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氷竜

帝都中央病院での蘇生魔法を成功させた

その日に、トーマスはスカイに組合所有の

召喚魔法の魔道書を、渡した




翌日にスカイは、トーマスから借り受けた

召喚魔法の魔道書を熱心に読みこんだ



召喚魔法、異界からあらゆる生物、物質を召喚する

ただし、この世界に存在させる為には

召喚者の魔力を、膨大に消費し続ける


一時的ではあるが、この世に在らざる対象を呼び寄せる事を

目的とした魔法が、召喚魔法である


(使い難いな召喚魔法、どうするか)


スカイは、魔道書を読み終えると

壁にかかる鏡の前に立ち、真紅のローブを着込んだ




(派手だ、何時見ても

 まあしょうがない、ルナさんから頂いた物だし



 何気に、魔法耐性が高いからな

 今回は、そこが重要だしな)




スカイは、身だしなみを整えると

階段を下り、1階の事務所へと向かう



「すいません、修練所の使用申請に参りました」


組合職員が、スカイに使用申請書を差し出す




「こちらに、お書きください」


スカイは、書類を受け取ると使用目的などを書き込んだ


職員は、紙に目を通すと

奥の部屋から、鍵を持ちスカイに手渡す




「此方が、部屋の鍵です無くさない様にしてくださいね

 失くしますと、弁償していただきますご注意ください


 使用目的は、召喚魔法ですね

 十分お気をつけてくださいね、失礼します」

 



スカイは、鍵を持ち階段を下り

地下の修練場に向かう


スカイは、ドアの前に立ち鍵穴に鍵を差し込み

鍵を開け、重量感があるドアを開け放つ




室内は、広大な広さを誇る




(広いから、被害は出ないよな~

 じゃあ早速)




スカイは、目を閉じると体の中に有る魔力を活性化させ

手を伝い、前方へと魔力を集中させ異界への道を開いた




空間に、割れ目が開くと

空気が揺れ動き、大きな前足が出現した




そして大きな氷竜が、姿を現す




(出てきたか、本当に召喚されるとはな

 さて、氷竜はどう出てくるかな?


 穏便に済ませてくれると、いいのだが

 そうはいかない予感が、ビンビンとするな)




大きな翼の周りには、冷気が漂い

翼を動かす度に、冷たい風が巻き起こり

大きな口からは、常に冷気がはき出されている



大きなギョロっとした目が

召喚者であるスカイを、視界に捉えると

大きな口を開けるといなや、アイスブレスを放つ




広範囲に、冷気が籠り氷の結晶が広がっていく

スカイは、氷の壁を構成し結晶を防ごうとするが


鈍い音を発しながら、氷の壁を真っ二つに割ります

氷の破片が、飛び散った



(俺のアイスプレスの、威力と違いすぎるな

 流石に本家の氷竜だよな)





氷竜が、突進してくる


前足をスカイに、振り落とす

風圧が、床を叩きつけた




スカイは、振り落とされる氷竜の前足をかわし

懐に潜り込み、腹部へと数十発もの拳を放ち続る


徐々に、後退していく氷竜に

スカイは最後に、腹に重い蹴りを撃ち後方へと

吹き飛ばす、氷竜は倒れ込むと首を地面に付け

降伏の姿勢をとる




(終わったか~撫でないといけないよな

 噛むなよお前)




スカイは、近ずくと氷竜の頭部をゆっくりと撫でた


(案外普通に、触れる自分が怖いよな

 慣れとは怖い物だ)




大きなギョロとした目で氷竜はスカイと視線を合わせた


「宜しくな、また会おうな」


スカイは、魔力の放出を止めると

目の前に居た、大きな氷竜は消え去る




スカイは、膝を床につけ

荒くなった呼吸を整えた




(立ちあがれないぜ、まったく

 魔力を使い切って気絶とか、俺は出来ないだろうな


 そんなに、簡単に気絶が出来たら

 どんなに楽か、まったく)





数分スカイは、その場で休息を取り修練所を出た

鍵を、事務所へと返す




「あの~修練所鍵の返却に参りました」


奥から組合職員が出迎える


「スカイさん、御無事だったんですね

 その様子だと、召喚魔法は成功ですね

 何を召喚したんですか?」





職員は、身を乗り出しスカイに聞いてくる


「氷竜です、本当に危ないですよね

 召喚魔法は、ビックリしましたよ」


職員は書類を手に持ち、スカイの情報を書き込んでいく


「ご協力有難うございます、正式に文章にして記録として

 魔術師、魔道師組合に申請しときますね


 お疲れさまでした、スカイ様」








スカイは事務所を後にすると、階段を上り食堂へと向かった


何時ものメニュー、何時もの席に座り食事を始める

ナイフで蒸かしイモを、縦に切るとフワッと湯気が

立ちのぼり、甘い香りがスカイの鼻を刺激する




(いつもの味だ、口に広がる甘い味に

 飲み物が欲しくなる、食感だ)




