1巻
初作品です。感想、アドバイスがありましたらよろしくお願いします。
『天下統一おめでとうございます殿。』
『なに、これもお主らの働きのおかげじゃ。』
・・・・・・・・。
「全部、俺の働きだよ。」
ダメだ、ゲームにツッコムほど病んでいる。
さすがに弱小大名、セーブなしでの徹夜プレイはきつい。
でも、これでこのゲーム「信雄の野望」もやり尽くした。
俺は杉浦幸太、ニート歴3年。
親にパラサイトして生きている。
趣味はアニメ、マンガ、ゲーム。
特に歴史シミュレーションゲームがお気に入りだ。
いつからだろう、こんな人間になったのは。
誰もが子供のころ、何かに憧れを抱くと思う。
それは、特撮やアニメの主人公、スポーツ選手など人それぞれだろう。
俺が憧れたのは戦国武将だった。
彼らはもう死んでいるが、その功績は時を超え今に伝わっている。
少年だった俺は、自分も彼らのように歴史に名を残す偉大な人間になるのだと、信じて疑わなかった。
だが、現実は甘くなかった。
中学ではスポーツに挫け、高校では勉学に挫け、大学では就職に挫けた。
「挫けた」は言い訳だな、本当は嫌なことから逃げてきただけだ。
スポーツは疲れる。
勉強はおもしろくない。
就職は社会にでるのが怖い。
そして、逃げ癖の付いた俺はニートになっている。
武将たちは皆、己の力で道を切り開き、困難を打ち破っていく。
それなのに、俺はいい年をして、いまだに親の保護下にある。
親がいなければ生きていくこともできない。
それでも、割り切ってしまえば、この生活も楽しいものだ。
今も、ゲームの達成感と疲労感で心地よい睡眠がとれる。
おやすみなさい。
あれ、ここはどこだ?
目が覚めると、ゲームとマンガに埋め尽くされた愛しのマイルームではなかった。
フローリングは畳に、ベッドは布団に、抱き枕は裸の女に・・・・
ナイスだ!我が妄想力、いや夢想力。
彼女いない歴=年齢=童貞にとって、現実である必要はない、夢で十分だ!!
裸の女を見たことで変なテンションになる。
「あら、殿下お目覚めになられたのでございますか。」
裸の和風美女(巨乳)は目をこすりながら話しかけてきた。
どうやら寝る前にやっていた、ゲームの内容が夢に反映されているようだな。
褒めて使わすぞ<綾小路家>お前たちと苦労して取った天下、無駄ではなかった。
まさか、和風美女と将軍プレイができるとは。
※綾小路家は冒頭で天下を取った、大名。実在します。
いざ、行かん決戦の地へ!!
もみ(ムニュ)
もみ(ムニュ)
「あぁん、殿下、こそばいですわ」
・・・・・・・・・?
なにかがおかしい、感触がリアルすぎる。
まあ、実際に触ったことがないので本物の感触など知らないが。
だが、五感がこれは現実であると訴えている。
これは、本当に夢か?
遅筆です。