サブイベ①謎の小学生あらわる
ランドセルというカバンを背負った青髪の少年は、寂しそうに公園にいた。
「ひとり?迷子?」
詳しくはないけど、少年を見捨てるわけにもいかない。
少年は目を輝かせながらじっと私を見ていた。
「…お姉さん優しいし美人ですね!」
「え?」
魔女界の姫である自分はよく周囲からほめられる。
美人なんて魔女達から言われ慣れているのに。
初めて男子に言われて少しときめきのようなものを感じた。
「あなたのお名前は?」
「天王寺海人です」
「天王寺…お寺?」
「うーん。違うとおもいますよ…テレビとかで名前聞きませんか?」
「テレビはみないから」
そもそも家内にテレビがあっても使い方がからない。
「やっぱり綺麗ですね!」
「どうして?」
「お姉さん女神様みたいなんだもん」
女神様…ってどの女神だろう?
「よくわからないんだけど女神様に顔が似ているということ?」
「ううん、雰囲気がクレイシニー様に似ているんだ!」
「知らないわね」
聞いたことのない女神だ。
そもそも悪魔崇拝の魔女達が知っている女神はせいぜい大女神マスヴェイユくらいである。
「クレイシニー様はカミュレット様とマスヴェイユ様の一番目の娘なんだって」
「へー」
神を崇拝する者を見ると魔女としては複雑だ。
「きっと恋人が沢山いるんだろうな…僕早く大人になりたいな!」
ずいぶんませたことを言うのね。
そんなにクレイシニー様のことが好きなのか。
寿命が短いのになぜ年をとりたいのだろう人間はわからない。