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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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48/99

第48話 地下室の再調査と、マーガレットさんの忠告

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

霧の森での初仕事を鮮やかに完遂したリトル・リンク。

報酬の金貨を手に、彼女たちは約束通りの「特上レバーと高級酒」でささやかな祝杯をあげます。

しかし、戦いの中で見つけた「謎の紋章」が、彼女たちの好奇心に火をつけました。

自分たちの住むこの家には、まだ何かがある。

論理派のセインの分析と、お隣のマーガレットさんの「忠告」が交差する第48話。

拠点の地下に眠る、さらなる深淵へと足を踏み入れます。

1. 祝杯と、論理的な違和感

「……ぷはぁー! やっぱり、働いた後の酒は最高だねぇ!」

新居のリビング。ケットルがリフェルナ名産の白ワインを豪快に煽り、上機嫌で笑っています。

テーブルの上には、ミルが至福の表情で噛み締めている『霧降り牛の特上レバー』と、新鮮なサラダ、そして焼き立てのパンが並んでいました。

「……おいしい。血が、熱い。……これなら、明日も……爆発できる」

「ちょっと、家の中で爆発は勘弁してよぉ」

クレアが苦笑いしながら、新しく手に入れた『切ない剣』を丁寧に布で拭っています。

初陣を終えた刃は、血脂一つ残さず、月光を浴びて静かに澄んでいました。

そんな賑やかな空気の中、セインだけは一人、手帳に記した「ある図形」をじっと見つめていました。

「……セイン、どうしたの? せっかくの御馳走なんだから、食べなよ」

カノンが不思議そうに覗き込みます。

「……いえ、気になって。……森の魔導碑にあった紋章。あれと、この地下室にある資材の配置図を照らし合わせると、論理的に計算が合わない箇所があるのです」

2. 消えた「空間」

セインは手帳を閉じると、一同を促して地下の工房へと降りました。

「いいですか、この家の外見上の寸法と、地下室の内寸を比較すると……北側の壁の厚さが、異常に厚い。構造的に不自然です」

セインが『静かになさい(物理)の槌』の柄で、北側の壁をトントンと叩きます。

鈍い、重厚な音が響きました。

「ガハハ! それならアタシが壁をぶち抜いて……」

「……待ちなさい。……誰か、来る」

ミルの言葉と同時に、玄関のドアノッカーが激しく打ち鳴らされました。

――コンコンコンコン! ガンガンガン!!

「またあの婆さんか……?」

3. マーガレットさんの剣幕

扉を開けると、そこにはお隣のマーガレットさんが、以前よりも厳しい顔をして立っていました。

「あなたたち、霧の森へ行ったんですって? しかも、あそこの石碑を止めたそうじゃない」

「え、あ、はい。依頼だったので……」

クレアが気圧されながら答えます。

「馬鹿な娘たちね! あれはただの魔力異常じゃないわ。……あの石碑は、この街の地下を流れる『魔力のりゅう』を調整するための、重要なバルブの一つだったのよ」

マーガレットさんは日傘の先で、地下室の方向を指差しました。

「あそこの魔力が滞れば、当然、その終着点であるこの家の地下に、行き場を失った魔力が逆流してくるわ。……今すぐ、地下室の『最下層』を確認しなさい。……手遅れになる前にね」

4. 隠された「下層」への階段

マーガレットさんの言葉に従い、五人は再び地下室へ戻りました。

セインが指摘した「不自然な壁」の前で、カノンが床を丹念に調べます。

「……あった。……ここだ。……資材棚の裏に、小さなレバーが隠れてる」

カノンがそのレバーを引くと、壁そのものではなく、足元の床が音もなくスライドし、暗い下方向へと続く石造りの階段が現れました。

「……やっぱり、あった。……地下室の、さらに下。……冷たい魔力の、匂いがする」

ミルが赤い瞳を細めます。

かつての住人である魔道具師が、周囲に呪いの噂を流してまで隠し通したかった場所。

森の異常とリンクして動き出した、この家の本当の心臓部。

「よし……行こう。……うちらがこの家に住み続けるなら、見逃すわけにはいかないもんね」

クレアが『切ない剣』を抜き、先頭に立ちます。

セインが魔導灯を掲げ、カノンが足元の罠を警戒し、ミルが魔力を練り、ケットルが巨大な袋から予備の武器を準備する。

五人の足音が、暗い地下階段に吸い込まれていきました。

リトル・リンク、今日も(家の闇に)ちょっとだけ成長中。

第48話をお読みいただき、ありがとうございました!

無事に依頼を終えたかと思いきや、物語は拠点の「さらなる深淵」へと繋がっていきます。

お隣のマーガレットさん、どうやら単なるお節介焼きではなく、この街や家の事情にかなり詳しいようですね。

今回の注目点

• セインの論理性: 構造上の違和感から隠し通路の存在を推測。彼女の冷静な分析がパーティの危機を未然に防ぎます。

• 家の秘密: 「自動洗浄トイレ」だけではない、魔道具師の家としての真の役割が見え隠れし始めました。

• マーガレットさんの忠告: 彼女が何を隠しているのか、今後の展開にご注目ください。

次回、第49話「地下二層・魔力制御室の暴走」。

果たして、地下階段の先で彼女たちを待ち受けるものとは?

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