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95.女君の妙案

 四日目からは、婿君は夜明け前に急いで帰る必要がありませんので、太宰帥は日が高くなってから三条邸を出られます。威厳を感じさせる美しい姿が思わず人の目を引きます。とてもあの『面白の駒』と一緒にする事など出来ません。その帥が四の君に、


「私が筑紫に下る日も、とても近づいてまいりました。やっておかなければならないことなども、大変多くあるのですが、今のように夜が明けると自分の邸に戻り、日が暮れてはこちらに伺うと言う事をしていては、出立のための準備も怠りがちになって都合の悪いことです」


 とおっしゃいました。


「ですからあなたには私の邸に移って来ていただきたい。私にはあなたが気がねなさるような他の妻はおりませんから。ぜひ、一緒に下る侍女を集めて、あなたも私と筑紫に行く決心をなさってください。出立まであと、十日余りしかありませんから」と説明して四の君を促します。


 そうはいっても四の君はすぐには決心がつきません。


「そんなに遠い所に、母や兄弟を置いてついて行くなんて。どうしたらいいのかしら」


 と、戸惑うばかり。けれど帥は、


「では、私一人で筑紫に下れとおっしゃるのですか。ただ、このように一日、二日逢っただけの形だけの結婚で、私がすぐに終わらせるとでも思われていたのですか」


 と軽く微笑んでいらっしゃいます。その御様子もとても落ち着いていらっしゃいました。

 

 帥は戸惑う四の君を、


「見た目は美しい女君だが、御性格はどういう人なのだろう」


 と思うと、まだ、互いがなにも知らずにいることを、とてももどかしく思われますが、


「左大臣のような立派な身分の方が勧めて下さった方だ。今日明日にも任地に下るからと言って、見捨てるような真似はできない」と思うので、


「私と一緒に、下向の準備のための指示をしましょう」


 と言って、早々に四の君を御自分の邸にお迎えしようとします。それを知って左大臣は、


「この婿取りはそう悪くなかったようだ。結婚早々に四の君を自分の邸に迎えられるとは」


 とお笑いになられて、四の君へのお見送りに相応の人々や、親しい人を、御先駆としておつけになりました。


 四の君は三輌の御車で御移りになります。三条殿からついてきた人々は左大臣やその北の方をとても慕っていましたので、


「このままよその邸で、お仕えしたくはありません」と言ったのですが、左大臣の北の方は、


「それでも帥殿の邸にお仕えしなさい」と、強いて行かせました。


 実は左大臣の北の方は御自分で四の君に付き添って差し上げたいほどのお気持ちだったのですが、御自身もお子様を身ごもっておられるので、そう言う訳にも行きません。だから自分が召し使っている人を、四の君と共に帥の邸について行かせたのでした。



 一方、帥のもとにもとからいる人々は、


「随分早く、次の北の方をお迎えになられたものだわ」


「まったく。どんなお人柄の方なのやら」


「帥殿のお子様方には継母にあたられる方。お子様方にはお気の毒でひどい事になられるでしょうね」


「一番の時の人である左大臣に縁のある方だとか。権勢を笠に着て、きっと御自分の好きなようにふるまわれることでしょう」


 と、自分の仲間同士で噂し合っていました。

 帥には最初の北の方との間に太郎君を儲けていて、ごんかみを務めていました。他に三郎君は六位の蔵人から、五位に任ぜられています。さらに最近亡くされた北の方との間には、姫君と十二歳になる男君がいらっしゃり、父親の帥はこの二人を溺愛していると言われていました。


 ****


 どうにか無事に結婚は済ませたものの帥の下向の日は迫り、雑用に追われながら三条邸に通う事が、困難になってきたようです。

 四の君はそういう覚悟を持って結婚したのではなく、自分たち一族の面倒を見ている都の権力者に勧められて、断れなかったからこの結婚に踏み切らざるを得なかったので、せかされるばかりの帥に戸惑いを覚えています。


 でも帥の方にしてみれば自分の下向が迫っているのは左大臣も承知の事なので、長く結婚生活を続ける気ならば当然四の君は自分について来てくれるものだと思っていました。

 当時の妻は自分の身内や親しい人よりも、とにかく夫第一で考えるのが当然だったのでしょう。自分の身内を気にして戸惑う四の君に帥は『かたちは(容姿は)をかしげなめり(美しいが)心や(性格は)いかがあらむ(どうだろう)』と、不満に思ったようです。


