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目覚め

誤字とか多々あります、よろしくお願いします

場所は変わり

ある世界のとある海岸で、魔道士と弟子が

時の砂と言う精製アイテムの

採取作業を黙々と無言で休憩を時々取りながら

10時間ほど、日が傾き太陽が沈もうとしているなか

必死に行っている



夏の炎天下の砂浜で、根気と体力を消費しながら

二人はサラサラとキメの細かい

時の砂と呼ばれる

そこそこ貴重で

好事家や学者達にとっては価値があり

魔道士にとっては効率的で利益がすぐに出て現金をゲット出来る

アイテムを採取している




額に大粒の汗を受けべながら、止めたい気持ちと戦いながら

何度も、もう少しだけ頑張ろうと

自分に言い聞かせながらも、無意識にぶつぶつと独り言を

無意識に言い、身体ら湧き出る魔力が彼女の髪をモワッと

たなびかせていた

時折、不機嫌さを表して上空へと竜巻状に魔力が噴射する

作業を頑張り続けるが

弟子の方彼女は、限界を迎え手を止めた




目の前の海に、ローブとレギンスを脱いで

飛び込みたい衝動に駆られるが

お肌が焼けるので、我慢をする

(手が真っ赤だよ、私はこんな事をするために

 弟子になったんだけど、なんでかな

 さっきから、心臓がバクバクするし

 頭がキーンとするんだけど

 私、気絶するのかな?)





手を握り締めて、プルプルと手を動かし

まだ、作業をしている師匠の方へ視線を向ける




「ミラさん、もう休憩しましょうよ

 時の砂はもう十分採取しましたし

 もう私ダメです、干からびますよ、ぶっ倒れます私

 訴えますよ、多分?」






弟子のルナは、砂袋を置き

氷属性の魔法が付与された4メートル四方の大きな布を、力一杯おざなりに広げ砂浜に、座り込むとすぐさま大の字になり次にゴロゴロと回り

布から伝わる、ひんやりとした感触に安堵を覚えた


10分後、何処からかとても両手では持てそうもない

大きな日傘を取り出し砂浜に、突き刺す





ミラは、額の汗を手でぬぐいながら

シガレットケースから2枚の板チョコを取り出す

一枚を口に含み、もう一枚を

大きな口を開けている、ルナに放り投げる

(あの子は~可愛いの?あれがデカイあれが

 そして白い、私もおかしいかも)



板チョコは、放物線を描きながらルナの口へ

辿りつく



ルナは、板チョコを口に含むと

口の中で、チョコの甘みが広がる

冷えているチョコが、とても心地よい清涼感を醸し出す

(師匠私は私は、この一口の為に私は生きてきたのです

 あ~命の危機から救われました)

恍惚の表情で口を動かす弟子の姿に、師匠であるミラは

若干憐みの感情を胸に抱く



(キモイ少し、私の弟子はこんな子じゃ無かったのに

 この子の将来が心配になるかもしれない

 だけど、私のほうが心配だ)





「ミラさん、冷えていてとても美味しいです

 漸く一息つけますね」

満面の笑顔で話すルナの声が、辺りに響き渡る





ミラは、時の砂をスコップで、砂袋に入れていく

興味は既に、真下の時の砂に移り弟子の言葉は耳には入らない師匠


(もういいわ、これだけあれば十分

 早く帰って精製してそれから・・・・)



