スカイ、砂漠へと向かう
スカイは、日が既に上がった時刻に目を覚ますと
ベッドから立ち上がり、クローゼットから黒いローブを手に掴むと
肌着の上からローブを被る
胃があるであろう、腹部を上から手で押さえながら
スカイは食堂に向かうと
カウンターの前に立った
(早くお腹に何か入れないと、胃がむかついてきてしまった)
「すいません何時もの下さい」
スカイの目の前には、イモ中心の料理がトレイに並べられる
「スカイさん、何時ものですよ
イモシャーベッドの新作ですよ、どうですか?」
スカイは、グラスに綺麗に盛り付けたれたシャーベッド
の香りを嗅ぐ
「良いですね~食感も良さそうです
上手く調理しましたね」
「それほどでもありませんよスカイさん、一口食べてみて下さいよ」
スカイは、スプーンで一口シャーベットを口へ入れると
イモの香りが鼻に抜け、口の中にイモの甘みが広がる
「良いですね、素朴な甘みと香りが
堪能出来ましたよ、有難う」
スカイは、トレイを持つとテーブルへ向かい
食事を始める
(何時もの味だ、落ち着くな~
シャーベッドのシャリシャリ感が良い)
スカイが食事をしていると、組合職員が急いだ様子で
耳元に小声で声をかける
「了解しました、直ぐに向かいます」
職員が足早にその場を立ち去ると、スカイはスープをカバッと口に
流し込むと、トレイを持ちカウンターへと置くと
階段を駆け上がり、医務室のドアを開けると
トーマス主任が、出迎えた
「スカイ様、早速治療をお願いします」
「全力は尽くします」
スカイは、魔法陣の中央に横たわる人影を出来るだけ
視界に入れない様に、魔法陣を指先で触れた
魔力を一点に集中しながら、少しずつ放出させる
魔法陣は、光り輝き魔力の渦が患者へと巻きつくと
スカイは、患者の状態を確認する為に
魔法陣の中央に進み
顔にかけられていた布を、取り去ります
青白い顔が、目に入るが
既に呼吸をしており、状態は安定している
「トーマスさん、この方の致命傷は何だったんですか?
普通の症状では、無いですよねどう見ても」
「流石ですね、スカイ様
邪気にあてられたと、私は見ております
ザラク砂漠へ調査に行ったと報告を受けています
そこで、スカイ様非常に申し訳ないのですが
今日も宜しくお願いします
場所は、始まりの神殿と呼ばれる
今は残念ながら荒廃した、神殿跡です
帝都から西にある、ザラク砂漠に在りますスカイ様」
「直ぐに向かいます」
「お気をつけて下さい、スカイ様」
スカイは医務室を出ると、工房兼自宅に急いで戻った
クローゼットを開けると、頭部全てを覆うローブを着こみ
無造作に、水や保存食を皮の鞄に入れると
肩から斜めに掛け、しっかり固定すると
階段を駆け下りた
スカイは、組合の少し広い敷地に出ると
魔力を漂わせ体全体を覆い
スッと上空へと飛び上がり、そのまま西に飛び去った
スカイは、帝都上空を飛び去り
暫くすると、ザラク砂漠の上空を滑走するように空を移動する
スカイは上空から、砂に埋もれた建築物を目視すると
地上へと降り立つ
(魔力を結構消費したな、まあ緊急事態だからな今回は)
砂に埋もれた石段を見つけると、歩みを進め
うす暗い洞窟へと、向かう
足元の石段は、長い年月により損傷が目立ち所々
石段が欠けていた
スカイは、更に歩みを進めると大きな石像群が目に入る
目を奥へと向けると、沢山の石像が規則正しく整然と立ち並ぶ
スカイは、石像を横に見ながら奥へと進む
大きな祭壇前に着くと、黒い霧が渦巻いているのを発見した
スカイは、魔力を全身から漂わせると
長剣を構成し始める、スカイは魔力が刀身全体を激しく
唸る長剣を両手で持つと、加速しながら黒い霧へと
突進した、魔力の大半を刃へと集中すると
より刀身が光り輝き、魔力が集束し刃は赤く変化した
