第5章/カン違いはケンカのもと
ごめんなさい!!多々事情がありまして更新が遅れてしまいました、結構急いで書いたので誤字脱字や変な言い回しなどがあるかもしれません!見つけたら指摘お願いします。
それではどうぞ!
~Ⅰ~
メルティッド大陸南部聖王国ハウリ領交易都市ペターニ周辺
ここは私たちが暮らす現代世界とちょっと違った世界。普通だったら行けないけど私、風見 疾花はとある理由でこっちの世界へ来てしまった。その理由とは世界を救うこと。もとの世界に帰るため、そして世界を救うために旅に出た私とクロードさん、エステルさんたちは第一の目的地ゼピルム共和国へ向かうため、飛空艇の発着所のあるガリア王国を目指していた。いまは王都マズルハからガリア王国との間にある最後の街、交易都市ペターニにいる。マズルハからペターニまでは自走車が走っていたがここからガリアの間は中原と呼ばれるどこの国家にも属さない中立地帯でどこの国の自走車も走っていないそうだ。そのためペターニからガリアまでは徒歩で行かなくてはいけない。そのため今はペターニで食料などの買い出しをしているところだ。
「さて、だいたいのものは買ったしどうしようか?」
「少しどこかで休憩していかない?今までずっと歩きっぱなし乗りっぱなしで疲れたじゃん。」
「あ、いいですね。賛成です!」
「まあ、時間もあることだし、いいか。どこに行く?」
どこで休むか決めるべくしばし私たちはまた歩くことになった。結局1時間ほど歩き回って、食事を兼ねて酒場へ入った。中では昼間だというのにおじさんたちがバカ騒ぎしながら酒を飲んでいた。仕事しろよ、オヤジ共・・・・・。なんて面と向かって言えるハズもなく、横目で見ながらカウンターに座る。メニューを見るとそこには軽食類やアルコールの入っていない飲み物もあるみたいだ。その中から適当に注文し、料理が出てくるのを待つ。それから一通りの食事を終えてカウンターに座りながら雑談を始めていた。
「ねぇクロード、ゼピルムにいってもさぁ聖魔王様に会えるの?」
「普通だったら無理だろう、あそこは結構秘密主義だったりするからね。きっとハウリからの使者ってことが証明できれば会えるだろうけど・・・・・」
「そりゃあ無理ね。どうしよっか、今から戻ると半日近く足止め食らうわよ?」
「あの、ハンニバルさんに頼むことってできませんか?ほら旅に出るときに何かあったら連絡しろっていってたじゃないですか。」
「そっか!郵便局で伝書鳩を借りて連絡すれば「ぎゃははははははは!!」じゃん!」
「あー、今なんていったの?」
「だから伝しょ「はっはははっははは!!」だって。」
「周りがうるさくってよ「ぎゃあああああはははは!!」。」
酒を飲んでいるオジサンたちの笑い声がうるさくとても話ができる状況じゃない。クロードさんは仕方なさそうな顔をしているがエステルさんはすでにキレそう。まぁ実際私も相当頭にきている、だからといって文句を言うわけにもいかないのでガマンしていたけど残念ながらエステルさんはガマンできなかったようだ。
「ちょっと、オッサンども!ぎゃーぎゃーうっさいんだよ!!騒ぐんだったら外でやってくんない!?」
「あぁ!?何だと!てめぇまだガキだろ、ママのところへ帰ってミルクでも飲んでろ!」
「な、なんだとぉ!!お前今すぐ表に出ろ!」
「ハッ、おもしれぇ!傭兵にケンカ売ったこと後悔するんじゃねぇぞ!」
「上等だ!!騎士に刃向かったこと後悔させてやる!!」
あーあー、ケンカになっちゃった・・・・・クロードさんを見ると「またやってるよ・・・・」みたいな顔をして頭を押さえていた。ってそんなことしてないで止めなきゃ!!そうしているうちにまた違う方向に話が進んでいく・・・・・・。
「騎士ぃ?お前が?」
「そうよ、何か文句あるの?」
「ぷっ、ひゃぁはははっはははははは!!お前みたいなガキが騎士だぁ?はっはははは!!お笑いだな、なぁお前ら!」
「っく!」
リーダーのようなオッサンがテーブルに座っているほかのオッサンに問いかけるとそこからも笑いが起こる。なんかカチンときた、あのとき遺跡で私を助けてくれたのは彼女だ。それを馬鹿にされるのはイヤだった。
「やめてください!エステルさんは立派な騎士です!!」
「ハヤカちゃん・・・・・」
「だったら証明してみろ。そうだな・・・・・最近この辺りで盗賊が出てるんだ、そいつらを4日以内に捕まえてみろ。そうすりゃ騎士だって認めてやるよ。」
