの仲間達

15.その朝の夢と……

 やっぱり夢を見た。

 夢の中でもアタシは疲れで懈かったけど……ネメシアさんはニコニコ笑っていた。

(なんか嬉しそうだね)

『そりゃ、そうよ。ノ・トワ城を直してきたんでしょ?』

(そだよ。ソフィアってやっぱり凄いなぁ)

『当然。光の杖の継承者なんだから、それぐらい朝飯前よ。あ……ところで朝御飯はどうするの?』

(後で食べるから……でも、起きたら昼だね)

『疲れているから食べられるかもね。両方』

(ん〜 肥りそうだな)

『大丈夫。まだ育ち盛りなんだから……肥るとか気にしなくても』

(そかな?)

『そだよ。気にしない』

(……ねぇネメシアさん)

『なぁに?』

(なんで幽霊のままでいられるの?)

 きゃはははと軽やかな声で笑う。

『死んで……霊界というか冥界の入り口に行ってみたらね。みんな大騒ぎ。何でかというと……私は浄化の術が基本魔法。それで、幽霊になっても浄化の術を帯びているのよね。その術が冥界の入り口を護っている方々……というか冥界の住民には毒らしいのよ。それで来るなっていわれてね。仕方なしにこっちに戻ってきた。……そんな所よ』

(浄化の術って凄いんだね)

『そうよ。大抵の毒とか、呪いとかはこの術で消し去ることができるわよ』

(そういえば……ネメシアさんって寺院の修行尼僧筆頭だったんだよね?)

『そうよ。何? 藪から棒に……』

(いろんな術、使えるの?)

『そりゃ使えたわよ。でも……もう無理だな。使ったら消えちゃうかも……』

(ダメだよ。消えちゃ)

『ん。ありがと。今はソフィアの霊精があるから大丈夫。消えないよ』

(……あれ? 霊精があるから?)

『どしたの?』

(ということは……今、何かしているの?)

『しているわよ。この剣の……』

 ……と、急に目が醒めた。


 何だ? と目を開けると……ノーラ達が顔を覆っていた。

「……おーい。何してのさ?」

 寝ながら声をかけると……ノーラは眠そうに目を開けて……懈そうな声を出した。

『○ん〜? もう昼だから先に行くねってソフィアから伝言頼まれてぇ……ぇえぇっ!』

 急に起きたモノだから顔に引っ付いていたノーラが壁まで飛んでいった。アェリィ、ウェンディ、サーラはぼたぼたと頭から落ちてくる。

 見ると……ネメシアさんが気怠そうな雰囲気で椅子で休んでいる。ヴィオラさんもソフィアも居ない。窓から差込む日射しの角度からして……昼過ぎだっ!

 アタシは身支度もそこそこに人形達を袋鞄に詰め込んで口に朝御飯だか昼御飯だかの残りの蜂蜜サンドを咥えたまま、ぽゃ〜と寝惚けているようなネメシアさんの手を取って袋鞄を担いで闘技場へと急いだ。

 って、何で急ぐ必要が?

 駈けながらも悩んだけど……まぁいいや。ギザキさんの試合が不安だからと言うことにしておこう。なんか夢の続きを見たいような気もするけど……どんな夢を見ていたっけ? ん〜。ま、それより今は闘技場だ。ギザキさんが実際、どれだけ強いのか見てみたいし……

 そう。ギザキさんの実力が知りたいんだ。あんな城が壊れるような戦いでノィエのお姉さんであるノェアさんを無事に輿入れさせたという実力が……



 読んで頂きありがとうございます。

 これはアコライト・ソフィア、アリアとソフィア、闇の剣、岬岩城の姫の後編に当たります。

 感想などいただけると有り難いです。

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