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第10章/終わりのハジマリ

 

 残った私たちは今後のこととこの異常現象の原因について話し合うことに。

「ねえ疾花、このことの原因って何かわかる?」

「う~ん、正確にはわからないけど・・・・・・あのみなさん、世界樹ってあると思いまか?」

「世界樹ってあれだろ、空に浮かぶ伝説の大陸アルビオンにある神の化身のこと・・・だったけ?」

「陸、確証ないなら言わないで」

「うっせ、そんな細かいこと古すぎてもう覚えてないわ!」

なんか鈴と陸さんとの間でケンカが起きそうなカンジなんだけど・・・・。ていうか陸さん、見た目20代だけど実年齢一体いくつだよ?まあこの現象の原因を一番よくわかる人物がすぐ近くにいるんだよね~。というわけでイリスさん、よろしくお願いします!

(まったくテキトーね、構わないけど)

「あの、ちょっといいですか?」

「何、疾花?」

「今の状況説明できる人いるんで説明しちゃいますね。じゃあイリス、お願い」

「はいはい、じゃあちゃちゃっと説明しちゃうからよーく聞いててね」

三人はいきなり私の後ろからでてきたイリスに驚いたようだったがそのことについては追求せずイリスの話に耳を傾けていた。

 いやー肝が座ってるね、さすが伊達に長生きしてるワケじゃないみたいだ。とにかく説明をうけて三人とも納得したようだけどどうも浮かない顔をしている。そうだよね、いきなりこんな話されちゃ誰だって暗くなるよ。

「はぁ、まさか旧文明崩壊の時と同じことが起きてるなんて・・・・・・・・」

「思っていたより事態は深刻だったみたいだな、これではどうしようもない」

陸さんとレイナーさんがネガティブなことを口にする。そっか、二人は前の文明が崩壊した頃のこと知ってるんだよね。それじゃあ暗くなっても仕方ないか。

「あのイリスさん、解決する方法はないんですか?」

「それは簡単よ、根本的な問題である世界樹システムをこの世界から切り離せばいいんだから。でも今回のは事態が急すぎる、もしかしたら人為的に操作されてる可能性があるわ」

「じゃあ飛空艇か何かで浮遊大陸に乗り込めば・・・・!」

「残念、それは無理よ。今の技術じゃ浮遊大陸のある成層圏までは飛べないわ」

「そ、そんな・・・・・・・・」

八方塞がり。これじゃあどうにもならないよ、ならばなんで私なんか呼んだんだろう?

「あのさー、別に浮遊大陸にいけないなんて一言もいってないわよ?」

「え?イリス、どうすればいいの?」

「世界各地にあるゲート、つまり転送魔法陣を使えばいいのよ。今動くのは・・・・・・・・ハウリにあるやつだけみたいね、他のには何かおかしなプロテクトがかかってるみたい」

「なら決まりだね。聖魔王様、私たちはハウリに戻りそのゲートから浮遊大陸へ向かいます」

さすがクロードさん、行動が早い!早いところ片づけて平和にしなくちゃ、もちろん誰も悲しまないように!エステルさんもうなずいてるし、早速出発だ。

「おいおいちょっと待て、まさか三人だけで乗り込む気か?そりゃ無茶だぜ」

そう意気込んだところに陸さんが水を差す。もう!空気読めないひとだなぁ。

「いえ、後からあと二人合流しますの・・・・・・・」

「そういう意味じゃねぇよ。たとえ5人になってもおまえたちだけじゃ弱すぎて話にならないってことだよ」

なっ!今のはさすがにカチンときたな、いくら自分が魔人だからって人に向かって弱すぎるだの話にならないだのとかは失礼すぎるって!なんて言ってやりたかったけどとりあえずぐっと我慢したがエステルさんはそうも行かなかったようだ。

「どういうことですか!これでも私たちは72柱悪魔の1柱を倒したんですよ!」

「ちょ、エ、エステル、やめなってば!」

「うるさい!バカにされてまで黙ってられるか!」

「あ?初耳だな、それ。そんなことまで起きてたんか。まいいや、たった5人で悪魔を倒したのは褒めてやらないでもないけど、君たち5人はその倒した悪魔以上の力を持った連中何百体を相手に五体満足で帰ってこられる自信あるか?そういうことだ」