「わかったよ、やってやろうじゃない!!」
「ちょ、ちょっとエステル!?」
「うっさい!アンタは黙ってなさい!!それとも、盗賊の被害に苦しんでる人たちを見捨てる気!?」
「それは・・・・・・・。」
「へっへへ、じゃあ決まりだな。今から4日目の日の出までだからな~。せいぜい頑張れよ、お嬢ちゃん。」
そう言ってオッサンたちは酒場から出ていった。傭兵だかなんだか知らないけど私たちにケンカ売ったことを後悔させてやる!怒り心頭の私たち(怒ってるのは私とエステルさんの2人だけたけど)にカウンターから酒場のマスターがおずおずと声をかけてきた。
「お、お嬢ちゃんたちあいつらが何者か知ってるのかい?」
「知らないわよ、成り上がりの傭兵風情でしょ?」
「知らないなら教えてあげるけど、あいつらはこの辺じゃ有名な〈ブラックハウンズ〉っていう傭兵団だ。ペターニの騎士団も一目置いている奴らさ。」
「じ、じゃあ僕たちはそんな奴らにケンカ売ったってことですか!?」
「そうなるな。」
「何よ!怖じ気づいたの!?」
「そうじゃないけど・・・。」
ここでうだうだしていても仕方がない。酒場から出て街の中心部にある騎士ギルドへ向かった。街はなかなか活気づいていたけど商店街の露店にはほとんど品物が並んでいなかった。きっと盗賊の影響があるんだろうな。騎士ギルドに着くととある張り紙があった。『しばらくお休みします。』、と・・・・・・。
「ふっっっっざけんなっっ!!!!休みってどーゆう了見だゴラァ!!開けんかいボケェ!!」
「エステル、言葉づかい変わってるよ・・・・。」
「何で休みなんでしょうか?」
「おや、あんたたち。街の外から来たのかい?」
騎士ギルドの前で立ち往生していると近くを通りかかったおじいさんが声をかけてきた。
「どうして休みなのか知ってるんですか?」
「どうやら最近出ている盗賊どもに手を焼いているみたいでな、ついこの間すこし遠くまで遠征にいったみたいなんだ。」
「そっか~、じゃあ聞き込みでもしてみる?」
「そうだね。ここにいても仕方ないし。おじいさん、ありがとうございました。」
「いやいや、お礼をしてもらうほどのことなどしていないよ、それじゃあ。」
おじいさんと別れ、街の中をうろつきながら盗賊の情報を集めて回った。その結果、ガリア方向から来る運送用自走車や馬車がよく狙われているそうだ。まだアジトは割れていないそうだがだいたいの予想はついているらしい。ペターニの騎士団は傭兵たちに協力を募り、そこを一斉摘発するべく2日前に街から出ていったそうだ。私たちも独自の調査をするため宿屋で一泊して翌日、ガリア方向の中原へ向かった。
~Ⅱ~
メルティッド大陸南西部交易都市ペターニ~ガリア王国間中原
街で得た情報を元に昨日の夜のうちにクロードさんが作ってくれた地図を見ながら事件現場を回ってみるが成果は全く無かった。ってちょっと探した程度でしっぽを出すようならもう騎士団に捕まってるかー。結局何の手がかりも得られず1日目が終わった。歩き疲れて宿屋に帰ってくると、ある興味深い話を聞く。盗賊はよく東の方に広がる森から出てくるらしい、と。昨日の情報ではペターニから半日ほど歩いたところにある廃村にいるって聞いたけどそっちにはいないみたいだ。それに盗賊が出没する時間帯は午前6~8時までの間らしい。2日目はその時間に合わせ、街を出た。すると道から少し外れたところに壊れた馬車が横たわっていた!
「これは酷い・・・・。」
「クロード、中に人はいないみたいだよ。」
「殺された跡は無いみたい、きっとさらわれたんだろうな。ハヤカ、魔術で何か分かる?」
「ちょっと待ってください。・・・・サーチ!」
壊れた馬車に手をかざし、詠唱無しで探索魔術を発動させる。馬車を襲った連中が数人、東の森の方へ逃げていくのが見えた。やっぱり情報通り、盗賊どものアジトは東の森にあるみたいだ。
「わかりました。あいつら東の森へ逃げていきました!」
「お手柄~!じゃ早速乗り込んで叩きのめしに行きましょ!」
「ダメだよ。まだ相手の戦力がどれくらいか分からないじゃないか。」
「うっ・・・・・それは・・・。」
その場で作戦会議を行い、今日は偵察をして襲撃は明日にすることに決まった。と、その時
「ッ!ハヤカ、危ない!!」
「ふぇ!?」
突然クロードさんが抱きついてきた!次の瞬間、どこからともなく飛んできた銃弾が馬車の壁に小さな穴を空ける!
