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第91話 喪失

*第91話 喪失*




新の枕元に彼女は居た、誰にも気づかれず、寝息の中、彼女はひっそりと佇んでいた。

そして、新の顔をしばらく見た後言った。


「あとは、頼んだわよ…」


未だ寝息を立てる新を他所に、彼女は静かに消えた。


(分かった…)


新は微睡みの中、静かに答えた。

彼女、神藤 時子の最後の願いを引き受けることを誓った。




* * *




目覚めたのは、悪魔を殲滅した約2時間後、丁度修学旅行の予定上起床時刻の6時半過ぎ頃である。

体は動かせる程には回復しているものの、未だ重い感覚が残る。所謂、筋肉痛も残っているようだ。


しかし、あれ程の事をして僅か2時間で回復出来たのは嵐とアラクネのおかげである。


戦闘後、新は直ちにgateで自宅のラボへ運び込まれ2人によって緊急治療が行われた。

治療内容は、体中に残る傷の縫合、体力と魔力の回復。そして、“余分な魔力の切除”である。

新は過剰に魔力を摂取し、使用したため、慣れない量に体が追いかず、異常な疲れが生じていたのだ。

その為に、魔力を切除する必要があった。


切除というのは文字通りで、核以外の部位に骨に届くか届かないかの瀬戸際までメスを入れ、魔力の摘出を行うというものだ。

傷が深すぎると再生が追いつかず、新が死ぬ可能性があったのだが、今回の場合は逆であった。

魔力が多すぎて直ぐに傷が塞がってしまった。

流石の2人も手を焼いたそうだ。

なにしろ普通と逆なのだ。慣れないというのは想像以上に面倒な事なのだと、新を含めた3人は知るのだった。


因みに、あとから聞いた話だが、京都で起こった大火災は、ゼウスと共に参戦していた水神、火神と、新が去った後に駆けつけた幻想種の雨男、河童かっぱ川獺かわうそ達の協力により、迅速に消火された。

水神が消火にあたったのは分かるが、火神が参戦した理由はその答えに至るまでは少し時間がかかった。


火神は、文字通り炎を司る神である。

その為、火神の役割は火災をこれ以上広げないよう炎を操作することだったのである。

そして、広がることをやめた炎を水神達が直ちに消火する。


そして、隠しようのない灰と化した街は、新の姉、時子が全て時間を戻して再生させた。火災が無かったことにしたのだ。

最初からそうすれば良いのにと思うかもしれないが、最初からそれを行うと、奴らが再び現れてしまうことになってしまうのだ。

だから、建築物だけの時間を戻したのだ。


そして、火災によって火傷など負傷をした人々は嵐のラボに保管してあった回復薬を使って全員回復した後、“ゼウスの魔法”で火災があったということ全て消した。記憶を消して事実を隠蔽したのだ。

ただ、“1人”を除いて。




* * *




「おい、神藤……」


「ふぁんだ…んぐっ。ふぅ、なんだ?」


「いやいや、なんだじゃないでやんすよ!!!!どんなけ食うきでやんす!!!!!!」


朝食を取りながら巨里と弥也が新にツッコンだ。

キョトンとしながら、新は口いっぱいにペペロンチーノを頬張る。

朝食は泊まっているホテルのレストランでとることになっていた。

レストランとは言っても、決められた食事ではなく、好きな食べ物を自分で取ってくるバイキング形式の朝食であった。


しかし、その会場は唖然としていた。

原因は新にあった。

新はそんなにも空腹なのかという程に、皿を積み上げていたのだ。

最初はホテルのシェフ達も「流石高校生、良い食べっぷりだな!!」と言ってくれていたのだが、途中からシェフ達の顔が青ざめた。

何故なら、新がレストランに入って開始5分時点で新は全種類の料理の入った半分以上の量をその胃の中に収めていたからだ。

しかも、未だそのペースは落ちることを知らず、再び料理求めて列に並んでいる。


スタッフ達もあわあわとしながら見守っている理由は、このホテル自体にあった。

普通のレストランならまだしも、このホテルのレストランはちょっと値段が高いのだ。

料理の中にはそりゃ高額のメニューだって入っている。

バイキング形式は元をとることが出来ても、流石に赤字になることは無いだろうが、今の現状は違った。

新が朝食に与えられた時間は約1時間。

現在、30分が経過した時点で、全料理3ケース、白米を大型炊飯ジャーMAX丸っと3回分、カレーを食缶2杯、味噌汁も同じく食缶2杯、うどんを200杯、パン100食分を完食していた。

