ぴゅーん。
夏ってサイコーだね。人の皮がうすくなるサイケだね。じゃあカメラで撮ったら、いる人といない人が入れ換わることだってあるんだ。こわいじゃん。こわいの? 幽霊ってね、青く燃えているんだからね、そのために人の脂肪を盗んでいくのだな。人間は、死者にとってのガソリンスタンドみたいなものだから、毎年次々と生まれてくるでしょ。人間って、なかなか減らないでしょ。じゃあ、「ゴースト・ダイエット」という本を書くからね。1380円の、奇妙なサイズの、本棚に収まらないようなのを作るからね。
ぴゅーん。
「おいおい。実在しないだろ、そんなの。いいからおまえは早く脚、持てよ。」
「ボクもそう思うんですけどね、でも本当に、ぴゅーん。って言うだけで、世界が変わるらしいんです。」
「ぴゅーん。何も変わらない。分かったら、黙って仕事しろよ。」
「違うんです。ぴゅーん。って言うのはボクたちじゃないんです。」
「じゃあだれが言うんだ。」
「知りたいですか。」
「うるせえ。」
「教えてあげようと思ったのに。」
「分かった。おまえは穴を掘れ。こっちは俺が一人でやるから。」
「待って。」
「なんだよ。」
「何か聞こえませんでしたか。」
「な
ぴゅーん。
夏ってサイコーだね。人の皮がうすくなるサイケだね。じゃあカメラ、あれ、でも何だかこれって、どこかで一度書いたことのあるような気が
ぴゅーん。
ぴゅーん。:「ぴゅーん。」とは、世界風、終わりの日にラッパを鳴らす、われわれ全体の大きな意志であり、息。
「ぴゅーん。」とは、投擲、なんらかの形でいつしか溶け出していくはずの原基を、内部に回覧させておくこと、およびその増殖に寄することの謂い。
「ぴゅーん。」は、人間の脂。人間の脂は、ゴーストの燃料。
「ぴゅーん。」は、スケート・リンク。
スケート・リンクは、右脳の城。
右脳の城はAマイナー、
Aマイナーは常軌を逸する、
常軌を逸するはコンクリート建築、
コンクリート建築は枯葉剤、
枯葉剤はオープンします、
オープンしますは猿の箱、
猿の箱は、猿の箱は、
ぴゅーん。