弐の巻き―捕食者―
疲れた…
午前12:00
俺は何時もと変わらず人気の無い静粛に包まれている街に繰り出した―
俺の名前は吉宗 流。明日青帝高等学校の二年生になる。俺の趣味は夜の街を翔け巡る事。だから今晩は昔住んでた隣街に向かうことにした。
(久しぶりだな…此処に来るの。小学生以来だ。何処も変わっていない。あの駄菓子屋も変わっていない。そういえばこの辺りにアレがあったような…あっ!)俺は足を止めた。
そこには古びた鳥居があった。
(まだあった!!!黒馬神社だ!)
此処は小学生だった俺はよくこの神社で遊んでいた。
(あの社に隠れて秘密の隠れ家にしたっけ。)
ギイッ…
鈍い音と共に扉を開けた。ツゥーンとカビ臭い臭いが漂ってきた。中はアチラコチラがボロボロで蜘蛛の巣が無数に張り巡らされていた。
(うげぇ…随分汚くなったな…)
ギシ…ギシッ…
床が軋んだ。
(でも安心するな…この中にいると。よく母さんに叱られたときこの中に篭ったこともあったな。)
それから何時間たっただろう。俺は時間を忘れ思い出に浸たっていたらしい。色んな事を思い出した。悪友のこと、近所に住んでいた好きなこの事…そんな思い出を胸にしまいながら社を出た。
満月が不気味なぐらい美しく輝いていた。
スゥーと夜風が頬をなぞった。
ブルッ
(今日の夜はやけに寒いな…っうか眠い…。早く家に帰ろ。)
俺はまた家まで走り出し社を後にした。
鳥居を出ようとした時、一人の男が立っていた。一見普通のサラリーマンに見えるが顔からは生気が消え失せ目が虚だった。
(何だ?こんな時間に。まぁ、俺だけど。なんか顔色メッチャ悪そうだし。なんかヤバそうだな…関わらない方が絶対に良い…)
俺はペースをあげ男の隣を過ぎようとした時だ。突然男がボソッと何かを漏らした
『“トキ”は来タ…』ゾクッ…
全身に鳥肌が立った。(何だ…今の!?“トキ”は来タって何だ?ヤバイってマジでヤバッ…)
バタッ
「痛゛…ッ」
俺は何かに足を掴まれた気がした。
「なんなんだよ…っ!?」俺は目を疑った。
俺の足首に血の色をした舌らしき物が巻かれているのだ。急いで後ろを振り向くとさっきの男が肩をうなだれ顔をこっちに向け口から舌を出していた。
「っ…」
腰が抜けた
(ビビんじゃねぇよ!?動け、俺!!頼むから!っうかアレ何なんだよ!?あんな化け物がなんでいんだよ!?ありえねぇよ普通!?…あっ!!コレ夢だ!!きっと眠すぎてどっか倒れて寝てるんだ!!だったら…)
ギュヴゥゥウ
「イ゛ダァアァア!?」
俺の願いは虚しく崩れさった…
俺は顔を上げた時、男と目があった。
その瞬間、男の口が耳まで裂けニタァと笑った。
カタカタッ
俺は震えが止まらなかった。
(俺今、蛇に睨まれた蛙の気持ちが解った……俺殺される…このままじゃ…)
頭ん中で警報が鳴っているのに体は銅像のようにその場から一歩も動くことが出来なかった…。
す
ズルズル
男が舌を巻尺のように戻してきた。どんどん男にこっちに近づいていった…あと20m…9m…1m …(…もう駄目だ…)
俺目をつぶった時のことだった――
マジで読むの!?うわぁ…ヤバくね!?(嘘)まぁ…楽しんでください…(ニヤッ)