この時点で元をとるどころか、修学旅行生100人弱の量を腹に収めているにも関わらず、ペースが落ちていないのだ。


因みに、このホテルで最も高い商品は、実は“米”だったのである。

接客を良くする。米が上手ければ他のおかずも美味しく食べれる。お客様の心を掴む。リピーターが増える。サービスを増やす。米をさらに美味くする。お客様の胃袋を掴む。リピーターがさらに増える。

という繰り返しをした結果、辿り着いた米の銘柄は『世界最高米』。当ホテルの目玉である。

名前の通り世界最高に美味い。しかし、世界最高に高い米なのだ。

気づく人は少ないが、とんでもなく良い銘柄を使っているのだ。

それを1人で大量に食しているのだ、特に米を重点的に!!

それはオーナーでさえヒヤヒヤする光景である。


しかし、そこで神の鉄槌が下った。



「何をしているんだお前はぁ!!!!!!!!!!!!!!!!(ボコォっ!!!!!!!!)」



「……痛いですよ華菜先生。食事中ですよ?」


「『何が食事中ですよ?』だ!!食う量を考えろ!!食う量を!!!!他のお客様にも迷惑だろうが!!!!」


その瞬間、従業員の目には彼女が天使か何かに見えた。


「それならもう少し早く言えばいいのに……(ボコォ!!!!)いや、昨日の“アレ”のせいで異常な空腹感に襲われて、食っても腹膨れないんですよ…」


「……………………ちょっと来い。」


「え?いや俺飯食って、痛い!!痛いから!!ちょっ!!分かりました分かりましたから耳引っ張りながら引きずらないでちょい!!!!耳が伸びちゃうからぁああ!!!!!!!!」


斯くして、厨房食料滅亡の危機は免れたのであった。

後日談だが、彼ら一光学園がホテルを後にした数分後、何者かによって約50万円相当の大量の食材と『世界最高米』1俵が速達でホテルに届いたという。

受け取ったオーナーは何事かと駆けつけたが丁度不足していた食料が補給された事に対してほっと一息つこうとしたが、誰からの物なのか不明であるため、全て廃棄処分する事になることは明確である。

血の涙を流しながら受け取りのハンコを押すと、手紙も同時に届いていたことに気づいた。

見ると、


『いやー、めっちゃ腹減ってた上に美味かったもんでバカ食いしました。すんません。(多分すると思う。)

念の為、明日食い切るであろう材料を注文しておきました。

それにしても、まさかココのホテルが世界最高米を扱っているとは目が飛び出しましたよ〜(笑)

あ、賞味期限とか衛生面は問題ないですよ。俺と食品安全委員会の委員長が保証します。

保証書も同封しておいたから安心して使ってくれ。

じゃあ、また気が向いたら来ますわ。

お邪魔しました〜』


と適当な文章が綴られていた。

しかも、手紙にあった通り、血判入りの保証書が同封されていた。

つまり、これ以上に無い程の安全食材ということになる。

それ即ち、これ全てが使用可能食材ということである。

差出人の名前は一光学園生徒としか書かれていはいないが、オーナーはこの日、とんでもない人を泊めていたという事に驚きの余り軽く貧血を起こした。


そして、念の為、食品安全委員会に連絡を取り、本物かどうか確認した後、有難く使わせてもらったそうだ。

翌年、一光学園の修学旅行生が訪れた時、何故かサービスが良かったのは、また、別の話である。




* * *




そして、時間は少し遡り、新が華菜に引っ張り出された時である。

そのまま、新は華菜に引っ張られるまま廊下を進み、食後に集合予定の宴会室まで連れてこられた。

時間の1時間以上前という事もあって、クラス番号札が並べられているだけで、誰も居なかった。


新が部屋に放り投げられると、華菜はガチャりと扉の鍵を閉めた。


「……えーっと、なんの御用でしょうか?先生?」


と新は態とらしくキョトンとしながら部屋から持ってきていたゼリー飲料を吸った。

因みに、新の体はアレだけの量を食したにも関わらず至って普通の体型である。

あの食料はどこに消えたのかという事が新自身も少し気になるところだが、現在の状況からしてそんな事を気にしている場合じゃないんだろうなと思いつつ、食べ終わったゼリー飲料のゴミをポケットにしまう。


華菜の顔を見ると何か考え事をしているのか、ブツブツと何か独り言をしている。

少しだけ集中して、その唇の動きを観察する。

観察すると言っても、別に下心とか、そういう系のフェチズムでは無い。

ただ、純粋にその動きを“読んでいた”だけである。

本当だよ?