ミラは、ルナが広げた日傘に入りゆっくりとルナの隣に座り

水平線をぼんやりと見つめる





暫くしてルナは、人の気配を感じて

日傘から、外の様子を窺う

上空に、気配を感じ見上げると

指を差し、大きな目を更に広げて

ぼ~っとたそがれている大好きな師匠に、大きな声で声をかける






「ミラさん、何か来ますよ

 あれは、何でしょうか~」




ルナは、口を半開きにして上を見上げる


ミラは関心が無いようで、返事をせず

先ほどの姿勢のまま、水平線を見つめ続けている




ルナは、眼を細めて空を見上げていると

空気が揺れ、突如人が空から落ちて来る





ルナは大いに慌て、助けを求めてミラに視線を向ける





「ミラさん、人が落ちてきます

 どうします?怪我しちゃいますよ」





ミラは、特に慌てもせず上から落ちて来る人を

見上げている





とうとう、砂浜に人が落ちてしまう

大きく砂が舞う


ルナは、大慌てで駆け寄りミラを呼ぶ





「ミラさん、やばいですよ

 この人死んでるんですか?傷だらけですよ」






ミラは、ゆっくりと歩いてルナの足元にいる

人を覗きこむ、ミラはその場で回復魔法を行使する

(損傷度は、脳に異常は無い様子

 上空からの落下、でも何も気配は無かったはず

 突然現れた?なんで裸)



ミラは、体内と辺りに漂う魔力の種子を強引にかき集める

魔力が高まり、長く真っ白な彼女の髪が揺れ動き始める




「ミラさん、凄いです傷が治っていきますよ」




ミラは、手を叩きピョンピョンと飛び喜んでいる

ルナの腕を強引に引き寄せ掴んだ





「ルナ、緊急事態だから魔力を借りるからね」


「どうぞどうぞ」




ミラは、ルナの腕を掴んだまま

空間移動魔法を発動する

目を閉じて、移転すべき森の住居へとラインを繋ぎイメージする

目の前に横たわる裸の少年と、弟子も魔法の発動範囲から弾かれないように

注意して

(相変わらずこの子は羨ましい、私の無いものを全て持っている)

 



ルナの体から、魔力を借りながら

術式を完成させる

(またこの子の魔力成長してる、もう発動する?

 まったくこの子は)





後に残ったのは、砂浜に水たまりの様に溜まった

大量の血痕と、大量の時の砂





痩せ過ぎの少年、

鏡は、人の気配を感じ眼を開けた

丁度、覗きこんでいるルナと視線が合う

大きく目を開け困惑の表情をする、鏡



(誰?この人

 髪の色が、銀色?染めてるのか?)



目の前で寝ている少年の身体を、凝視しスキャンしていた

ルナは、ニッコリと笑いかける

(面白いよこの子、魔力がメチャクチャ乱れているし

 身体の中に何かな~これは

 起きちゃった、師匠に報告しなきゃ)


「ミラさん、落ちてきた人が起きましたよ」



ルナは、ドアを乱暴に開けて

部屋から、

1階へとバタバタと大きな足音をさせ、駆け降りて行く



鏡は、ルナの姿が消えてから

体がベットに拘束されている事に気がついた





口も動かず、声も出せない

眼だけが唯一動かせた

必死に状況を理解しようと目を動かし


周りの様子を確認していくと

木の机の上に、本棚が置いてある



窓からは、木々が見える

風が部屋へと、吹き込んでくる




(なんで?、動けないんだ

 ここは何処だ、なんでこんな所にいるんだ僕は)





必死に考えをしている鏡だが、なにが自分に起こったのか見当もつかない

ドアがノックされ、家の主のミラが足音もたてずにスッとドアを開けて入って来た



鏡が拘束されているベッドに、近ずくと

動けない鏡に、顔を近ずけ目を合わせてゆっくりと話し始めた




「元気そうで何より、スカイ

 貴方の新しい名前、何時までも落ちてきた人じゃめんどくさいから

 この世界では、貴方の名前は上手く発音出来ない、表記する字も無い


 貴方は、覚えてないかもしれないけど瀕死の状態で空から落ちてきた

 

 だから、貴方の名前はスカイ

 拒否権は無い、分ったなら瞬きを二回してスカイ」



スカイは、ミラの指示に渋々従うしか無かった

何故か上手く思考出来ず、目の前に居るミラの指示通りにしなければいけないと

感じてしまい、身体が勝手に動いてしまう


(この状況はやばい、誘拐?メリットないし

 今は従うしかないような、勝手に身体が動くし思考出来ない

 状況が分るまでは、無闇に動くのは得策では無いはず

 小説やドラマでも、ここは従ったほうが良いはずだし

 何故?あれ俺の考えか?大丈夫、大丈夫、だよな?)




