もう過ぎました
ちょっとテンションがhighになった時に思いついたお話。
グダグダです。
「ハッピー★ハロウィン!!」
「いやあああああああああああああああ!!!」
今日も、いつもと同じく悲鳴が響く。
ただし、場所がちょっと違う。
「見て見て、瑞穂ー!」
波留が、満面の笑みで走り寄ってくる。その姿が、いつにもまして滑稽。
「波留。」
「なあに?」
「ハロウィンは過ぎました。」
「・・・」
シュンとする美少女。思わず、いらずらの常習犯だということを忘れて同情しそうになってしまう。
「米山ぁ。」
遅れて登場。最大の被害者、藤川。
「今日はいつにもまして楽しそうだね。そのままで一日を過ごすといいよ。」
なんだか、今日は突っ込む気がしない。
「波留。」
「はあい。」
「藤川はテキトーに流しときなさい。」
関わりたくなくなったんだ、もうこれ以上。
「米山、ひどい!!」
「川へどんぶらこ~」
川に流せとは言っていないが、まあ大丈夫だろう。
今日は11月3日。文化の日。国民の休日。
なにゆえ、こんな幸せな日にこいつら二人の世話をしなければならないのか。
道行く人が、わたしたちをじろじろ眺める。ここが国道沿いだということを忘れていた。
「波留。」
「ん。」
「脱ぎなさい。」
読者の皆さま、けっして米山瑞穂は変態ではありません。
今の波留の恰好はというと、
「可愛いでしょ、カボチャのポンチョ。」
オレンジ色で、カボチャがいたるところにプリントされているポンチョ。
「おもしろいでしょ、このタイツ。」
右が赤、左が緑色で、オレンジのボーダーが入っているタイツ。
「このスカートは普通だよね?」
体にぴったりと張り付く黒の、オレンジと白のフリルが可愛らしいドレス。
「もしかして、変なのは帽子なのですか、瑞穂サン。」
今どき魔女でもかぶっていないような、いかにもありがちの黒いとんがり帽子。
「ねえ、どこがおかしいの。」
ここまできて、まだわからんのか。
思わず無言になれば、波留は大きな瞳をうるうるさせてわたしを見る。
「そのチョイスだよ、波留サン。」
観念して、言ってあげた。
「うっそおおおおおおお!!!」
「うっそ。」
あり得ないちう表情の波留。そんな波留の感性が理解できなくて、目を真ん丸に見開いてしまったわたし。
「米山、俺は無視なんですか。」
固まっていたわたしの袖を引くのは、藤川。
「うっさい!!あんたなんかどうでもいいんじゃい!!」
あ、言ってしまった。言ったあとに後悔することって、多いよね。
見ての通り、真っ黄色のペンキを頭がからかぶせられてドロドロの藤川は、しゃがんで”の”の字を書き始めた。
「ごめんね、そんなつもりはなかったんだ。」
「・・・。」
「ちょっと、波留のことでいっぱいだっただけで、」
「・・・。」
「どうでもいいとか思ってないから。」
「・・・。」
「瑞穂、帰ろう。」
「そうだね。」
もう、諦めた。藤川なんか、知らない。
その日、藤川がペンキまみれで電車に乗って帰ったのか。
それとも、家まで歩いて帰って足跡が点々と付いてしまったのか。
わたしと波留は知らない。
どっちにしろ、カピカピになったペンキを風呂場でおとすことにはなっただろう。
そういえば、あいつ制服だった。
哀れな。
ごめんなさい。
書き終わった後、”駄作”という文字しか頭に浮かびませんでした。
出来れば、感想を書いていただけると死ぬほど嬉しいです。
あ、この日の波留をイラストに書いてくれる心優しき読者さんはいらっしゃいませんか・・・?
報告が遅れ、すみません。
波留のイラスト、音燐さんに書いてもらいました。「みてみん」で公開しています。
もちろん、まだまだ他の方からもイラスト募集しています♪