 都をはなれて筑紫まで行ってしまえば、そう簡単に戻ることなど出来ません。今とは事情が違います。以前中納言家の石山詣ででお話ししたように、当時の旅行は都から少し足を延ばしたところでさえ、大変な時間と手間がかかったのです。

 まして今の九州までたどり着くとなれば、その旅は大変長い行程を要したでしょう。

 地下人が一人、二人で小舟に乗って都を離れるのではありません。大宰府の帥を任される身分の人が、大行列を連なっての移動です。


 こういう高貴な人が船旅をする時は、まず、車を連ねて桂川や鴨川が合流して大きな淀川の流れになるところまで行かなくてはなりませんでした。

 そしてそこから多くの漕ぎ手が舟を操る、屋形を乗せた大型の船に乗り換えるのです。そしていくつかの舟泊まりを経て、幾日もかけて船旅をしなければなりません。一度下向すれば簡単に戻ることなど出来ませんし、手紙を出しても届くのにも何日かかるか。こういう旅は一つ間違えれば都人といつまた会えるか分からない事にもなりかねない、大変な旅だったのです。


 新婚早々、そんな所に着いて行くのを当たり前のようにされるなんて現代人には酷に思えますが、やはり当時は女性は結婚すれば、身も心も夫に捧げるのが当然と思われたのでしょう。

 帥も四の君の戸惑いを「人妻に相応しからぬ、我儘な考え方」と思って、彼女の性格がどういう人間かと不快に思ったようです。

 結婚後も主導権は男性にあるのですから、新婚早々とはいえ、こういう理由があるのなら帥は四の姫を無理に妻にしておく必要はないのでしょう。都のような優美な姫君はいなくても、筑紫で好みの女性を囲えば済むことです。無理に結婚しなくても、赴任中だけの相手と割り切ればあとくされもありません。一瞬、帥にも迷いが生じたのかもしれません。


 けれども帥は十分に大人でした。年老いた母や兄弟と離れることを不安に思う姫に、笑顔で『一、二日 見給ひて(お逢いして)やみ給ひなむとや(やめてしまう程度と)思しし(考えたと思われたのか)』と、優しく四の君に問いかけます。そして、左大臣が勧めた人を簡単に見限る真似はできないと、決心がつかずにいる四の君を自分の邸に移してしまう事にしました。

 自分の邸に入れると言う事は、帥は四の君を正妻として扱った事になります。しかも左大臣が見込んだ通り、帥には他に女君はいらっしゃらないようですね。これなら当時の女君としてはやや幼いところがある四の君を、帥がうまくリードできそうです。


 左大臣は『けしうあらぬ(そう悪くない)婿取り』だったと単純に喜んでいます。結婚から日がなく、下向も決まっているのに形だけの結婚にとどまらず、四の君をきちんと正妻扱いしている事に満足したようです。これで四の君はこれまでの汚名は消えて、名実ともに「大宰府の帥の正妻の座」を手にしたのですから。


 けれどこれは再婚同士の結婚。それぞれの立場だけでは解決できない問題がありました。

 女君はそれをすでに心配していたようです。見送りに付き添った自分の召し抱えている人達に、そのまま四の君に付き添って、帥の邸に勤めているように言いつけました。

 召し使われている人々は女君を慕っていたので、主人が変わるのを嫌がりましたが、この人には珍しく、強いて四の君につき従うように命じています。


 その女君の心配は当たっていました。帥の邸に使われている人達は、決して四の君を歓迎してはいないようです。自分達が大切にお仕えしてきたお子様方が、継子いじめに遭うのではないかと心配しています。


 女君だけではなく、母親のいない子が継子と上手くいかないのは、良くある事だったようですね。


 ****


 帥の息子、太郎君の権の守も、三郎君の式部大夫しきぶのたゆふも、父親の見送りをするために朝廷にいとまを申し上げて、皆下がりました。

 帥は「見送りの人々に被け物をしなければ」と人々にお与えになる装束を仕立てるために、絹を二百疋、さまざまな染め草などを四の姫に預けられます。


 けれど四の姫は目の前にずらりと並べられたそれらの品に、手を取り、触れるような事も出来ません。こういう事に不慣れでどうしたらいいか分からないのです。仕方なく母上の北の方に、


「帥殿に『被け物の支度をするように』お願いされ、絹などを沢山預けられたのですが、こんなにどうしたらよいのでしょう。三条殿よりついて来てくれた人たちも皆若く、相談できるような人もいません。それに母上の事も恋しく思われますし、幼い娘にも会いたいと思っております。人目を忍んでこちらに来ていただけませんか」と言づけなさいました。


