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お外で待ってる。(前)
ああ、もう。
今日に限って、残業なんて。
週末に呼び止められて、来週の予定変更にともなうミーティング。
待ち合わせしてのお出かけだというのに。
どんどん気温も下がってきて、雪も降ってきた。
早足で待ち合わせ場所に向かう。
相手は幼なじみで、恥ずかしながら恋人未満。
食事に誘えば、よっぽどの用がなければOKしてくれる。
先週、一緒にテレビをみながら紹介された食堂に、美味しそうだね、行ってみないか?と誘えば、うん、いいね。と返事が帰ってきた。
実のところ、今、俺は、出費を控えている身なのである。
安くて旨いところなら、出来るだけ連れていきたい。
俺が美味しい所を見つけた時は必ず次は彼女を連れていく。
洒落た店でなくても、俺が美味しいと言ったから、と彼女は付いてきて、美味しかったね。と言いながら帰る。
そんなひとときが俺は大好きで、早く早く、彼女の元へいきたくて。
待ち合わせの時間はとうに過ぎている。
電話する間さえ惜しい。
俺は、どんなときも、彼女が
待っていてくれるのを知っているから。