彼女の唇の動きを翻訳すると、以下の文章が読み解けた。


もし彼の正体が本当に神であるならば、私はとんでもない事に巻き込まれているのではないか?

それに、命懸けで助けて貰ったわけだ、何がするべきなのだろうか。

そもそも、神がなぜこんな場所にこの学校に入学しているのか。もしや、彼以外にも他の神が……etc……


うん。長い。

途中読み飛ばしながら観察していたが非常に長かった。

その時、思わぬ言葉が華菜の口から飛び出した……




…………もしや、彼が私のwas……




「はい!!先生!!私に何の御用でございましょうかぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




「うぇっ!?急に叫ぶな馬鹿者!!いや、ビックリマーク多過ぎだろ!!減らせ!!」


「的確なツッコミありがとうございます!!」


「まったく……」


新は心の中で、一瞬、危なかったと一息ついた。しかし、それと同時に、何かモヤモヤという変な感覚に襲われた。なんとも言えない嫌な感覚だ。


「で、何の御用なんです?死神オレの事ですか?」


「…………ああ。まず1つ、お前は本当に死神なのか?」


「答えはYES。そうですよ?驚きました?」


「うん。そんなテンションで言われると驚くより疑いが強くなった。」


「心外ですね。昨日、アレだけの事件が起こったのに。」


「まぁ、そうなんだが…」と華菜は再び考え込んだ。しかし、今回は直ぐに質問が飛んできた。


「それと、もう1つ気になるのだが、皆が昨日の大火災を知らないらしい。それはお前の差し金か?」


「いや、それは俺じゃない。それは親父だな。全国の人間から昨日の大火災の記憶を消したんじゃない?」


「……もう驚かんぞ。」


華菜は少し頭を抱えながら、「最後に」と言った。


「何故、“私の記憶”は残されたんだ?何故消されてないんだ?」


新はやっぱりかと、心中でそう思った。

それは絶対に聞いてくるだろうと予想していたからだ。

ふむ、と新はゆっくりと立ち上がり、少し近くを歩きながら言った。




「“分からん”。俺も知らん。」




「は?」


素っ頓狂な声が華菜から上がった。

しかし、紛れも無い事実である。


「あの後、ぶっ倒れたから、その理由は聞かされてないから、家に帰ったら聞くつもりだったが…」


“予想はついている”。

とは新は言わなかった。

敢えて口に出す程のことでは無いだろうと、新は胸の奥にその考えを押し込めた。


「あー、それと俺からも1つ良いですか?」


と新は華菜に尋ねる。華菜は一瞬、キョトンとしていたが、「構わない。」と返答した。

新は礼を言い、少し息を吸う。

そして、吐き出すと同時に僅かに殺気を漏らした。

その瞬間、華菜の体が硬直した。しかし、その硬直は直ぐに解け、代わりに微かに震えた。


新は彼女にゆっくりと言った。




「何故あの時、“逃げなかった”。逃げなければ殺されていたかもしれないんだぞ?」




ずっと気になっていたことだ。

疑問と同時に、死の危機に身を晒した事に対しての怒りがその言葉には込められていた。

新は百合華の時にも言った。

誰かが死ぬのは嫌いだと。

自ら死の機器に晒す奴はもっと嫌いだと。


しかし、暫く経っても華菜は何も言わなかった。

何故答えない。と新が言おうとしたその時…




「“分からない”。」




そう答えた。




「分からない。気づいたら、そうしていた。体が勝手に動いていた。

お前が、神藤が目の前で殺される所を見ていたくなかった。

それもある。しかし、それ以上に、“また”何かを失ってしまうのではないか、という恐怖が押し寄せてきたんだ。

もう失いたくない。

そう思った時には、気づいたら行動していた。」




新はその言葉を最後まで黙って聞いた。

黙ってと言うのは、少し違うかもしれない。

何も言えなかったのだ。

その言葉に対して、新が思った事は……




“また”、“俺のせいなのか”…




新は、彼女を変えてしまったのだ。彼女の事を“あの時”、ちゃんと救えていたのならば、こんな事には…!!

