表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

いきなりラスト!

「へぇ、留学するの」

「うん」


 波留が留学のため一年アメリカに行くと知ったのは、なんと波留が旅立つ2週間前だった。


「気付かなかった…」

 波留は自分から言わないし、噂なんて普段私は聞かないし。


「え、ちょ、マジでぇぇ!!」

 気がつくと、隣に並んでいる藤川が叫んでいた。


「藤川」

「正太郎、うるさい」


 私のとがめるような声と、波留の非難するような声が重なる。


「でも、留学とか聞いてないし」

 しどろもどろになりながらも、そう言う藤川。

「だって言ってないもん」

 波留は悪びれるどころか、もうすでに開き直っている。この子なら、大事なことを言うかどうかは自分の気分次第なのだろう。というか、留学が大事なことって分かってない気がする。


「そっか、離れ離れになるね」

「うん」

「一年、留年になるんだよね?」

「もしかしたら、向こうの高校をそのまま卒業しちゃうかもしれない」

「そっかぁ」


 たんたんと呟く波留に、今更ながら自分は何一つ距離を縮められていないことに気づく。

 持ち前のマイペースさでクラスから浮いていた波留は、持ち前のマイペースさを発揮させているようにみえて、実は弱い自分を隠しているだけだったりする。

 波留は留学することで何を変えたいんだろう?英語の勉強、だなんてきっと考えていないんだろう。それよりももっと深い、価値観や自身の変化を見据えていそうな気がする。

 考えていないように見えて、実は周りをよく見て、自分とまっすぐ向き合っている子だから。


「お土産、チョコレートがいい」

「何年先の約束だよ」

 珍しく、今日は藤川に突っ込まれた。

「良いじゃん。向こうのチョコレート、美味しいって聞くし」

「分かった。覚えてたら、買ってくる」

「ありがと、波留」

 波留の頭を撫でると、波留が嬉しそうにすり寄ってくる。こうやって波留の柔らかな髪を感じるのも、もう数えるほどしかないんだろう。


 そんなに感慨深い思い出なんてないけれど。

 そんなに意味のあることはしていないけれど。

 むしろ、意味不明なことしかしてないけれど。


 それでも、一生の思い出になるんだろうなぁ…。


「波留、がんばっていってらっしゃい」

「うん!!」


 波留の笑顔を見られるのも、もう少し。


 今はちょっと早い、感傷に浸っておこうかな。


いきなりですが、これで最終話とさせていただきます。

理由は、自分の発想に限界を感じだからです。長い間更新もせず、読者様に迷惑をかけてしまいましたし。


波留の留学ほどではないですが、私自身も3月に10日間だけ英国研修に行ってまいります。

そこでの経験を生かし、また新たなユーモアや発想、価値観が生まれましたら、それをベースに新たな波留と瑞穂、藤川の関係を書いていきたいと思います。

それまで、ぜひとも空猫月をよろしくおねがいします。


ここまで読んでくださったみなさん、誠にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