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第7章/困った時は相談することが重要だと最近気付いた

 お久しぶりです。アイディアがなかなか浮かばず約一カ月近く投稿できませんでした。お気に入り登録していただいた方々には最大の謝辞を、そしてこの小説を楽しみしていた方々にもごめんなさい!


それではどうぞ!

 ~Ⅰ~

メルティッド大陸西部ガリア王国商店街


 ここはゼピルム大陸に渡るための唯一の手段である飛空艇の港がある街、ガリアン。そして今私は途方に暮れていた、なぜ?それは少し時間を遡らなくてはいけない…………


数時間前……

  

 私たちはガリアンに入ってから飛空艇のチケットを取りにガリアン中央駅セントラルステーションへと向かった。この国は農業と機械技術がメルティッド大陸の中で一番進んでいる国だ。現代世界よりは遅れているけどこの大陸で一番というだけあって機械技術だけで走る列車があり、金属で出来たビルのような高い建物まであった。ただ街を歩いている人たちの服装がファンタジー過ぎてなんかズレているような気がしたけど……まぁ、そこは何も言わないでおこう。

「あいっかわらずハデな街だな、ガリアンってところはさ。」

「そうだねぇ~、そういえばこの間来たときもうちょっと人が少なかったよね?」

「バカ、あれは平日だったからだよ。」

「二人ともここに来たことあるんですか?」

「ああ、俺たち東から来たからな。」

「え?じゃあ二人は東の大陸出身なのかい?」

「いいえ、私たちはゼピルム出身です。」

「じゃあ二人は里帰りってこと?」

それから他愛もない会話をしながらガリアン中央駅セントラルステーションの飛空艇係へと入っていく。しかしそこには予想もしない長蛇の列が出来ていた。みんな待つのが嫌だったので仕方なくジャンケン(こっちにもあるんだ……)をやって負けたクロードさんがしぶしぶ残り、勝った私たちはクロードさんとの集合場所を決めて街へ繰り出した。途中で私とエリちゃん、ユーリさんとエステルさんの二組に分かれて行動することに。私たちはまず街の南側にある商店街へ向かった。そこは各地から輸入された商品が並び、この間立ち寄ったペターニの市場とは賑わい方が大違いだった。きっと渋谷ってこんな感じなんだろうな~。隣をみるとエリちゃんもその人の多さに圧倒されたみたいだったが気を取り直して歩き出す。それから露店に並べられた珍しいものに私たちは目を奪われっぱなしだった。色鮮やかな見たことのない花、おもしろい格好をした置物、かわいいウサギみたいな動物、etc・・・・・・などなどいつまでも私たちの興奮はいつまでも冷めることはなかった。こんなこと、久しぶりだな。年の近い子と一緒に遊ぶのなんて。そんなとき、不意に私のお腹が鳴る。そういやそんな時間か。

「ねえエリちゃん、お腹空かない?」

「ん?そうだね~言われてみると空いたかな。」

「じゃあさ、何か食べにいこう。」

「うん、いいよ。なに食べようか?」

私たちは商店街の一角にある食べ物を中心に販売しているところへ向かった。そこはお昼時のせいか中心部よりにぎわっていた。おかげでテーブルに座るのがどれだけ大変だったか・・・・・・。ウェイトレスさんが持ってきてくれたメニューを開き、気になったゲバッケンインゼクトというのを注文する。値段は手頃で量もあると言っていたのでとりあえず。エリちゃんは焼いた鶏肉をパンに挟んだもの(要するにサンドウィッチ)を注文した。料理がくるまで二人で雑談しているとエリちゃんがさらっと恐ろしいことを口にした。

「そういえばこのへんの地域って虫を食べる習慣があるらしいよ。」

「ええぇ~!嘘、ほんとに!?」

「うん、しかもバッタだって、考えられないよね。」

「い、いやそういえば私の世界でもイナゴっていうちいさなバッタ食べてたっけ・・・」

「え!じゃあハヤカも・・・・」

「いや、私は気持ち悪かったから食べたことないんだけど。」

話しているうちに料理が届いた。その、私が頼んだの、妙にデカくない?まるでコース料理のメインディッシュのみたいな蓋がかぶってるし・・・・・考えを巡らせているうちに謎の料理は目の前に置かれ、その姿を露わにした。

「「きゃあああああぁぁぁぁ!!!」」

でてきたのはなんと人間の頭ほどある巨大なバッタだった!!でかいうえに足はくっついてるし羽もくっついてるし、あああもう気持ち悪いぃぃぃぃ!!そのままイスから転げ落ち、涙目になりながらエリちゃんと抱き合ってウェイトレスさんに質問責めを食らわす。

「な、なななななんなんですか!これ!?」

「何って、ゲバッセンインゼクトですけど?」

「ババババ、バッタだなんて聞いてないです!!先に説明してください!!」

「も、申し訳ありません!すぐにとりかえます!」

「じゃあ、彼女と同じ物を・・・・。」

その後ウェイトレスさんから聞いたのだがゲバッセンインセクトとはこちらの方言で「焼いた虫」という意味だったらしい。結局あの

騒動で二人とも食欲が失せてしまったが注文した以上食べる事に。

(あははは!まさか貴女、あんなもの食べるつもりだったの!)

