序章#7亀裂
「ちょ、ちょっとなによこの娘。」
「?俺の使い魔だが。」
「初めまして。メルと申します。」
「うん、初めまして。亜莉亜だよ♪じゃなくて!この娘が使い魔!?」
まあそうなんだがな。人型の使い魔は見たことないのだろうか?
「お前って人型の使い魔見たことないのか?」
「いえ、まあ見たことは無いけど聞いたことはあるわ。」
「でも人型のは少なくともSランクより上のはずよ。Sランクより上のはとーくんなんかじゃあ絶対に無理だって。何か裏があるでしょ。」
そんなことないのになぁ。どれだけ信用されてないんだ。
まあ確かに亜莉亜が、そう言うのは仕方ない。まず、俺は亜燐の前では戦闘能力を低く見せていたし、普通に運が悪かった。
使い魔契約の時には第一に契約者の能力が高いかどうかで、ランクが決まってくる。そして、運が良ければ本来契約するはずのランクより上の使い魔と契約することが出来る。
しかし、運が良すぎても能力がその使い魔よりも低すぎたらまともに扱えないから意味が無い。
能力に関しては大丈夫だが、運だけはかなり酷い。
例えば何も無いところでこける。それだけならまだマシなほうだ、散歩してるだけで野良魔獣に会ったりと、かなり酷い目にあっている。
運が悪すぎると、どれだけ能力が高くても運が悪いだけでCランク以下になるということもよくある。
それでメルと出会えたのはそれこそ奇跡だろう。
「まあ運がかなり良かったって事だな。」
「とーくん、何か隠し事してるでしょ。」
う、コイツ結構鋭いな。
「いや、そんなことないぞ。」
「ホントかなぁ?」
「ホントだよ。」
「ふーん。まあいいや。」
いいのかよ。
「それじゃあ修復作業始めようか。」
「「オー!」」「分かりました。」
そんなこんなで始まった修復作業だが、こういうことにはトラブルが付き物で。
「危ないっ!」
突如飛んできたコンクリートの塊かたまりが兎陽とはるの方に飛んでいく。
兎陽は目だけでコンクリートの塊を見て。
「マジかよ。」
(ここで避けたら亜莉亜に怪しまれるしな、まあ偶然を装って良ければいいか。)
「どうかした?」
当たらない距離だけを少し歩いて偶然・・避ける。
ドスン!
大きな音をたてて、コンクリートの塊が地面に落ちる。
「うわっなんだこれ?」
気づいてなかった言い方をしてその場を誤魔化そうとする。
「おー、よく当たらなかったな。トハル運良かったな・・・・・・。」
「とーくん今って避けたの?」
「どういうことだ?」
「とーくん運が悪いはずなのに避けれるわけがないよ。」
「ソンナワケナイジャナイカー。」
「なに?とーくん。私にも教えれないことがあるの?」
「いや、そういう事じゃないが、あんまり言いたくないというか。」
「そう…うん。分かったよ。」
はい。赤狼です。今回の話としては、兎陽が再開した亜莉亜に過去を知られたくないために何とか隠そうとしている感じにしました。次のはどうやって書こうかと考えてるところです。そして謝罪ですが、前回の後書きで、今回のタイトルを仮で書きましたが、全然違う内容になってしまいました。それで投稿遅くなって申し訳ないです。最近は5年ほど前にでたゲームをやっています。チムメンの方のおかげで、2日くらいで一応は上達はしましたが、流石に自分で機体を作るのは難しいので、日々四苦八苦してるところです。恐らく次回は日常回にする予定です。ということで、次回の『邪神の再臨?(仮)』で会いましょう。では〜。