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鍛冶屋に憧れる

「スカイ様、何を用意いたしましょうか?」


魔術師、魔道師組合1階事務所で

スカイは食材を、購入していた




「イチゴと干したレーズンと砂糖を下さい

 イチゴは多めに」




組合職員は、魔法陣の上にスカイが注文した

食材を置くと、魔法陣を発動させ

スカイの工房に転移させる




「スカイ様、毎度有難う御座います

 料金は、スカイ様の商品売り上げから差し引いて宜しいですね」


「はい、何時もの様にお願いします」


スカイは、4階の工房兼住居に戻ると

早速棚を開けると、大きく重い大鍋を


手前にまず引き寄せ、腰を落とすと両手で大鍋を抱えるように

棚から取り出した




火にかけサッと水を入れ沸騰させると

スカイは、イチゴを流水で良く洗い

イチゴを板の上に置くと細かく刻みこみ

大鍋へと、入れる




数分炒めると、砂糖を入れ

ゆっくりと丁寧にかき混ぜる




工房には、甘い匂いが充満する


スカイは、工房の隅に在る箱から

ミレー湖の原水が入った瓶を取り出し

大鍋へと、注ぎこみながら煮込んでいく




十分に煮ると、イチゴだけでは二瓶程量の量なので

干したレーズンを加え嵩を増す


更に蜂蜜を加え、甘さを加えるとよくかき混ぜる

火を止めると、香りづけにオレンジを絞り


最後に、スカイは大鍋の上から魔力を均一に注ぐ


スカイは、大きめの瓶を数個用意すると

作業台の上に並べ


魔力を指先へと集めると、低温の炎を構成し瓶を炙り

殺菌消毒すると、大鍋の中にある

イチゴジャムを、鍋底に残らないように

へらを使いながら、瓶の中へ注ぐと


レーズン入りのイチゴジャムが、完成した




(見た目もまあ、見れない事はないな)




スカイは、保存庫からパン生地を2枚取り出す

バターを少し大鍋へ入れ、火にかけた


生地を少し離しながら、鍋に並べ

軽く生地に色が変わると、食器棚から大皿を取り出し


その上に、焼き終えた生地を置く

砂糖と蜂蜜を円状にかけると、ホットケーキが完成した



(イチゴジャムの風味が有り、良い感じで完成したな)


スカイは、完成したジャムを作業台から

玄関前の台へと、置いていると


丁度スカイの作品を回収しに来た、ラミアと会う


「スカイさんこんにちは、何か良い匂いがしますけど

 何を作ったんですか?」


「つまみを作ってまして、折角なんで

 もし宜しかったら、どうぞ」




スカイは、工房にラミアを招き入れた

「ホットケーキですね、美味しそうですね

 一口だけ良いですか?スカイさん」


「どうぞ、あ~お仕事中ですね

 すいません」




スカイは、ナイフで一口サイズにホットケーキをカットし

ホークに刺すと、ラミアの口へ差し出す


ラミアは、口を開けゴクッと飲みこむ

「美味しかったです、スカイさん

 時間が有る時に、またお相手してくださいね

 失礼します」

「すいません、呼び止めてしまい」


慌ただしくラミアは、荷台を押しながら出てく


スカイは、暫く真剣にホークを見つめると

洗浄ボックスに、ホークを入れた


スカイは、間食を食べ終えると

布袋から、鈍く光を放っている魔石を慎重に一つ取り出すと


工房の床に、魔石を中心に置くと魔法陣を描く

スカイは、魔法陣に指を触れながら冷気を発生させる



工房全体が冷気に包まれ、更に魔力を込めると

氷の結晶が魔法陣を円状に包みこむ


魔法陣が光り輝くと中心に有る、魔石へと収束し

工房の冷気は消え去り、魔石だけが残った



(中々の出来栄えだな、初回だしこんなものだろう

 時間をかけて解説書読んだ甲斐があったな)




スカイは、氷系魔石を完成させると床に有る魔石を丁寧に手に持つと

魔石専用収納箱に納めた




スカイは、工房の窓を全て開けると

肌着だけになり、頭には吸水性が良い布を巻きつける




グラスを手に持ち水を注ぎ、塩を一握り掴むと口に入れると

水で流し込み、型を作業台の上に乗せると

黒光りする鋼鉄を、スカイは魔力を込めながら型へ押し込んだ


型から取り出すと、ハンマーで叩きこみ強度を増していく

暫くすると、また型に押し込む




スカイは、額に汗を浮かべながらハンマーを叩く

工房には、カンカンと鋼鉄を叩く音が響いている


(型が有って良かったな、素人じゃ絶対出来ない作業だからな)