スカイは、素早く水平に突き抜けるように
黒い霧へと刃を滑らせると、黒い霧はスッと四散し消え去った
スカイは、膝をつき呼吸を整える
(頭がクラッとするな)
突如、大きな石像群が大きな音をたてながら崩れさる
崩れ去った石像の中から、人造戦闘魔道人形が姿を現し
スカイに向け人形群が、殺到する
(さっきの魔力の影響で作動したのかよ
面倒だな、人造だから現代人にとっては抵抗があるな
撃退するのは、あの人間の容姿では)
両手に短剣を構成したスカイは、迫りくる人形へ
加速し突進した、両手の短剣に雷を這わせながら
攻撃を仕掛ける人形を、薙ぎ払いながら
入口へと向かう、広い神殿内の廊下を滑走し
階段を一気に飛び上がると両手を構え
階下へと雷群を放出させた
うす暗い神殿内部が一瞬明るくなる
スカイは、外へと出ると既に夜が明け太陽の強い光が
注いでいた
(朝かもう、疲れるよな何時間居たんだよ暗闇に
流石に昼間は熱いな砂漠は、流砂もキツイな)
スカイは、意識を集中すると組合の塔へとラインを
繋げると、転移魔法を発動した
組合1階の事務所にスカイは、転移し床へと立ちおりた
「スカイ様、お帰りなさいませ」
「トーマスさん、何とか戻りましたよ
魔道人形が、大量に現れたんで神殿内部は酷い
様子になってますが」
「そうですか、よく御無事で
暫くは、神殿内部は立ち入り禁止になるでしょうね
そうでした、スカイ様が治療した方は意識が戻りました」
「そうですか何よりです」
スカイ日記抜粋
目が覚めると、お昼は既に過ぎていた
早めには起きたいんだが、実行は難しい
胃酸が出過ぎてるようで、何かお腹に入れておくか
直ぐに食堂へと向かった俺は、何時ものメニューを
やっぱり食堂での食事は、落ち着くな
何となく、工房とは違い、何でかな美味しく感じるな
食事をしていると組合職員の人が
血相を変えて来た、トーマスさんが医務室で待っているらしい
俺は急いでスープをお腹に流し込むと、階段を駆け医務室へと向かう
トーマスさんが部屋の中で待機して、治療を頼まれる事に
医務室中央の魔法陣に人影が、横たわっていた
直ぐに俺は、魔法陣へと触れると魔力放出を慎重に始める
魔法陣がより光り輝き、患者へと収束したのを確認した俺は
魔法陣中央へと、向かい患者の様態を確認した
顔にかけてある布を取り払うと、血色が戻っていたので安心したのだが
極度な衰弱の理由をトーマスさんに聞くと、邪気らしい
流石に素早い対策が必要らしいので、邪気の発生場所
ザラク砂漠の神殿跡に、急ぎ急行することに
俺の一番の理由は、患者さんの裸体を見てしまったからだ
魔法の効果を確認しようと、布を捲ったら上半身というか
全身に何も、身につけていなかったからな
まあ、薄々彼女が魔法陣に横たわっていた時に
分かっていたんだがな、あれは魔法の効果を確認しただけだ
治療行為を確認しただけなんだ、鎖骨から胸に視線が固定したが
直ぐに、誤魔化すようにトーマスさんに症状を確認したから
不自然では無いな、名残惜しかったが直ぐに医務室を去ったからな
まあ、かなり精神力を消費したが
モヤモヤ感を解消する為に、帝都からザラク砂漠へ一気に飛行したら
スッキリしたが、上空で石跡を発見し降り立つと目的地に運よく到着
うす暗い神殿内部へと、進み祭壇前に黒い霧を発見すると
長剣で一気に、消滅させる事に成功したんだが
何故か、神殿の長い廊下に並んでいた大きな石像が崩れ
魔道人形が、起動してしまい俺は薙ぎ払い逃走する事に
人造魔道人形だったから、結構怖かったな其れにうす暗かったし
何とか地上に出て、組合に戻りトーマスさんに報告したら
俺が治療した方は、意識が戻ったそうだ
少しだけ罪悪感があるのは、意識が無い彼女の裸体を
しっかり見てしまい、脳に深く記憶してしまったからなのだろうか
有難うございます