何時ものように、トーマスがスカイの正面に座る




「スカイ様、お食事中失礼します

 今回はお伝えしたい事柄が有りまして参りました


 魔術師、魔道師組合認定の

 薬師と蘇生師にスカイ様は認められました


 その認定理由は2つあります、スカイ様が実際に精製された、

 魔法薬は、実際に市場に出回っておりますし

 効果も認められています


 そして、帝国中央病院での蘇生魔法の成功です

 これが大きな理由となりました


 組合史上初の薬師。蘇生師、同時認定です

 いや~素晴らしいですスカイ様 


 丁度、蘇生魔法を成功出来ましたので

 申請いたしました、タイミングが良かったですよ」



「有難うございます

 お手数おかけします、トーマスさん」


「これが私達、組合の人間の仕事ですから


 今日は依頼は特にございません


 意外な顔をされますね、スカイ様

 今日は御報告だけですよ、


 召喚魔法に集中してくださっても構いませんよ

 では、失礼」




トーマスは、1階の事務所へと戻って行った


(表情に表れていたか、最近顔を合わせると

 依頼が多かったしな)


スカイは、食事を終えると

カウンターに居る、職員へ食器を渡す



「ごちそうさま、美味しかったです」


「有難うございます、スカイ様

 今日も全て、食べていただきまして

 有難うございます、作った甲斐がありますよ」


「美味しいですから、では明日も宜しく」






スカイは階段を上り、4階の工房兼住居へ帰る


部屋に入ると、最初に戸棚の一番下に置いてある

大きな大鍋を取り出し、火にかける



少し水を入れて沸騰させ消毒を行う


スカイは、工房の隅に置いて有る木箱の中から

魔術師、魔道師組合の敷地内で、湧いた硬度が高い水が入った大瓶を

数本取り出し、大鍋へとこぼれない様に丁寧に注ぎこんだ




大鍋を火にかけ、数分待つと

ボコボコと音を立て水が沸騰し始める


スカイは、円状に大鍋の上を魔力で覆う様にし

鍋全体に、均一に魔力を注ぎこむ


そして、より混ぜ込む為に

指先から、魔力を少しずつ放出させながら

沸騰している、大鍋へと指を付ける




(なるほど、身体強化の魔法を使用していると

 案外大丈夫なんだな)




スカイは、指先で大鍋をかき混ぜた

鍋の水が全て、水蒸気として蒸発すると

大鍋に、白い結晶が残る




スカイは、棚からハケを取り出すと

大鍋に付着した、白い結晶をハケを使い

瓶へと集め、今度は小さめの鍋を取り出し熱湯消毒を行う




結晶が入った瓶を、鍋の上で振りながら

鍋に少しずつ加え


弱火で火にかけ、湧き水を加えながら煮込む




最後に、強火にし一気に水分を飛ばし

残った白い結晶を、小瓶に詰めると

魔法薬の濃度を4倍濃縮した物が、完成した




(高く売れるかもしれないな、今度トーマスさんに渡しておこう)








スカイ日記抜粋






俺が帝都中央病院で、蘇生魔法を成功させた日に

組合の建物へと、何とか戻ると

トーマスさんから、召喚魔法の魔道書を借りうけたんだ




翌日に、俺は召喚魔法を実践する為に

体は重かったけど気合いを入れて起きあがった




ルナさんから、頂いた真紅のローブを着て

何気に、魔法耐性が高いから

魔法生物を、召喚した場合を想定して


俺が地下の修練所で、召喚魔法を唱えると

氷竜が異界から、出てきた




空間を、引き裂くように出て来た時は正直ビックリした

そしていきなり、俺に攻撃してきたんだよ


アイスブレスは、流石に本家と言う事もあり

俺のとは、威力が桁違いだった





何とか防いで、何時も通り

何故か接近戦に特化している、俺の戦い方で

氷竜を屈服させると、とりあえず異界に帰ってもらったんだ




召喚魔法はとにかく、魔力の消費が激しく

使いどころが難しそうだな、敵に囲まれたり


そんなに強くない、相手を一蹴する時には有効そうだ

氷竜が居なくなった、修練所で俺は倒れこんで

暫く、休憩して修練所を後にした




1階の事務所で鍵を返すと


組合の職員の人が、メモを取りながら

何を召喚したのか聞いてきたので

氷竜を召喚したと言っといた




凄い興奮して、カウンターに身を乗り出して聞いてきたな

男性の職員だったから、そんなに近ずいてきても困るんだけど


その後に、食事に言ったらまたトーマスさんに会ったんだけど

今回は、依頼では無かった




蘇生師と薬師に申請したら、組合で認定されたと聞いた

何か実感は、無いが特典はあるらしい


食後に、魔法薬を製作した少し魔力の付加を変えて

今までの魔法薬の4倍の濃度を製作した



トーマスさんに折をみて渡しておこう


製作出来た量に、ついてはやっぱり

製作者の腕によって、ランダムで変わるようだな


もっと俺の、魔力総量が多くなり

魔力付加の腕が上がれば、一回の製作での完成量が増えることだろう

有難うございます

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