数時間ハンマーを叩き続けると、スカイは作業を終え

最後に、型に収めると慎重にハンマーで型から取り出した


次にスカイは、桶に水を溜めると砥ぎの作業を始める

平らな黒鉱石の上に、刃を這わせるように滑らせると

魔力を指先から刀身を覆うように包みこむ



十分に、刃を砥ぎ終えると桶へいれ汚れを落とすと

刃を確かめる、漆黒の刀身に

漆黒の刃には斜めに帯状に波が映えるように紋様が浮かび上がる




(カッコイイな、これなら高く売れそうだな美術品と

 してもいけるかも)



スカイは完成した長剣を布で拭くと、箱へと長剣を納めた

暫く体を休めると、浴室へと行きシャワーを浴びると

スカイは、疲れで直ぐにベッドで眠り始めた



翌日スカイは、既に夕方になる時間に起きると

魔石と長剣が入った箱を持つと1階の組合事務所に向かう




「すいません、納品に参りました」


「スカイ様、新作ですね

 では早速、拝見させて頂きます」




組合職員は、スカイから魔石と長剣を受け取った




「素晴らしい出来ですね、そうですね

 魔石は、金1000枚で引き取ります


 氷系魔石は需要が高いんですよ

 耐性を持つ生物は、少ないので使用しやすいんですよ


 そうですね、長剣はオーソドックスですから

 この出来なら、美術的価値も有りますから

 金700枚で宜しいですか?」





「お願いします」


「長剣に関しては、価値が跳ね上がる場合もありますから

 まだスカイ様の、お名前が知られてませんから

 良い物でも、値段が低くなってしまいますので」




「そうなんですか、じゃあ期待しときます」


(長剣は、手間がかかる割に高く売れないな

 事前にチェックしとけば良かったな


 名前ね~何本か作らないと広まらないよな~

 まあ、誉めて貰ったし悪い気はしないよな

 例えリップサービスでも)










スカイ日記抜粋







俺は、1階組合の事務所で

イチゴと干したレーズンと砂糖を購入した


ジャムを作る為に、唯のジャムでは無く

健康増進ジャムを作ってみた




見た目は、普通だったかな


大鍋を出して、直ぐに仕舞うのも面倒なので

大鍋で、パン生地を焼くと皿に盛り付け砂糖と蜂蜜をかけると

ホットケーキを、完成させる




そして完成したジャムを、玄関前の回収台に置いていると

ラミアさんと、偶然合ったので


ついでに、ホットケーキを勧める事に

彼女も、甘い匂いがして食べたそうにしていたので


しかし急いでいるようなので、ホークで刺すと

ラミアさんに、差し出した




彼女は、一口だけ食べると急いでいたようで

直ぐに行ってしまったんだが




俺の手には、ラミアさんが口を付けたホークが残る事に

俺は、口へホークを入れ舐めまわすという衝動に駆られると


ホークを持つ右手を、左手で押しとどめると

冷静に思考を始める事に、この一歩を進めると

犯罪者への道を突き進んでしまうと




あくまでも、紳士としては直接的接触はタブーであると

考えているのだ、ただし妄想と偶然目に入る女性の姿は

紳士としてはセーフだと




しかし、ホークを舐める行為は紳士の行動から外れるのだと

俺の理性が、訴えるのだ


本能と欲望という、熱い衝動に駆られた俺は

理性という正義の剣で、本能と欲望を薙ぎ払い



心の平穏を取り戻すと、手に持つホークを

洗浄ボックスに、静かに入れるのだった


そして、作業台の上に残った間食を食べ終えると

製作作業を再開した、魔石に氷の魔力を押し込む


これでこの魔石は、氷系魔石に特化するらしい

実に不思議だ、流石魔法が存在する世界だ



これで、魔力を僅かに消費するだけで

氷系魔法が使用できるらしい、魔石が凄いんだろうな


魔石を作るのは、大変そうだから遠慮したい

でも多分製作するんだろう、俺は




最後に俺は、メイン作業を開始した


換気を行うと、肌着だけになり塩分を補給すると

鍛冶屋の真似事を、やってみる




型にはめた鋼鉄を取り出して、ハンマーで叩く作業を

延々と続ける、最後には刃を砥ぎ終えると


美しい漆黒の長剣が、完成した




腕がパンパンに張っているが、この出来なら満足だ

高く売れる事を、願うだけだな





翌日に俺は、魔石と長剣を組合事務所に

持っていったら、長剣が労力の割には

安い金額だったのは、軽く残念だが



あれは自己満足で製作したから、納得しよう

大切に扱ってくれる、お客さんに出会う事に期待する

有難うございます

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