「よろしい、今から私がスカイに説明する

 一切質問は受け付けない


 私の名前はミラ魔術師

 貴方よりも強いから

 無駄な抵抗はしない事、意味無いから」

(良かった、脳と身体に上手く作用してるから

 何とか私の言葉でも誘導できた、プロテクトがまだ未完成だから出来たけど

 次は、無理)





ミラは後ろに控えていた、ルナを手招く




「この子は、ルナ

 私の弟子、因みにスカイに最初に気が付いたのがこの子

 突然堕ちてきて、何故か瀕死の状態で、もうすぐ天に召されそうな貴方を

 助けようと言ったのがこの子」



ルナは、ベッドに寝ているスカイに視線を合わせ

楽しそうに話しかける





「スカイって良い名前だよね、これから宜しく」




スカイを拘束していたのを思い出した

ミラは、右手をスカイに掲げて

彼の全身拘束と、精神干渉魔法を解く



スカイは、ゆっくりとベッドから立ち上がり

慎重に体の調子を確かめる

肩や足にペタペタと触り、伸びをした

姿勢を正すと、目の前にいる命の恩人達に頭を下げる



(これは、常識的にお礼言ったけど

 本当に、信用していいのか?

 俺には、小説の主人公みたいに判断力も行動力も無いし

 どうするよ俺、このまま流されていいのか?)


「宜しくお願いします、ミラさん、ルナさんですよね?」





スカイは、ベッドから立ちあがり丁寧にお辞儀をする



スカイの様子に満足したミラは、頷き話しを再開する

(何故?立てる?肉体にも影響が有るはずの干渉魔法も

 重ねがけしているはずだ、何だこいつは)





「そこに座れ、スカイ

 君の様な人を、渡り人と呼ぶ

 ごく稀に、世界の歪みに巻き込まれ

 異なる世界に、つまりこの世界に落ちてくる人がいるらしい

 それが君」

(実際には召還魔法説も有力だが?多分?本に載ってたし

 この子を安心させないといけないし、渡り人?

 本当?事実は何時も歪められ伝えられるからな

 疑ってかかって丁度いいぐらいだ)



ミラは、スカイに指を差す





(まさにファンタジ―、渡り人ね? 

 俺は、魔王とかドラゴン倒すのか?

 絶対無理だ、サッカーしか出来ん



 そうだ、すまん石田お前とは対決出来ないかもかもしれない

 俺の部屋のプレミアカード、母さん頼むから捨てないでくれよ

 帰れるよな?絶対?とにかく死なないようにしなきゃ

 希望を持たないと、捨てちゃ駄目だ)






「スカイ、あんた見込みあるわ

 取り乱さないようだし、


 さっきの続きね、渡り人が最近来たのは

 数千年前ね、まあ大体はね

 体が持たずに、この世界に着いてすぐ亡くなるんだけどね



 スカイは運が良いわね、その場に私が居たのだから

 貴方も、私達が発見した時は

 瀕死だった訳よ、でね持ち物も服も使い物に

 ならないから、処分したからね」





「そうですよスカイ、ミラさんが魔法で治療してくれたんだよ」




(魔法?まさかお目にかかるとはこの僕が

 ファンタジー世界か~、そうだ御礼を)







「そうなんですか、色々有難うございます」




(命の恩人なら、信用しても大丈夫だよな

 頼れる人はミラさんとルナさんだけだし

 大人しく、信用されるように行動しよう)





「という訳で、詳しい情報は分らない訳だから

 暫くは、私の弟子として此処にいて良いから

 安心しときなさいな、今日はゆっくり休みなさいな

 あとはルナ宜しくね、じゃあねスカイ」






ルナ大きく頷く




「任せて下さい」





ミラは部屋から出て行く


ルナはスカイの手を握り






「スカイ宜しくね、一緒に頑張ろうね

 早く一人前の魔術師になろうね」




「こちらこそ、ルナさんよろしく」







(何故か、魔術師になる事に決定なのか?