 北の方は早速少将を呼ぶと、


「四の君が私を頼って頼み事をしてきました。娘とも会いたいと言っています。夜になったら忍んで帥殿の邸に行こうと思うので、しばし車を貸してほしい」


 とおっしゃいます。けれど少将は、


「人目を忍んでとおっしゃいますが、車でおいでになれば人には知られてしまうでしょう。また、行ったとしてもあちらには際立ってまばゆいほど愛されておいでのお子様もいるのです。そんな所に前の夫の子供を連れて行ったりなどしたら、さぞや見苦しい事になるでしょう。あちらのお子様は亡くなった北の方の子で、十歳を過ぎてもいつも帥は身近に呼んで、一緒に過ごしていると言います。そんな所に四の君の子を連れて行くのはあまりに可哀想です」


 と言って北の方を止めました。


「では、四の君を娘と引き離したままにしろと言うのか。それこそ可哀想だ」


「ではここは、左大臣の北の方に御相談して『良いでしょう』と言ってもらえたら、帥殿の邸に向かわれて下さい」と少将が言う物ですから、北の方はとても納得できずに、


「左大臣の北の方の許しが無くては、親子の対面もさせずに筑紫へ下向させようと言うのかい」


 と言って、顔をしかめるにしかめて、


「お前も、周りの人間も、左大臣の北の方がいらっしゃる限りは何も簡単には出来ないんだね。私こそ誰でも……それこそ以前は左大臣の北の方だって、自分の思うように従えていたと言うのに。今では人々に従うしかない身の上となってしまった。なんて悲しい事だろう」


 と嘆きます。また、


「私の心に、同じ心で共感してくれる者などいなくなってしまった」


 と言う物ですから、少将は、


「ああ、また母上の御腹立ちが始まった」と思って、


「何をおっしゃいますか。私などに御相談されても役になど立たないので、こう申し上げたまでの事ですのに、そのように責められては大変心外です」


 と言って、その場を立ってしまいました。


 北の方も本当は女君のご厚意が昼夜問わず嬉しいと思っておいでなのですが、一度腹を立ててしまうと、これまでの癖が抜けずにこのような態度を取ってしまわれるようです。


 少将は左大臣の邸に参って、左大臣の北の方に、


「我が母が、このように申しておりました」


 と、四の君の伝言をお話して聞かせますが、その時、四の君が被け物の支度の仕方が分からずにいる事は伏せて、


「四の君は母の事も、自分の娘の姫の事も、恋しく思っている様でございます」


 と語りました。これを聞いて北の方も、


「それはごもっともなお気持ですわ。早く行かせて会わせて差し上げたらよろしいのに」


 と言いますが、


「しかし邸の主である帥殿が、来ていただきたいとも思わない内に、急に訪ねても色々具合の悪いことでしょう」


 と、少将は帥にも再婚の家の事情がある事を匂わせます。


「それもそうですね……。ならば少将殿自ら帥殿の所に出向いて、帥殿とのお話の間に四の君への母上からの御伝言として、『あなたの事をとても恋しく思っています。かりそめでも良いからこちらにお越しください。あなたが遠くに旅立たれるまでの日にちも、とても残り少なくなっていますので、大変悲しく、心細く思うのです。この邸からの御出立でもよろしいではありませんか。京にいらっしゃる間は、ずっとお会いしていたいのです』とおっしゃっていましたと、お伝えするのです。そうすれば帥殿も、自ら四の君にお気づかいして下さることでしょう。あとは帥殿の御意向に従って、母上がお出かけになるなり四の君をお迎えになるなりすればいいのです」

 

 と、北の方は少将に知恵を授けました。


「それから四の君の娘の姫君の事は、後々四の君自身が御家族の様子を見て帥殿にお伝えすべきことでしょう。あなたが今、それをさせてはいけませんよ。お供にその姫君を付き添わせることになっても『四の君お一人を、遠くに行かせるのは心細いので』と母上が自分の代わりに行かせた子だと言う事にすれば良いのです」 


 そうおっしゃっても下さったので、少将は、


「やはりこの方は思った通りに思いやりがあって、素晴らしい方法を考えついて下さった。嬉しく、好ましい人柄の方だ。我が母上の聞き分けのない、ただ、腹ばかり立てている様子では何も言いようが無くなってしまうからな」