「そ、それは・・・・・・」

それっきりエステルさんは黙り込んでしまった。そりゃそうだ、あの悪魔一体を相手するのにあれだけ手こずったっていうのにあれ以上の相手を何百体もなんて、とても手に負えるはずがない。

「・・・・・・え~っと、何暗くなってんだ?おまえ等?」

「おまえが悪いのだろ・・・・。あんな脅しじみたことを言うからだ」

「そーだよ!今のはいくら何でもヒドイと思うよ」

「な、なんだよ!?俺は事実を言ったまでだぞ!?」

『それがいけないんだ(よ)!』

「うぐっ!」

う~ん?なんかまた話が見えなくなってきたぞ。一体何なんだ?

「あの、つまりどういうことですか?」

「陸の説明ではわからんだろ、私が説明する。つまりこういうことだ、君たちだけでは心許ないので陸と鈴様が同行することになっている」

な~んだ、そういうことだったのか。それならすごく安心だ、世界最古の魔人と仮とはいえ聖魔王をつとめている人が一緒にきてくれるなんて。ん?いや待てよ、陸さんが強いのは何となくわかるけど・・・・鈴ってほんとに強いの・・・・・・?

「ん?疾花、なんか私に対して失礼なこと考えなかった?」

「滅相もない」

そんな凄みのある笑顔で見つめられては正直に考えたことなんていえないよ。とりあえず強いってことにしておこう。

「また失礼なこと考えたよね?」

今度は無言で顔を逸らす。なんでことごとく思考が読みとれるんだ?魔人だから?まあそれはそれとして。私たちと陸さんと鈴はこれからハウリに向かいゲートとやらから浮遊大陸へ。レイナーさんはゼピルムに残り、ハウリとの連合騎士団とともに竜・魔物・自律機動兵器の討伐に。そう決まり、話し合いを終わりにしようとしたそのとき、会議場の扉が大きく開け放たれた。

「いやーすまねぇ、遅くなった!」

「ごめんなさ~い!」

なんとそこにいたのは別行動をとっていた残りの二人、ユーリさんとエリちゃんだった。ていうか二人ともよく入ってこられたな。

「おかえり、二人とも。用事は終わったみたいだね」

「ていうかあんたたちよく入ってこれたわね」

「ああ、衛兵のおっさんが覚えててくれてよ、そのおかげで入れたんだ」

ああ、そういうことか。以外といい人だな、あの衛兵さん。とりあえずここで話し合ったことを二人に教えると意外な答えが返ってきた。

「ワリィけど俺とエリはこっちに残るわ」

「え!ど、どうしてですか!?」

「俺はこっちのいたころは竜退治で稼いでたんだよ。だからワケわかんない連中相手より竜を相手にした方がやりやすいってワケだ」

「私もいつもユーリにくっついてやってたんで」

「そうか、それならこっちに残った方が賢明だね」

「二人とも、気をつけなさいよ。いくら慣れてるからって・・・・」

「おまえ等こそ、な」

そんなわけでユーリさんたちとはまた別行動になってしまった。でも心配する必要はないだろう、あの二人が強いことはよく知っている。だから信じよう、みんな無事に帰ってこられることを。


~Ⅳ~


 会議室でレイナーさんとユーリさん、エリちゃんと別れ、私たち5人は城の地下にある宝物庫へ向かっていた。陸さん曰く、出発の為に装備を整える、そうだ。長い螺旋階段を下り終えるとそこには大きな白い扉があった。その前で鈴が何か呪文のを唱えると扉の前に光る魔法陣が現れた。

「ねぇ、宝物庫ってこの扉の奥にあるんじゃないの?」

「残念、ハズレ。この扉は偽物だよ」

「本当の宝物庫はさらに地下にあるんだ、もし襲撃を受けてここにたどり着かれても代々紅鸞家に伝わる呪文がなきゃ宝物庫にいけないってわけだ。たとえ扉を壊してもそこは何もない空間があるだけだ」