と後悔の気持ちで胸が苦しくなった。


しかし、その時、新は気づいていなかった。

自分の思った事、自分のせいだと思ったその言葉が“口に出ていた”ことに…

そして、その言葉を彼女、華菜は聞き逃さなかった。


華菜は、最初は自分が責められていると考えた。

しかし、彼の表情からして、そうでは無いことに気づく。

その時、彼女が新に何か声をかけていれば、口に出していたことに、新も気づき訂正を入れただろう。

しかし、彼女は何も言わなかった。

何か、彼の何かが壊れてしまいそうな気がしたからだ…


その後、疑問は色々残るものの、話を切り上げた。

詳しい話は帰った時にすれば良いという結論に至ったからだ。




* * *




そして、時間は流れ、修学旅行も最終日を迎え、帰宅中の新幹線の中、新はとんでもない爆弾を落とした。


「百合華。明日、“役所”行くぞ。」


「嫌よ………………………………………え?ふぇっ!?」


突然の言葉に、未だ御機嫌斜めな西園寺は断ったものの、その内容に気付いた瞬間、顔が沸騰した。


「ま、ま、まさか……!?にゅ、にゅ……!!」




「「「「「「「「「「「「「神藤と西園寺が入籍!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」」」」」」」」」」」」」




周りで聞き耳を立てていたクラス一同が驚きのあまり叫んだ。

それと同時に、今まで寝ていたはずのクラスメイト達まで飛び起きた。


「いや、違うから!!本当に違うから!?

おい!!そこのゴリラ!!今すぐにそのスマホをしまえ!!!!似非ネタを広めいようとすな!!!!イヤミもシットダウン!!!!姉さんは魂抜けるな!!戻ってこい!!!!戻ってこい!!!!!!」