いきなりイリスが頭の中に話しかけてきた。珍しいな、いつもなら日常会話に参加しないのに、つーか笑うな。

(うっさいなぁ、知らなかったんだからしょうがないじゃん。)

(聞けばよかったのに。)

(うぅ、だからほじくり返すな!てゆうか珍しいね、日常会話に参加するなんて。)

(最近出番めっきり少ないから。このへんで登場しておかないと忘れ去られそうで。)

あ、そーですか、ご愁傷様です。そういや最初と戦闘の時くらいしかでてなかったっけ。なんか不憫だな。

(ほら早く食べおわしなさい。エリはもう終わっちゃうわよ?)

そういわれて止まっていた手を動かし残ったパンを口の中へ押し込み、水で一気に飲み込む。食事を終え、再度町へ繰り出した私たちはさっき見た雑貨屋へむかった。その途中でイリス(ミニサイズ)も話の輪に入っていろいろと服やバック、アクセサリーなどを選んだ。やっぱりイリスも女性なので相談にのってくれるのがうれしかった。それから時間めいっぱいまでその店で過ごし、私はかわいい肩掛けカバン、エリちゃんはペンダントとリボンをいくつか買い、集合場所の広場に向かった。

そこには広場の真ん中に置かれた噴水にぽつんと寂しそうに座っている男性が一人、クロードさんだ・・・・・なんかかわいそう。近寄りがたい雰囲気を醸し出していたが声をかけないわけにもいかないので近くへいく。

「クロードさん、クロードさん。」

「ん?ああ、ハヤカとエリか。もう時間かい?」

「うん、そろそろユーリたちも戻ってくるんじゃない?」

「そっか、じゃあ一足先にチケット渡しとくね。」

クロードさんが二枚の紙をさしだす。それを受け取りよく見るとそこには【8番ドック 19時発】と書いてあった。つまり今日の夜7時、8番ドックから出発って意味か。出発は夜、だいぶ時間あるな。そういえばまだ二人ともきてない、何やってるんだろ?そのとき、噴水の向こう側から聞きなれた声が聞こえてきた。

「あー買った買った、大量だ!」

「いや、流石に買いすぎでしょそれは?」

両手いっぱいに大きな袋を抱えたエステルさんとユーリさんがやってくる。袋の口からは大量の林檎がのぞいていた・・・・って二人ともどんだけ買ってるんですか!?絶対二人じゃ食べきれない量だよね!驚いている私を後目に二人はみんなに林檎を配り始めた。

「どれだけ買ってるんだよ、二人とも」

「いや実はさ、ちょうど店の前を通りかかったら安売りしててさ、つい!ね、ユーリ?」

「ああそうだ!ちょうど安売りしててな!」

「なんか、二人とも妙に意気投合してない?」

「エ、エリちゃんもそう思う?」

「こりゃー何かあったわね。」

「あ、イリスさんもそう思いますか?」

「ええ、あの様子じゃねぇー。」

それから二人にもらった林檎と飛空挺のチケットをバックの中に入れて暇つぶしの為、近くの喫茶店へと向かった。雑談を始めて1時間ほどたったとき、もらった林檎を食べようと私は足下のバックへ手を伸ばし、異変に気付く。

「あ、あれ?バックがない・・・・?」

「どうしたんだよハヤカ、そんな焦った顔して?」

「バ、バックがないんです!さっきまでここに置いてあったのに!」

「バックってさっき買ったヤツだよね?」

「うん。」

「ここ以外で下ろしてないなら、盗まれたって可能性が大きいかな。」

「ええぇ~!そんなー!!」

「マヌケね、貴女。」

「いや、私のせいじゃないよね!?」

「ねぇハヤカちゃん、もしかしてアレ?」

エステルさんが指さす方を見ると、そこには私の肩掛けカバンをくわえて路地に入っていく猫がいた。こうしてられない、早く捕まえないと!すぐに席を立って、猫を追いかけるが猫もそれに気づき走り出す。それから十数分、街の中で追いかけっこをするが結局逃げられてしまった上にみんなとはぐれてしまい、現在に至るってわけ。


 ~Ⅱ~

メルティッド大陸西部ガリア王国商店街


 何のアテもなくトボトボ歩いているうちに日は傾き、だんだん暗くなってきた。時間は5時半、あと少しで飛空挺は出発してしまう。チケットもバックの中に入っているのであの猫を見つけないことには飛空挺に乗れない。なんで無駄に突っ走っちゃったんだろうな、私・・・・・。後悔先にたたず、考えても仕方ない。ま、何事も一人で抱え込まずだれかに相談するべきだよね?

(ねぇ、イリス。何かあの猫を簡単に探す魔術とかないの?)