 と思いながら、


「大変良い妙案を授けていただき、とても助かりました。ならばさっそく、そのようにいたしましょう」


 と言いました。こちらのわがままを伝えるために帥の邸に行くのは、正直気が引けましたが、


「母上が四の君を恋しがっておいでなのだから」


 と自分に言い聞かせて帥の邸に向かいました。


 ****


 女君の実に冴えた妙案が、四の君を救ってくれそうです。

 女君はお裁縫が得意で、どれほど多くの衣装の仕立てを頼まれても、キチンと指示を出して必要な装束を仕立てさせる事が出来ました。長く姫らしい生活はしていませんでしたが、自分自身で裁縫をしていたので、そういう指示も的確に行う事が出来たようです。

 ところが四の君は末の姫と言う事で母親に甘やかされ、裁縫は「落窪の君」に任せっぱなしでした。しかもその後に中納言家は衰退の一途をたどり、召し使う人は減り、交際は減り、被け物や禄を授ける機会も無くなっていたはずです。


 そこに帥が見送りの人達に与える被け物の用意を、四の君に頼んできました。四の君にはそういう準備をした経験がありませんから、絹を手に取る事さえできずにいます。思いあまって母親の所に助けて欲しいと伝言を伝えました。さらにこのまま母親や娘に会えずに旅立つことを悲しんで、娘と共に会いに来てほしいと懇願します。

 自分の生んだ娘の中でも、一番に可愛がっていた四の君の懇願。故大納言の北の方は胸を焼くような思いに駆られたことでしょう。すぐにも飛び出して行きたそうな気配です。


 けれどもそれは息子の少将がとどめました。三条邸のような華やかな邸から車を出して、太宰帥に任命された邸に向かえば、どんなにそっと忍ぼうとも、人に気付かれずにいると言うのは無理な事なんでしょう。しかも、禄の支度ができずに母親に泣きついた。みっともない結婚と嘲笑われた前夫との娘を帥の邸に連れて行ったとなれば、せっかく挽回した汚名をまた着せられ、さらに世間からいいように非難されかねません。母子の情は可哀想でも、今軽率な行動を取られては今までの苦労が水の泡となってしまいます。


 悩んだ少将は女君に相談してからと言いました。これが北の方の怒りに火をつけたようです。

『あの殿の(女君の)許しなくは(許しがなければ)親子の面も(親子が顔を)見で(見ずに)下してむずる(下向させるのだろう)』と、カンカンに怒り、ひどい泣き顔をして嘆きます。

 前後の見境もなく、ただ腹立ち紛れに訴える母親に少将は『例の御腹立ち給ひぬ』と相手にしません。仕官している男性の目からすれば、母と娘が互いに恋しがる事は人情としては分かるのでしょうが、無理に通そうとするのは単なるわがままにしか見えないようです。


 子供たちも大きくなっていますし、故大納言も亡くなっています。この北の方ももう高齢になっている事でしょう。年老いた身でいつ、ついえるか分からない命に不安を感じながら、今では「日陰の子」となってしまった孫姫を抱えて四の君が無事に帰る日を待って暮らさなければならないのですから、北の方の心細さは大変な物のはずです。

 けれどやはりこの時代は、朝廷の命令は帝の命令も同じ。女子供の情など通用するものではなかったのかもしれません。


 少将は女君に相談に行きました。それでも血を分けた兄弟です。姉が禄の支度ができずに母に泣きついた事は伏せて事情を説明しています。少将も決して冷たい人間なのではなく、こういう時代なのだと言う事なのでしょう。


 そこで女君は上手い方法を思いつきました。帥が他に女君を作ることなく前の正妻が亡くなるまで添い遂げた事や、四の君を軽んじたりせずに、正妻として迎えた人柄を信頼し、四の君が母親や自分の娘に会いたがっているのではなく、年老いた母が遠く離れる娘を恋しがって、せめて都にいる間は共に過ごしたいと願っている事を、少将からそれとなく帥の耳に入るようにすればいい。世間話のひとつとして兄弟が話す分には、体裁が立つだろうと知恵を授けました。そうすればきっと帥は、四の君を母親と会わせるだろうと思ってのことです。


 さらに、四の君の娘を下向する人々の一人に加え、母親が自分の代わりにと付き添いさせる娘だと説明するようにいいました。後は四の君が帥の子供たちとの関係を作ってから、様子を見て事情を明かせばいいと言うのです。自分が継子いじめに苦しんだだけに、四の君の姫君には気を配らずにはいられないのでしょうね。


 この女君の機転で、どうにか四の君は母親との時間も取れ、自分の娘とも離れ離れにならずに済みそうです。四の君に幸せの兆しが見えてきました。

 



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