ほへ~、まさかの偽物ですか。ここを作った初代の聖魔王様って頭よかったんだな。感心しつつ現れた魔法陣へ入る。すると一瞬、視界が真っ白になった後、さっきと同じような装飾が施された広い空間に立っていた。目の前には先に魔法陣に入った鈴と陸さんの姿があった。クロードさんたちも少し遅れてやってくる。それから二人の先導で奥へ進むとそこには綺麗に並べられた宝物(?)の数々。派手な装飾されたものはなく、どちらかというと地味なものばかりだったがそれらひとつひとつが荘厳な雰囲気を放っていた。

「さて、ここに来た理由ですけど。みなさんに強力な武具をお貸しします!じゃあまずクロードさん、どんな武器がいいですか?」

「え、それでは双剣とかありますか?」

「へぇ~二刀流ですか・・・・カッコイイですね!んじゃ陸、チョイスヨロシク!」

「結局人任せか・・・・構わないけど。・・・・・・・・これなんかどうだ?」

そういって陸さんが取り出したのは金と銀で装飾された一対の片刃の剣だった。どことなく刀のような雰囲気をした剣だな。

「神器【双極の魔神剣】。どんな能力かはわからないがとにかく一級品であることに変わりはないぜ」

「う~ん、他のはありませんか?」

「そうか、じゃあその辺にいっぱいあるから自分に合うもの探してみてくれや。次にエステルさん、あんたはどうする?」

「私、基本素手なんで。籠手とかありません?」

「確か防具関係はこっちにあったな。ついてきてくれ」

 クロードさんたちは陸さんと自分に合う武器を探しているので私は鈴と一緒に探すことに。そんなに器用じゃないからいつもよく使っている剣がいいと鈴にいうととっておきがあるというので鈴にくっついていく。そしてたどり着いたのは宝物倉の一番奥、そこには一本の白い剣が地面に突き刺さっていた。え?何この伝説的な雰囲気は?これ引き抜いたら王様になるっていう落ち?

「さ、抜いてみて」

「う、うん」

 いわれたとおりに柄に手を掛け、力一杯引っ張る。すると何の抵抗もなくすんなりと抜けてしまった。あれ?こんなに簡単に抜けていいものなの?普通もっと力一杯引っ張って抜けないけどがんばってがんばって引っこ抜く(ど根性大根的な?)みたいなドラマがあるんじゃ・・・・・・?

「ふふふついに抜いてしまったみたいねそれは絶対に抜けない伝説のけ」

「あの、棒読み丸出しだから。演技下手?」

「ははは、バレたか。まあいいや、それは『崩壊の神翼』。詳細は不明だけど強いんだって」

「そ、そっか。じゃあ戻ろ」

「うん」

 さっきの場所までUターンすると、皆さん武器を選び終わったようでそれぞれの獲物を装備していた。クロードさんは今までの剣の代わりに少し短めの真っ黒な双剣を下げており、エステルさんは銀色の籠手を装備していた。うーん、ビジュアルがいいと何でも似合うな~。

 それから城の最上階にある超長距離転送魔法陣で、ハウリの峰にある神殿へ移動することになった。結構急な話だったけどこっちの準備も万端、あとは乗り込んでおしまいにするだけだ。

「よし、全員はいったな。これからは全部終わるまでもうこっちには戻ってこられない。覚悟決めろよ」

「もちろん!」

「わかってます」

「覚悟なんてとっくに」

「これで終わらせます!」

「よっしゃあ!準備はOK、起動させてくれ!」

 すると足下が輝きだし、視界が徐々に覆われていく。さあ、終わりにしよう!誰一人悲しませずに最善じゃなくて、最高の結果で!!





 ここまで読んでいただきありがとうございました!!


 まだPCは逝ったままなんでネカフェやら何やらにいってこれからもがんばっていきたいので応援お願いします。

 あと、お気に入り登録していただいた方々、本当にありがとうございます!

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