「あぁ~、避けられた~!」
「いや上出来だ!一気に決める!」
近くの茂みから出てきた謎の二人の男女が襲いかかってきた!どうやら銃を撃ってきたのは後ろにいる小柄な女性だろう、もう一人の男性が腰から剣を抜き、ジャンプしてこちらに斬りかかってきた!
「くっ!!」
ガキンッッ!!
クロードさんが咄嗟に抜いた双剣でなんとか攻撃を防いぎ、謎の男性は再び後ろへ飛び、距離をとった。私たちも立ち上がり戦闘態勢へ!!
「エステル!」
「わかってる!ハヤカちゃん!」
「はい、イリス!」
「了解。出でよ、『外側の神』!!」
イリスの声と同時に虚空から一冊の本が現れる。それを掴み、剣をイメージし、剣のページの起動キーをなぞり出てきたインフェリアソードを構える!
「い、いきなり何すんのよ!危ないじゃない!」
「そうですよ、いきなり攻撃なんてヒドイです!」
「盗賊風情がギャーギャー騒ぐな。リ、おまえはあのちっこいのをやれ!俺は二刀流ともう一人の女をやる!」
「はぁーい、了解!!」
「え・・・・ちょっと待ってくれ!僕たちは」
「問答無用!!行くぜ!」
後ろのエリと呼ばれた女性が銃を構え、私とクロードさんたちの間に連射してくる!おかげで二手に分かれてしまい私はエリさんと一騎打ちになってしまった。どうしようか、対人戦なんて初めてだし相手を傷つけないで倒せるほど強くないし・・・・なって考えてる間に向こうはガンガン撃ってくる。
「っく!」
「ほらほら、ちゃんと避けないと痛いよー!」
「わ、私たちは盗賊なんかじゃない!」
「じゃあ証明してみてよ、私を倒してね!」
これじゃ埒が明かない。服に弾が当たっても平気だろうけど生身のところはきっとダメ、相手が銃使ってる以上近接戦は出来ない。困った・・・・・。仕方ない、下級魔術で対抗するか。
「翔べ!フレアアロー!」
「え?魔術!」
手のひらから放たれた炎の矢はまっすぐ進み、彼女の銃を弾き飛ばす。銃を弾き飛ばされた衝撃で地面に倒れたエリさんとの距離をつめインフェリアソードを向ける。
「マ、マジ・・・・・?」
「話を聞いて、お願い。」
「エリッッッッ!!」
「うわっ!」
話をしようとしたら横からさっきの男性が剣を構えて突撃してくる。よく見ると構えた剣が刀であることが分かった。いくらこの服でも刀で切られたらバッサリ行くだろう、咄嗟のことだったので避けることもできなかった。
「ハヤカ!」
「ハヤカちゃん!」
目の前に刃が迫った時、目の前に見えない壁が展開され、迫りくる刃を防いだ。
「な、何!?」
「はぁ・・・全く貴女はどうしようもなくビビりね。」
「イリス、どうして?」
「貴女に死なれちゃこっちが困るのよ。刀の貴方、悪いけど勝手に盗賊扱いしないでくれる?」
「いや、その、ほんとに盗賊じゃないんだな?」
「どこをどう見たらこの恰好が盗賊に見えるの?貴方の目は節穴?」
「あー、・・・・・・・・済まなかった。」
「・・・・ごめんなさい・・・・。」
なんなんだろこの人たちは・・・・・・・・・?
どうでしたか?新キャラ登場です。この二人は疾花たちと一緒に旅することになる仲間なのでもっと詳しく描写していきたいです。余談ですがこの二人は物語を書き始める前から登場させる予定でしたw
緊急!実は挿絵(疾花たちの顔)をキャラクター設定に乗せたいと考えています。もし、ヒマだからいっちょ書いてやっか。なんて親切な方がいらっしゃいましたら連絡ください!1月7日まで待っていますので連絡待ってまーす!!1
次回予告
ユーリとエリに盗賊とカン違いされた疾花たちだったがその誤解を解き、盗賊のアジトへ乗り込む。しかし、森には謎の結界が張ってあり出られなくなってしまう。脱出の方法を探すため奥に進むことに、そしてそこで疾花たちが目にしたものとは…………!?