クラスメイトを静めるのに2、3分の時間を労した後、改めて西園寺に言った。今度は言葉を変えて。


「百合華、俺が“百合華の気持ちに答えられない理由”をちゃんと伝えたい。だから、明日、一緒に来てくれないか?」


そう言葉を正した。

百合華は少し、あの時の事を思い出して嫌な顔をした。

当然だ、まだ許してもらっていないのだから。それに、彼女をそんな思いにさせたのは紛れもなく自分のせいなのだから。

断られても当然だと、新はそう思っていた……


「………………た…」


「え?」


「だから、分かったって言ってるの!!行けばいいんでしょ!!」


「あ、ああ。」


「行けば、理由もハッキリするんでしょ…」


「ああ。」


百合華はそう言った後、それ以上口を聞きたくないとばかりに、顔を背けた。

仕方が無いことだ。

それでも、OKしてくれた事には感謝した。


しかし、そこでとある異変に気づいた。

それは、至って自然に起きていた。だが、新にとっては不自然な事だった。

あまりの自然さに新も気づくのに遅れてしまったのだ。

それに気づいた瞬間、新は少し焦りを感じた。

“彼女”を京都に置いてきてしまったのではないかという不安感に襲われたからだ。


「…………ちょい、1ついいか?百合華?」


「………………。」


「なぁ、“委員長さん”は何処に行ったんだ?」


「…………………………………………は?」


「あ、デリケートな話だったか?いや、うん。それならいいんだ。うん。それなら…」


新は少し慌てながら撤退しようとした。

そりゃそうだ、人間だもの。排泄はしょうがない。

と冷や汗を拭いながら、自分の座席に戻ろうとした。




「…………新、何言ってんの?“委員長ならそこにいるじゃない”?」




と百合華は言った。その時に伸ばされた指の先に新が目をやった時、世界が歪んだように思えた。

そこには、予想外の光景が広がっていたのだ。


その指の先にいたのは……紛れも無く、“姉さん”であった。


「え?」


思わず、そんな声が出た。

まさか、おちょくってるのか?と思ったが、百合華の顔はそんなようには見えなかった、むしろ呆れる表情であった。


「じゃ、じゃあ!!この席に座ってる奴は何処にいるんだ!?」


と、元々委員長さんが座っていた席を指をさした。

するとその直後…




「あー、ごめんごめん~、ちょっとトイレが混んでてさ~。あれ?神藤君?西園寺さんに用事?」




そんな声が聞こえた。

その時、新は耳を疑った。その声が聞き慣れなかったからだ。

その声のした方向を見るのが怖かった。

しかし、そのまま止まっていては答えは何も見えない。

新は、恐る恐る、その方向へ顔を向けた。

その場所にたっていた人、その人は……

委員長さん、中谷蒼では“無かった”。


「神藤君、私その座席なんだけど…」


「あ、ああ、すまん……」


言われるがまま、新はその場を退くと、彼女は“中谷蒼の座席”に座った。

なるほど、これはドッキリか。

誰かがカメラでも構えているのだろう。

誰かがドッキリでした的なパネルを今か今かと出す機会を伺っているのだろう。

周りを急いで見渡した。しかし、そんな様子は何処にも見えなかった。

しかも、新の視界には命が全て映るようになっている。

信じたくはない。

信じたくはないが、その視界の中に、中谷蒼の命は無かった。


「おい、神藤!!ここは新幹線の中だ!!あまりたち歩く「中谷蒼はどうしたんですか!?」…話の腰を折るな!!馬鹿者!?」


「そんな事より!!中谷蒼はどうしたんですか!?!?何処にも居ないんですけど!!」


新は少し焦っていた。

そんな筈は無い。有り得ない。と自分の考えている最悪の事を否定し続けた。


しかし、華菜の口から出た言葉は、その否定をあっさりとぶち壊してしまった……




「“中谷蒼”?“誰だそれは”?」




その時、世界が凍りついたかのように思えた。

酷く冷たく、重い空気の世界に一瞬にして変わってしまったのではないかと思えた。


そんな感覚を覚える中、華菜は「お前がそう言う趣味なのは嫌という程知っているが、現実とフィクションを間違えるなよ。」と注意してくる。

周りで聞いていたクラスメイトもクスクスと笑っている。

「やっぱりオタクか。」「現実と非現実を違える程にか…」「そこまで末期だったとは…」

などと、本当に誰もが知らないかのような発言をしていた。

新一人だけが変であるかのように。


新は青ざめながら、小さく、「我、死神なり。」と唱え、自分のポケットの中に死亡予知記録デス・プリダクション・レコードを呼び出した。

そして、検索する。

『中谷蒼』という名前を。


すると、その名前はあっさりと出てきた。

しかし、その年号がおかしかった。

おかしい。バグってんのか?と思った。

新の死亡予知記録には全命のこの世に生まれた時刻と死亡する予定時刻が記されている。

その中で、中谷蒼の記録にはこう記されていた。




中谷 蒼 ♀

誕生:2030.5.6.

死亡時:2031.5.5.




現在の時間は、2047.9.25である。

つまり、委員長さん、中谷蒼は16年前の5月5日に死亡している、とそこに記されていたのである。




「委員長さんが……“死んでる”…だと…?」




……To be continued

にゃ○ぱすー!!


はい、しょっぱなから伏字から始まりますが、どうも!!肆季紙です!!


まずは、ここまで読んでくださり、真にありがとうございます!!

いやー、何とかここで修学旅行編を終わらせることが出来ました!!

なんか後味の悪い終わり方でしたが!!それは次の章で明らかになります!!

お楽しみに!!


さて、読者の皆様。とは言ってもそんなに居ないかも知れませんが……

読んでくださった、とてもご親切な読者様!!

何かお気づきではないでしょうか?

ええ、察しのいい人は既に気づいているかもしれません。

察してない人、さては見た目は子供でも中身は大人なメガネショタにはなれませんよ?

まぁ、ならなくてもいいんですけど……


では、気づいてない人はこの後書きを読んだ後にご確認ください!!面倒臭い人はやらなくてもいいです!!結果だけでも聞いてください!!


現在!!この話の1話から91話!!番外編も含めて!!全てをカウントしてみてください!!


丁度、“丁度、合計100話”なんです!!


はい!!何点5話とか0話とかも含めて!!全100話!!達成しました!!!!


いやー、めでたい!!

勝手に喜んでいる肆季紙ではございますが!!

なんと!!初投稿から2年が過ぎているんです!!

よくもまぁ、こんなにも続いたものです。


さて!!100話突破!!そして、総合評価100pt突破!!ということで!!!!


次回!!番外編!!


『祝 総合評価100pt 100話突破記念』


を掲載させていただこうと考えております!!

続きは気になるかもしれませんが!!

今回はダブル突破記念ということで!!

『学校一のオタクは死神でした。』に登場するキャラクター、“全キャラ”出したいと思っています!!

お楽しみに!!


ここまで読んでくれた親切な読者様!!

こんな長い文章読んでくださり本当にありがとうございます!!


それではまた次回!!

さいなら!!

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