 せっかくファンタジーの世界なら

 聖騎士とか魔法戦士とかが良いな

 でも、魔法と剣も教えて貰えば

 自称魔法戦士だよな、うん前向きに考えよう


 手が痛い、ルナさん馬鹿力なんですね

 手を離してくれ、マジでやばいです」





スカイの顔から、冷や汗が出ているのも気にせずに

ルナは、魔法の素晴らしさを話し続ける




「お腹へったら、一階に降りて来てね

 何か用意しとくからね


 少し一人になりたいよね、ゴメンゴメン

 直ぐ出て行くから」






コソコソとルナは、部屋から出て行く






(は~渡り人か

 情報が少なすぎる、かといって数千年前に来たと言われてるし

 直ぐに、お亡くなりになるんじゃどうしようも無い

 とにかく、修行か?此処で暮らしていかなきゃ

 帰るにしても、帰れない?多分無理っぽいしな

 あ~とにかくやらなきゃ

 前向きに考えなきゃ、ファンタジー世界に来たら魔法と剣だよ

 伝説にロマンだよ、うんうん

 あ~ダメだ、頭で理解しようとしても

 納得できない、理不尽だよ

 神様、居るのなら今こそ

 出番ですよ、僕を助けて下さい) 




いつの間にか、眠りについたスカイは

空腹で、目が覚める

眼を開けるとため息を、つく





(現実だよな、分っていたさ

 キツイな~くそ)





スカイは、目から流れる涙を必死に堪えますが

涙がこぼれ落ちる

肩を揺らし涙を耐え、手で涙を何度もぬぐう


暫くすると、スカイは部屋にある

手鏡を手に取り、自分の顔を確かめた




(少しは、落ちつけたし

 うん大丈夫大丈夫)

 


 


コンコンとドアがノックされ

ドア越しから、ルナが話しかける


 




「スカイ起きてるよね?御飯出来てるから

 ルナ特製の朝ごはんだよ

 早く降りてきなよ~」






スカイは、ベッドからゆっくりと立ちあがる






「はい、直ぐ行きますルナさん」


 




スカイが、階段を下りると既にミラが席に座っている

ルナは、テキパキと食事を用意する

スカイの姿を見て、ルナは手招きした




「どうぞどうぞ、座って今日は特別だからね」





スカイが椅子に座ってから

その様子を、ずっと見ていたミラが杖を何処からともなく

取り出し、スカイの肩を軽く叩く





「安心しなさいなスカイ、私は見た目より弟子思いだし

 君を何時か、元の世界に戻してあげるから?」

「なんで疑問形なんですか、ミラさん」


「嘘は、つけないんですよスカイ」


何時のまにか、椅子に座っていたルナが

スカイの手を、両手で包みこむ




「ミラさんは、ウソはつかないから安心してよ

 弟子思いだから、大丈夫安心してね」




「はい、お二人ともこれから宜しくお願いします

 それと励ましていただいて有難うございます」


「素直な事は良い事です、スカイ

 素直に感謝の言葉が出るのは、スカイの素晴らし才能ですね」




ミラはルナに視線を向ける


「うんそうだよ、泣きたかったらお姉さんの所にきなさい

 私も、悲しい時はミラさんのお部屋に行ってるしね」





「考えておきますよ、ルナさん」




「さあ、食べましょう食べましょ

 今日は豪華ですからね、ミラさんスカイ

 自信作だよ、ではいただきます」





凄い勢いで、ルナは食事を始めます





「スカイ、食べなさい無くなるわよ

 ルナに全て食べられてしまうわ」


「そうですね、ミラさん」

有難うございました

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