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第6章/争いは何も産み出さない



ごめんなさい!!活動再開を発表したのに遅くなってしまいごめんなさい!!

なかなかいいアイディアが浮かばなく、ちょいグダグダになってしまいまいたが 何とか書き終わりましたので、どうぞ!



~ Ⅰ ~


メルティッド大陸南部ガリア王国~交易都市ペターニ間中原


 謎の二人組に襲われた私たちだったがイリスのお陰でその誤解を解くことができた。それからお互いの事情を話し合うことに。すると、二人は旅人で東の大陸から来たそうだ。ただ、旅人とはよーするに私の世界でいうプー太郎やニートと同義語(私たちは別)らしい。が、当然旅には金がかかる。つまり必然的に日雇いの仕事をしなくてはいけなくないからこっちの世界の連中よりだいぶ、というかかなりまとも。(ただ定職に就かないだけらしい……)そんなわけで腕に自信がある二人は傭兵まがいなことをして稼いでいて、ちょうどこの盗賊退治をやっていたそうだ。それでバッタリってワケ…………

「いやー、すまなかったな!この通りだ!」

「もういいよ、勘違いは誰にだってあるから。」

「で、でもあんな危険なことしちゃって……。」

「そんなことないですよ、私たちだって武器を向けたんですからお互い様です。」

「そう言ってもらえると嬉しいんだが……やっぱりなんか引っ掛かる、そうだ!あんたたちも盗賊退治してんだろ?」

「そうだけど、それが何よ?」

「だからそれを俺たちも手伝うよ!色々と情報も持ってるぜ。」

「本当!!なら大歓迎よ!いいよね、二人とも?」

承諾せざるを得ないでしょ……この人、かなり交渉上手だ、敵に回したくないな……

「わ、私は構いませんよ。クロードさんは?」

「まぁ戦力は多いほうがいいし、構わないよ。」

「よっしゃあ、なら決まりだ!おっと、そういや自己紹介がまだだったな、俺はユーリ・ナイトハル。こっちは……」

「エリ・ナカミネです。少しの間だけどヨロシクね?」

それから一度街に戻り昼食を食べてから用意を整え、東の森へ向う。その間にお互いのことを話し合った。二人は西の大陸出身でとある村で会ったらしい。しかもエリちゃんは私の一つ上だそうだ!なんか気軽に話せる相手ができてよかった。それでも私が一番年下か……。それから歩き続けて数時間後、やっと森に到着。時間もあまりなかったため、ほとんど休み無しで歩いてきたお陰で足はパンパン、戦う前からもうクタクタ。ただ周りを見ると疲れているのは私だけみたいだ。流石は騎士と旅人……

「ハヤカ、だいぶ疲れてるみたいだけど、大丈夫?」

「う、うん。大丈夫だよ。」

「おいおい、これからが本番なんだからしっかりしてくれよ?」

「わかってます、そんなにバカにしないで下さい!」

「ハハハ、そんなに怒るなよ。」

「ほら二人とも、遊んでないで!」

「「はーい……」」

外とは一転、森の中はまるで世界から隔絶された空間のようだった。外の季節は初夏だというのにここはひんやりと不気味に冷たく、あたかも森全体が私たちの侵入を拒んでいるようにさえ思えてきた。それに一番引っ掛かっているのは森という場所にいるのに生き物の気配が感じられないということだ。どうやらみんなもそのことに気づいたらしく、その場に立ち止まる。

「ねぇクロード、何かおかしくない?」

「やっぱりエステルもそう思う?僕の勘違いじゃなかったのか……」

「おい、どーすんだよ?一度引き返すか?」

「イヤよ!せっかくここまで来たのに帰るなんて!」

「じゃあまだ進むのか?どう考えてもおかしいだろ、この森!?」

「ふ、二人ともケンカしない!。ユーリもそんなに怒らないで……ハヤカはどう思う?」

「うーん、どうだろうね?イリス、わかる?」

「これはどうも森全体に封絶結界が張られているみたいね。」

「封絶結界だぁ~?なんだよそりゃ?」

「封絶結界とはその名の通り展開された空間をその世界から切り取る、特別な結界のことよ。でも今の世界ではもう術式は失われてるはずなのに……」

「それが今ここに展開されてるってワケか。」

「そういうこと。展開された以上術者本人が解除するか死亡するかしない限り外には出られないわ、進むしかないようね。」

「よーしそうとなったら早速前進~!行くわよみんな!」

そんなわけでどんどん森の奥へ進む。敵陣の真っ只中なのでいつ襲撃されても平気なように私もインフェリアソードを腰のベルトに差し込みいつでも戦えるように準備しておく。するとさらに奥からとある匂いがした。生臭く、そして鉄臭いあの液体の匂いだった。血だ……。

