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原比良ルート

叩かれた彼はかなり痛そうだったが使った棒はなんだったのだろう。


「俺が気がついていれば…面倒をかけてすまない」

「いえ」

原比良君は巻神君をよく気にかけているけど、親しいのだろうか。

目を覚ました巻神君を涼しい顔で背負って帰った。


原比良君と巻神君が手を降っているので駆け寄る。


「こんにちは散歩ですか」

「フフ…他人行儀な話し方はやめたまえよ」


「別に個人の勝手だろう。

テレビで見る外国人も礼儀正しいぞ…

確かにクラスメイトなのだから、普通にしてもらうほうが気楽でいいが」



「これから普通に話すね」

「ああ」


誰と一緒に帰ろうか悩んでいたところ、原比良君がこちらに向かって歩いてきた。


「帰りは一人か?」

丁度帰る様子の原比良君。

部活をやっていないんだと以外に思う。


「そうだけど、原比良君は巻神君と帰るんでしょう?」

「いや、アイツとは行き帰りは途中までだからな…」


「そうなんだ、二人の家は私の家から遠い?」

「俺の家からだと…然程遠いわけじゃないと思う

アイツの家は行ったことがないからなんとも」

原比良君の口から意外な言葉が出て驚いた。

二人は仲がいいから昔からお互いの家に行き来している間柄なのかとばかり。


巻神君は先に下校したので、原比良君と一緒に帰ることになった。


「じゃーな」

クラスでとてもモテるという傲岸和仁君は、あまり愛想がよくないけど原比良君にはにこやかに手をふる。


「おう和仁、部活頑張れよ」

原比良君は手をふりかえす。


二人で共に帰るといってもただ一緒に道を歩くだけで、特に会話はなかった。


常に明るすぎる巻神君とは対照的に物静かな彼とはもう少し仲良くなったら話も弾むだろうか。


--


「原比良君」

私は彼と仲良くなるため、話しかけることにした。


「なんだ」

「好きな食べ物は?」

まずはベターな質問をする。


「特にないが、しいてあげるなら酸素か」


「では嫌いな食べ物は?」

「タコ、イカ、クラゲの類いだ」


「ご趣味は?」

「…天体観測のようなものだ」

今気がついた。彼の机の上には、宇宙に関する本がある。


「すごいですね」


空は狭間の国にはなかったので、宇宙というものにはあまり興味がない。

魔法に関係のある印象がないからというのもある。

そんなこと本人には言えないので、笑って濁す。



休み時間が終わり授業、昨日匿名で送られてきたお助けアイテムのおかげで、現代文字が読めるようになった。


これからはなんとかなりそうだ。

――――


放課後、家に帰ろうとしていると、魔力、神力とは別の力を感じた。


不思議な感覚につよく引っ張られる。

これは世に聞く引力だろうか?


目を閉じて、なすがまま異空間へ連れていかれた。


「待っていたぞ狭間国の魔女」

白いローブをかけて、杖を持った何者かが、たたずんでいた。

男はフードをファサリ、顔を見せた。




「原比良君!?」


信じられず目を疑った。


なぜ、彼はこんなところに…。

どうして、私を連れてきたのだろうか。


「ねえ、どういうことなの?」

「わけがわからないのは当然だろうな。まずここは、宇宙の中立地点だ」


「宇宙…」

やっぱりか…。


「俺はここに魂を置いて宇宙の全てを監理している。理由はただ一つ“神の命令”だからだ」


神に魂、学園で見てきた彼からは想像つかない。



「そして、お前を捕まえることを今か今かと待ちわびていた」


「え!?」


なにをいっているんだろう。


「テラネスの監視はもう飽きた。代わりにここを監理してもらいたい」


「なんで私が宇宙を管理しなくちゃいけないの。いや」


私は魔女国の王女、宇宙は専門外だ。はっきりと断る。



「ならば力ずくで――――」

――――――――


呆気ない勝負だった。軽い怪我をした彼の左手にハンカチを結ぶ。


「私帰るね」

「く…魔女神マデェールの力…侮ったようだ」


原比良君はしぶしぶ、私を人間界へ帰してくれた。



「俺は諦めない」


なぜ、私に管理者の座を譲ろうとしていたんだろう。

他の人ではダメな理由でものだろうか。


まだ原比良君は宇宙ゲートを開く気だろうし、その時になったら考えよう。



「原比良君、巻神君お早う」

「……昨日あんなことがあったのによく話しかけてきたな」

「あんなこと?」


私達の会話を巻神君が訝しむ。


「告白したらフラれたんだ」

「告白っていつの間に!」

「違いますよ!?」


誤魔化すための冗談にしては反応に困る。


「いまのは嘘だ」

「なんでそんな嘘つくんだ君らしくない」


巻神君は原比良君のキャラがブレていることに困惑している。


「うるさい」


原比良君は巻神君の肩へ左手でチョップした。昨日のスリ傷はまったくなくて安心する。


「転校生」

「どなたですか?」

「我がオカルト部A班は今年の夏休みこそ、宇宙人を捕まえようとしているの!」


部長の女子が言う。


「はあ」

「宇宙人といえば外国人のほうが詳しいだろ?」


つまりは宇宙人ハントに同行してもらいたいと、皆がグイグイ迫って来る。


「いいや、美少女転校生には我がB班と心霊スポットへ!」


副部長の男子が眼鏡をクイッと上げた。


「なんですって!?」


どうしたらいいかわからずあたふたしていると、原比良君が私とオカルト部長の間に割って入る。


「こいつが迷惑がってるだろう。それに争いは部室でやれ」

「ごめんね」

「すまん」


二人は肩を落として、部員と帰っていく。

なぜオカルト部が私を勧誘したのかわからない。

部活に入っていないから、ならまずは部活に入ってくれないかと尋ねる筈だもの。


「オカルトセンサーだろう」


原比良君が私の心を読んだかのような一人言をいう。

彼は私が魔女ということをオカルト部の人は無意識で感付いた。といいたいの?


「ああ、さっきは勝手に誘いを断ってわるかったな」

「いいえ、助かりました」

「もしオカルト部に協力したいなら俺もついていこう」

「え?」


◆どうしよう?

〔宇宙へ〕

〔墓地へ〕

〔行かない〕

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