表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/120

第7話 新の決意

* 第7話 新の決意 *


その後、会長さんは完全に固まってしまい今日のところは家に帰ってもらうことになった…

そして、俺が家まで送って行くことにもなった…

また化身が出現する可能性があるからだそうだ…

で、今現在会長さんが公園で休みたいとのことで公園に寄ったが、ベンチで完全にうずくまってしまった…

どないしましょうこの状況…

数分が経ち、やがて会長さんの口が動いた


「…た…ど…たの……」


「え?なんて?」


声が小さくかすれていたせいでよく聞き取れない…


「わんたは、私のごとどう思ったのっできいでんの」


「お前まさか泣いてるのか?」


今でもall lifeは使っているがなるべく使いたくなかったので感情を読み取らないように気をつけていたため気づかなかった…

だが、なぜ泣く必要がある?

会長さんは涙を拭い「泣いてなんかいない」と言った


「で、あんたはどう思ったの?」


「何がだよ?」


「私にあんたの正体がばれてどう思ったのっていう意味よ。」


ふん…なんでそんなこと聞きたいのか知らんが、まぁここは正直に答えるべきか…


「ハッキリ言っちゃぁなんだが凄く嫌だっね、バレるの。」


「……。」


「でも、バレたのが会長さんでよかったよ。」


「…え?…なんで私だったらよかったのよ?」


「理由聞きたいか?」


そう問うと会長さんはゆっくりと頷いた。


「理由はな、会長さんが俺が化身と交戦した後でも普通に接しててくれたからだよ。」


「……。」


「いや、本当にビックリしたよ?

あんなもの見せられても普通に接してくれるとは思ってもみなかったからな。

普通、逃げたり、怯えたりするからね〜あの状況なら。」


「……。」


「だから会長さんでよかったよ。

それに、久しぶりに人間と同様に接してくれた人でもあるしね。6年ぶりかな〜。」


「なんで……」


「それと会長さん、今俺はall lifeっていう魔法を使ってる。」


「all life?」


「そうall life。全ての命っていう意味で名づけた。

この魔法はね全ての命の位置を把握するのに付け加えて、命の気持ちや感情まで読み取れるんだよ。」


「っ‼︎」



「ごめんね会長さん。少し気になることがあって見ちゃったよ…何聞かれるかはわかってるよね?

質問するよ?

君は" なぜ死にたがってる "の?」



しばらくの沈黙が続き、会長さんが答えた。


「私は、親に二度も捨てられたの……」


「……。」


「だから、もう生きていること自体が辛いの…

だから死にたい…楽になりたいの…」


なるほど…過去のトラウマというやつか……

悪いこと聞いたな…

でも、この後何を言うかは目に見えている…


「お願い、新、いや死神様どうか私をこ


「そんなことは絶対に言ってはいけない‼︎‼︎」」


「会長さん、俺は今怒っている。

なぜか?

君が死神である俺に対して死を望んだからだ。

俺は死神だ‼︎

だが、俺はお前が思っているような死神じゃない‼︎

俺は人が死ぬのが怖いんだ‼︎

見たくないんだそんなもの‼︎

人が一人死ぬと何人ものの人が悲しむ‼︎

そしてその死んだ理由が" 俺が勝手にバランスをとるために作った寿命だ‼︎

"つまり、俺さえいなければ人は死ぬことはないんだよ‼︎

死を悲しむ人の原因を作ったのは俺だ‼︎

死への恐怖を作ったのも俺だ‼︎

だから死が嫌いなんだ怖いんだよ俺は‼︎

だから、俺にそんなことを望むな‼︎

ましてやさっきの話を聞いて" 俺が助けたいと思った相手にそんなことを望まれたくは無い‼︎‼︎ "」


自分でもよくわからなかった…

よくわからないがキレていた…

そして理解した…会長さんは似ているんだ…


昔の俺に……


だから助けたいと救いたいと思ったんだ…

俺と同じ思いをして欲しく無いから……

ふと気づいた…会長さんが再び泣いていた……

感情には死の望みは消えていた…


「本当に…助けてくれるの…?

あなたは…私を捨てたりしないの…?」


「絶対にしない‼︎約束する‼︎」


そして、その瞬間二つのことが同時に起きた…

一つは会長さんの感情が" 生きる希望 "に変わった…

もう一つは、会長さんのすぐ後ろで" gate "が開いた…

…そして、白い光が会長さんにものすごい速さで飛んできた…それは一本の白い槍だった…


「危ねぇ‼︎」


俺は会長さんを横へ突き飛ばしたそれと同時に胸のあたりに強い衝撃が走り、血があたりに飛び散った…

体に槍が刺さっていた…

そして、" gate "からさらに何本ものの槍が飛んできた…

その全てが体を貫いていく…

もう、痛みも感じなかった…

血が飛び散り、ふと会長さんの顔が視界に入った…

顔には俺の血が付いていた…

そして、読み取れた感情は…


…………" 絶望 "………


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