「これは…………!」

「ヒ、ヒドイ!こんなの、これじゃまるで!」

虐殺だ。誰も口には出さなかったがみんなの考えは一致していただろう。そこには先に乗り込んだだろうペターニの騎士団とそこにいた盗賊たちの無惨な亡骸が無数に転がっていた。手足が無いもの、頭が無いもの、内臓が飛び出たもの、少なくとも五体満足のものを探すほうが大変なくらいだ。それを頭で理解した瞬間、とてつもない吐き気に襲われ、その場に蹲ってしまう。

「お、おい大丈夫か!?」

「ハヤカちゃん!」

なんとかお腹の中身を出すことは免れたがあまりの気持ち悪さに立つことができなかった。何なんだよ、これ……

「…………もう大丈夫です、先を急ぎましょう。」

心配するエステルさんとクロードさんを説得しているとまた、さらに奥から声が聞こえてきたのだ。恐怖に怯えた男の声だ。

「襲われてる!みんな、行くよ!」

「りょ、了解!」

「仕方ねぇ。行くか!」

「はい!」

死体が転がる広場を抜け、声のほうへ走る。幾つかの茂みをかき分けて次の広場に出ると二人の男がいた。一人は大振りの血がこびりついた剣を持ってもう一人の男を追い詰めていた。見たところ二人とも盗賊のようだ。

「や、やめろやめてくれ!俺たち仲間だろ、な!?」

「………………。」

「おい、聞いてるのか!?頼むから命だけは……!」

「………………。」

追い詰められた男の言葉を無視して手にした剣をその男に向け振りかざす。

「や、や、やめろ!う、うわあぁぁぁぁ!!」

その言葉を最後に、男は絶命した。

「何てことを…………!」

「テメェ、自分が何をしたのかわかってるんだろうな?」

「………………。」

「おい、聞いてんのかよ!?あぁ?」

ユーリさんが刀を抜き払い、男に向ける。すると男はこちらに真っ直ぐ向き直り、剣を捨てた。

「みんな、気をつけて!あいつ人間じゃ無いわ!!」

「イリス、どういうことなの!?」

「しっかり前を見てなさい、…………来るわよ!!」

次の瞬間、目の前の男が膨れ上がり破裂する。そして破裂したものがまとまり大きな四本の足がある何かになっていく。形がはっきりしてくるとそれがクリスタルで出来ていることが分かった。顔と思われるところには二つの赤いクリスタルが浮かび上がり、あたかも目のようになっていた。まとまったそれは獣ののように見えるのにそれからは一切の気配というものが感じ取れなかった、まるで無機物のように。

「な、何なのよあれ!あれじゃまるで・・・・・」

「・・・・・悪魔!」

「あの、悪魔って何なんですか?」

「悪魔っていうのは旧文明を滅ぼした生物兵器よ、全部壊したはずなのに!!」

「おいエステル、確かコイツ聖典に載ってたよな?」

「うん、よく知ってるね。あれは聖典に記されし七十二柱の一柱、沈黙のヴェルゼリア!」

「話は後だよ!まずはあれをなんとかしないと!」

クロードさんの言葉でみんなが悪魔に向き直る。私たちの殺気を感じ取ったのか、悪魔は背中に生える何本もの巨大なクリスタルを逆立てこっちめがけて飛ばしてきた!間一髪で飛びのき、みんななんとか回避するが咄嗟だったのでバラバラになってしまう。振り回される巨大な足を避けて懐に飛び込むが強靭なクリスタルの体に弾かれてしまい、ダメージが全く与えられない。詠唱したいのだが相手が立ち止まる隙を与えてくれないので大技発動出来ない。くっそー、神君廟で使ったあのヘンな眼は使えないしどーしよー!?すると突然攻撃がやむ。どうやら背中のクリスタルを撃ち尽くしたようだ。

「お前ら、一点を集中攻撃したらダメージ与えられるんじゃないか?」

「ナイスアイディア!それでいこ!」

「じゃあ私とエリちゃんの攻撃の後に突っ込んでください!!」

「「「了解!」」」

「いくよハヤカ!」

「うん。」

エリちゃんが弾倉に新しいマガジンを突っ込み、悪魔に向ける。私も手をかざし詠唱を始める。

「 光よ、勇者の名の元に!闇を切り裂き邪を滅する聖なる矢を!〈ライトニングエクスプロージョン〉!!」

同時に放たれた弾丸と光弾は一直線に進み、大きな悪魔の体を支えている太い足に直撃する。そして爆風がはれる前にクロードさん、ユーリさん、エステルさんの順に突っ込み私たちが攻撃したところに連続で打撃を与える。しかし、悪魔の足には無数のヒビが入ったものの破壊するには至っていなかった。

「チッ、これでもダメか。」

「打つ手無しってこと?」

「ねえ、イリス!なにかいい方法無いの!?」

「貴女の眼がつかえれば問題なく勝てるわ!どうして使えないの!?」

「わっかんないよー!!私の眼を使う以外にアイツを倒す方法

は無いわけー!?」

「体のどこかにアレ形成してる晶核っていう物質があるはずだから!それを破壊すれば倒せるはずよ!」

「了解!みんな、聞こえた?」

「バッチリ!!」

「問題ねぇ!」

「OKです!」

飛び交うクリスタルの散弾の間をくぐり抜けながら悪魔の晶核を探す。しかしあのデカイ体の中から手のひら大の結晶を探しだすのは骨が折れるだろうなー、なにかもっと効率のいい方法が無いのか?そんなとき、一本の足がユーリさんを捉えた!

