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第16話 獣神 ビートル

*第16話 獣神 ビートル*

「到〜着‼︎‼︎」

という訳で、ビートルが出現した山に勢いよく"落下"した。

空を見上げると…

巨大なカブト虫が途轍もなく大きな羽音を立てながら飛んでいた…

昨日現れた、アラクネの化身の蜘蛛の数倍はあるだろう…

そして、そのカブト虫は蜘蛛と同様に目が赤く染まっていた…

そして、そのカブト虫の背中に立つ鎧を身に付けた奴に話しかける…

「痛いなぁ"ぁ"ー‼︎なぁ‼︎ビートルさんよう‼︎‼︎」

『グォ"オ"オオォ"ヴォーーー‼︎‼︎』と、カブト虫が叫んだ…


* 数分前 *


俺たちは、空を飛んで山へ向かった。

その途中、異変が起きた…

ビートルと化身達が物凄いスピードで移動を始めたのだ…

「あ、兄上‼︎こ、こっちに向かってきますよ‼︎‼︎」

「そんなもん‼︎見りゃわかる‼︎‼︎」

「なんか沢山いるんですけどぉ⁉︎」

「さっき複数だって言ったよね⁉︎姉さん‼︎」

「で、でも‼︎」

驚くのも無理はない…

何故なら…

「こんなにいるって聞いてないわよーー‼︎‼︎」

前を見ると…化身達の"群れ"が黒い塊に見えるくらい沢山いるからだ……

やっぱり、連れてくるんじゃなかったかな…

とりあえず…誰にも聞かれないように…

「*****……」

「ん?兄上何か言いました?」

「いや?べつに?」

「ふぅ〜ん?」

…よし…成功した…っと思ったその瞬間。

「「「⁉︎」」」

背後に、巨大な影が現れた。

速すぎる‼︎暴走前の何十、いや、何百倍も速くなっている⁉︎

『グォ"オ"オ"ォ"ォ"ーー‼︎‼︎』

巨大な影がそう叫んだ瞬間、物凄い衝撃が襲ってきた。

「っく‼︎叫び声だけでこの衝撃波かよ‼︎‼︎」

「ふんぬぬぬぬぬぬぬぬ‼︎」

「キャァっ‼︎‼︎」

「姉さん‼︎‼︎」

希里はなんとか衝撃に耐えたが、姉さんが衝撃に飛ばされた。姉さんの方を向いた瞬間。希里の目の前に影が移動した。マズイ‼︎と思うのもつかの間。影は頭に付いていた"角"を降り希里を殴るようにぶつけ、吹き飛ばした。

「んなあ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ーーーー‼︎」

「希里‼︎‼︎」

姉さん、希里は、それぞれ違うところに飛ばされたが、二人共山の方へ飛ばされた…

『グォ"オ"ォ"ォ"ーー‼︎』

「っ‼︎」

そして、影は、希里を吹き飛ばした角を高く振り上げ、俺の真上から振り下ろした。

「お"お"らぁ"あ"あ"ー‼︎」

その角を、右手の拳を固くし、アッパーのするようにぶつける。

角は、拳とぶつかると弾きかえすことに成功したが、それと同時に物凄い衝撃が襲ってくる。

「っく‼︎」

だが、拳を振り上げきった瞬間…

「グハァ"⁉︎」

胸の辺りと、腰のあたりに強い衝撃が襲ってくるのと同時に、辺りに血が舞った…

見ると、手のひらと同じくらいの大きさのカブト虫が体の肉をえぐっていた…

いつの間に⁉︎

そして、影が、そのカブト虫どもども、容赦なく角を振り、希里と姉さんと同じく、山の方へ吹き飛ばした。

「ぬわあ"あ"あ"ぁ"ぁ"ーーー‼︎‼︎」


* * *


そして現在に至る…

目の前にいる、影の正体…

巨大な化身のカブト虫…

そして、その背に乗る獣神 『ビートル』…

「全く…こんなのをあいつが見たらどう思うか…まぁいい…来い‼︎デスサイズ‼︎‼︎」

そう叫び、手に魔力を送る…

そして、雷と共に巨大な鎌…デスサイズが現れた…

「さぁ〜て‼︎暴れますかぁ‼︎‼︎」

『グォ"オ"ォ"ォ"ーー‼︎‼︎』

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