第一枚 11
――その日は、ただ普通の日
のはずだった。
いや、あの時までは確かに普通だった。
ただいつもと変わらず05時30分に目を覚まし、学校の準備をして、朝飯を食べて、07時10分頃にチャリに乗って家を出た。
そして、30分後。
俺は学校に着いた―。いや、正確にいうと俺の通っている高校は駐輪場から5分ほど歩く必要がある。
なんとも不便である―――
とわいえ、いつもと同じように高校に行っていた。
そういえば学校歩く途中で変なバッチを拾った。黒がベースで真ん中に白で×印が描かれているだけだった。
なんとなくカッコイイデザインだと思ったので胸のポケットに入れて来てしまった。
そんな事をしている場合ではない…
俺は急いで学校にむかった
まぁ多少遅れはしたがいつも通り俺は校門を通りすぎた。そして、丁度昇降口と校門の中間くらいに来た。
その時だった―――――――
突然目眩に襲われた俺は、その場に倒れこんだ。はずだ
ただハッキリしているのは、学校に入る前に俺は気を失った、ということだけだ。
目を開けるとそこには果てしない闇が広がっていた。
「何も見えない…」
俺はそういった。
――――確かに、そこにあったものはただ一つ、闇だけだった…
「ここは……」ただ闇が広がっているだけ、前に進むことも、後ろに戻ることすら出来ない。いや、そもそもどちらが前でどちらが後ろなのかすら分からない。
上下左右すら分からない、どうやらここには一定した重力が働いているわけではないようだ。逆立ち(どちらがうえかわからないのでもしかしたら最初の向きが逆なのかもしれないが)になったとしても、さっきまでとなんら変わることはない。
しばらく俺は、その場に留まり自分の情態や何か変わったところはないか、とりあえず確認していた。
「別にすることも無いしな」
なんていいながら、
それから少しするとカチカチカチと機械音が鳴り響いた……いや、それはまるでゲームの操作音のような………
『性別を選んでください』
いきなりそんな声が響いてきた…
「男に決まっているだろ」
俺はそう答えた。
『これから三つの質問をします。お答えください。』
別にこんな闇の中、することなんかないので答えてやることにした。
「いいよ。」
『では、まず最初の質問です。』
『貴方は何故ここにいるのですか?』
「知らねぇよ、そんなの」
実際、俺は何故自分がここにいるのか知らなかった。
『わかりました。では次の質問です。』
『貴方は次の三つのうち、手に入れるとすればどの力が欲しいですか?』
『
1、すべてを凪ぎ払う力
2、大切な物を守る力
3、物質を作り出す力
この三つよりお選びください。』
―――なるほど、これは少し難しい質問だ。
まぁしっかり考えりゃ一人しかいないこの状況で1と2はあんま意味ないしな…いや、まぁそれでいえば3もいらない訳だけど、まぁ使えるとすればなーんか3だよな……うん、それでいいか。
「じゃあ…3で、」
『わかりました。3ですね』
『では最後の質問です。
あなたの名前をお教えください。』
―なんだこいつ?人にいきなり質問とかしといて、俺のことを知ってるのかと思えば…いや、まぁ知らないからこそ聞いてるのか。
いや、そういえばこの声はいったいどこから聞こえてきているんだ?
「おい、お前はずっとここにいるのか?」気づけば俺はそんなことを聞いていた。しかし―
『……』
「おい、何とかいえよ」
『…………ください』
「え?」
『質問にお答えください』
今までよりは少し強い口調だ
全く、こんな少しくらいの質問答えてくれたっていいのに、
まぁ何にせよ質問に答えないと先に進まない気がする――
質問は何だっけ、ああ名前か、何て簡単な質問なんだ。
俺の名前―――
「俺の名前は…神田 光だ。」
『了解しました。それではこれでエントリーを終了いたします。』
エントリー?こいつ何を言っているんだ?
『それでは、私の役目はここまでですので…』
「あ、おい待てよ!!」
そういいながらおもむろに手を伸ばした。その瞬間―――――
何も無かったこの空間に初めて俺以外の物体が現れた。それは――扉だった。
やはり薄暗いその扉には彫刻が施してあり、唯一ドアノブだけが白い色をしていた。
俺は最初…扉が現れた瞬間は驚いていたが次に思った事は
この先に何かあるかもしれない
だった。
そしてドアノブを握り締め、空けた。
その瞬間――――俺の目の前に世界が広がった。
ドアをくぐり抜けた先には地面があった。いや、それしか無かった。だが次の瞬間―――
無数の緑青の色をした半角英数が地面から現れ始めた。そして、様々な大きさの円となり、その場を回っている…
「なんだこれ、変な色。てかなんかそれぞれ回ってるし―」
そんなことを言った矢先、半角英数達は、回転しながら天まで昇っていき、消えた。
さっきまで円があった場所には、建物があった。
いや、建物だけではない。人や植物までも現れていた。
といってもよく勇者が冒険をするRPGによくあるような、少し中世的な要素を取り入れた場所ではない。
れっきとした街、現代的な街である。車だって走っている。
ただ分かっていることは、ここは俺の知っている場所ではない。
ということだけだ。
「仕方ない…とりあえずここがどこだか分からなければ、どこに連絡しても意味ないしな…」
そう言って、歩き出そうとしたとき。
「やぁ、君がここの…………えーと、何だっけ?」
そんなとぼけたことを言うこいつは……
「あの、どちら様で?」
「ああ、ごめん。名乗るのがまだだったね、僕は暁 明。しがない高校二年生だよ。」
高校二年生…一つ上だ。てかあかつき あきらって漢字二文字だけとか、珍しいな。
「えと、、、、暁さん」
「なんだい、神田くん」
「え?なんで俺の名前を―」
「そこの名札に書いてあるよ。」
そう言って俺の制服の胸元を指差した。
…名札を裏返すのを忘れていた。いや、そもそも登校したばっかだからそうに決まってる………まぁいいか。
「……あ、忘れてました。ありがとうございます。」とりあえず言って置けばいいか…
「うん、大丈夫だよ」
「はい。……であのさっき俺に何か言おうとしていたのは…?」
「あっそうだった!?ちょっと待ってて」
すこし待つと持っていたスクールバックから一枚のカードを取り出した。
「えーと…神田くんはのジャック、つまり11 だね。」
――――――――これから先に起こることを知っていれば、俺はこの時さっさと逃げていたのに、そんなことを俺は思う。
初めて書いてみました。
友達がやっていたのをみて興味のみで始めてしまいました。
素人ゆえ、更新も不定期になり、ありがちな話になってしまうかもしれません。
ですが始めたからには完結までは書いてみたいと思います。
ですので、もし呼んでいただける方はどうかよろしくお願いいたします。