「ユーリさん!!」

「大丈夫だ!今のうちだ、早く探せ!!」

どうやらスキを作るためにわざわざ攻撃を受けたらしい。なんとまー危険なことを…………。だがそのお陰で懐に飛び込むことが出来た。そこで悪魔の体の中心あたりで赤い輝きを放つ握り拳大の宝石を見つける。これが晶核か、まさに心臓ってカンジだな・・・・って見つけたのはいいけど、どうやって破壊すればいいの!?体の中にあったら攻撃が通らないじゃん!

「ねえ!見つけたのはいいけどどうやって壊せばいいの!?」

「ナイフを使いなさい、あれは普通の武器じゃないから!」

言われたとおり上着の内ポケットから古びたナイフを取り出し、晶核のあるあたりに思い切り突き刺す。今までどんな攻撃も弾いてきたクリスタルの体がたった一度、ナイフで突いただけであっけなくその攻撃を通した。しかしナイフの刃が短く、晶核にまでは届いていなかった。

「ナイフに向けて魔術を放ちなさい!」

「え?う、うん!!」

ナイフを手放し、ほぼ零距離でライトニングエクスプロージョンを発動!ナイフに当たったライトニングエクスプロージョンはナイフの金属部分に吸い込まれていき、悪魔の体の中で再度発動されて晶核を破壊した!

「うわ、うわわわわ!!」

のたうち始めた悪魔の懐から何とか逃げ出し皆さんと合流して、そのまま成り行きを見守った。しばらくするとバタバタ動き回っていた悪魔はおとなしくなり、光の粒になり消えていった。直後、森全体を覆っていたイヤな感じは消え、生き物の気配が戻ってきた。

「終わったのか……?」

「みたい、だね。…………正直危なかった ……」

「ていうかユーリ、あんた何て危ないことしてんのよ!一歩間違えたらあの世行きだったのよ!?」

「ギャーギャー騒ぐなよ、結局ケガしなかったんだかそれでいいじゃんか。」

「ダメですよ、いくらスキを作るためだからってわざわざ攻撃を受けるなんて……」

「そうだよユーリがケガしたら治すの私なんだからね!」

ともあれこれで盗賊事件もこれで解決できたしあのオッサン達との賭けも勝った。街に戻り王都から応援を呼んで亡くなったペターニの騎士たちをようやく弔うことができた。それから偶然街であのオッサン達に会い、事件の真相と解決を知らせたら尻尾を巻いて逃げていった。たった四人で伝説級の化物である悪魔を倒すしちゃうんだから…………逃げるよね、そりゃ。そういえばあのナイフはライトニングエクスプロージョンの直撃を受け、消えてしまったみたい。イリス曰く「ライトニングエクスプロージョンの威力に耐えきれなかった」そうだ。その後また明日会うことを約束してユーリさんたちと別れ、宿に戻った。



午前7時、私たちは宿を出て西の門へ向かった。街はまだ寝静まっており朝の空気がひんやりと体を包みこむ。門のところには二人の人影、ユーリさんとエリちゃんだ。

「おはようございます、お二人ともお早いですね。」

「おはよう、話って一体何なんだい?」

「やっほー二人とも!」

「おう、おはよう。それで話ってのはな…………ああ、そういやあんたらどこへ行くんだ? 」

「今は西の大陸を目指してるんだ。二人は?」

「わぁお!奇遇ですね、私たちもゼピルムに行く途中だったんですよ。」

「なーんだ、そういうことなら話は早い。なぁあんたら、ひとつ提案なんだが…………一緒に行かねぇか?ここで会ったのも何かの縁だと思うんだが…………どうだ?」

「うーん、そうだな。二人はいいかい?」

「私は構いませんよ?仲間が増えれば心強いですから。」

「ま、いいんじゃないの?」

「そうか!なら、今日からゼピルムまでよろしくな!」

「ヨロシクお願いしまーす!」

こうして私たちは三人から五人になり、また旅路に着くのだった。



to be contined…………




はい、相変わらず戦闘シーンがヘタですね。自分でわかっているのにどうしても書きたくなってしまいます。まあこの物語はあんまり重い展開にしたくないので次回から戦闘は自重ぎみいきたいと思います!

さて、次回は戦闘などは一切無しにしてほのぼの行きますので今後もまたよろしくお願いします!


次回予告

道中ちょっとした事件に巻き込まれながらも無事、ガリア王国に着いた疾花たち。しかし大切な飛空艇のチケットをなくしてしまい大慌て!必死に探し、見つけた意外な犯人とは!?

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