(う~ん、“探索”は対象物に触れてないといけないし・・・・・ちょっと待ってなさい、今探すから。)

そういってイリスは引っ込んでしまった。仕方なく私は引き続き自分の足で探すことに。それから1時間ほどして再度イリスがでてきた。

(疾花、見つかったわ。“感知”よ。)

(“感知”?)

(ええそうよ、“感知”は術式発動者を中心に半径500m、イメージした物体のおおまかな位置を知ることができる魔術よ。ま、かなり大雑把な位置しかわからないからあんまりアテにはならないけど、無いよりはマシね。あ、あと移動しながらは使えないから注意なさいよ。)

(おお、でかした!ではさっそく使ってみますか。)

道の真ん中で詠唱するのは恥ずかしいので人気の少ない路地に入り、あの猫をイメージしながら詠唱を始める。

「我を取り巻きし魔の光よ、我が望みしものを示せ。」

私の周りに光の輪が出来上がり、詠唱が終わると同時に輪が弾け広がっていく。すると頭の中に街の風景が流れ込んできた。しばらく探してみたけど、このあたりにはいないようだ。術を中断し、違うポイントに移動する。それから三カ所ほど回ったところで猫を見つけた!タイムリミットはあと30分、早く捕まえないと!大急ぎで猫のいた店の裏へ走る。しかし、そこについた時には移動してしまったみたいでいなかった。仕方なく“追跡”の魔術を使用して猫の後を追う。そしてそれから数十分、昼間と同じような追いかけっこの末にやっと捕まえることができた!!

「は、はぁはぁ、やっっっっっと捕まえた!観念しろバカ猫!」

「疾花、あんまり時間ないわよ。はやくしないと!」

「そうだね!もうやるなよ、猫。」

本当だったらもっと怒りたかったけど時間がないので省略。街の中にある時計はすでに6時55分を指している。ヤバイ、かなりヤバイな、このままじゃおいて行かれる!疲れた体に鞭打って港に向かって全力疾走、うれしいことにここから港はそんなに離れていないようだ。ってそんなこと考えてる場合じゃない!とにかく走らなくちゃ!!


~Ⅲ~

メルティッド大陸西部ガリア王国飛空挺港


 どれだけ走ったかわからない。やっと港が見えてきた。乗り込み口のような建物に駆け込むと「まもなく8番ドックからゼピルム大陸行きの飛空挺が出発いたします。ご搭乗のお客様は搭乗口へお急ぎください。」とアナウンスが流れた。なにも考えずに8とかかれたプレートが下がるゲートへ走る。通路の人をかき分け、改札口のような場所へ。そこでチケットを見せて奥のハンガーに走る、いやもう足はフラフラで走っていないのと変わらない速度だ。飛空挺の搭乗口が見えてきた、そこには四人の人影。みんなだ!こっちになにかを叫んでるみたいだが耳に入ってこなかった。その期待に答えるため、残った力を振り絞り、搭乗口に滑り込む。

「はぁはぁはぁ、つ、疲れた・・・・こんなに走ったのは生まれて初めてかも・・・・・。」

「よかったハヤカ!間に合ったんだね!」

「ったく、ドジだな。次は気をつけろよ、置いて行っちまうぞ?」

「もう、心配したんだからね!」

「ゴ、ゴメンなさいみんな。」

「ねぇねぇハヤカ、この猫は?」

エリちゃんの声に後ろを向くと、私のバックを盗んだ猫が平然とこちらを向いて「にゃーん」と一鳴きした。

「な、なんでお前ここにいるんだ!?」

「にゃーん。」

「もしかしてハヤカちゃん、懐かれちゃった?」

「ええ!」

「いいじゃねぇか、猫なんだし。」

「でもぉー!」

「もう扉閉まっちゃったから追い出せないよ、どうするのハヤカ?」

「ううぅ、ゼピルムまでだからね!」

私は猫を持ち上げ、目を見ながらそう言う。それでも全く動じずに「にゃーん」と鳴いただけだった。結構声色低くして言ったはずなのになぁ、私ってそんなにナメられてる?

「それじゃあ名前決めないと!私、ミケがいい!」

「いや三毛猫じゃねぇだろ。そうだな、三郎ってのはどうだ?」

「オスかどうかわからないでしょーが、マリーは?」

「エステル、言ってることズレてるよ。ハヤカは何かある?」

「え~っと、何でしょう?」

それから長い間話し合い、結果私が出した「みーこ」に決まった。そして船はゼピルム大陸を目指し、飛び立つのだった。


to be contined…………


 今回は戦闘抜きでほのぼの楽しく書いたつもりなのですが、どうでしたか?次回も今回と同じカンジにほのぼの行きたいと思っています。なるべく早く投稿しますので温かく見守っていただければ幸いです。


次回予告


ゼピルム共和国に到着した疾花一行。聖魔王との謁見を申請するも肝心の聖魔王が不在で次の日になってしまう。そのため一日自由行動をすることに。そして街で疾花は不思議な少女と友達となる、しかし彼女には誰にも言えない秘密があった……

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