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最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中  作者: beck2026


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25/102

第25話 灼熱の収穫祭と、涙のスパイス

戦いは、戦場の中だけで行われるものではありません。


準備もまた、

生き残るための大切な要素です。


武器を整えること。

道具を揃えること。

必要なものを確保すること。


そのどれもが、

次の戦いに繋がっています。


今回は、

「戦うための準備」の話です。

「……ないねぇ。一粒も残ってないよ」


朝の宿屋。ケットルが腰のポーチを逆さに振ったが、出てきたのは埃だけだった。


昨日活躍した『悶絶の激辛玉』は、見事に品切れだ。


「えーっ! あれがないと、私の突撃もっと危なくなるじゃん!」


クレアがパンを咥えたまま叫ぶ。


「材料の“フレイム・ペッパー”が特殊でねぇ。その辺じゃ手に入らないのさ。……よし、取りに行くよ」


「……場所は?」


カノンが嫌そうに聞く。


「南の“日だまりの丘”。別名、激辛マニアの聖地さ」



1. 鼻を刺す戦場


丘に入った瞬間、空気が変わった。


「……っ、目が痛い……!」


ミルが涙目になる。


「呼吸を浅く。刺激が強すぎます」


セインが布で口元を覆う。


「あったよ、あれ!」


クレアが指差す。


真っ赤な実――フレイム・ペッパー。


その周囲を飛び回るのは、スパイス・ビーの群れ。


「収穫はアタシがやる。あんたたちは近づけさせないでおくれ!」



2. 涙の防衛戦


蜂が一斉に飛び立つ。


羽ばたきとともに、辛い粉が舞う。


「……空気ごと辛いってどういうこと!?」


カノンが顔をしかめる。


「……風、押す……!」


ミルが風を起こし、粉を押し戻す。


「いいよミル! ……いち! ……はっくしゅん!!」


クレアが踏み込むが、くしゃみで体勢を崩す。


「ちょっと、何やってんのさ!」


カノンが横から入り、正確に羽を断つ。


「……静かに」


セインが一歩前に出る。


メイスが振り下ろされ、まとめて叩き落とした。


その間に――


「お宝、お宝っと」


ケットルは手早く実を収穫していく。



3. 収穫完了


「よし、十分だねぇ!」


袋いっぱいのペッパー。


五人はようやく丘を抜けた。


「……もう来たくない」


カノンが鼻をすすりながら言う。


「……でも、また弾作れる」


ミルが小さく笑う。



4. 危険は最後まで


「あ、ちょっと待って。目にゴミが……」


クレアが無意識に目をこすろうとする。


その手――ペッパーを触ったまま。


「「「「ダメ!!」」」」


全員の声。


セインが即座に手を掴む。


「……危険すぎます。自爆するところでしたよ」


「え、あ……ありがと……」



夕暮れ。


涙目のまま歩く五人。


戦い方だけじゃない。


生き残るための知識も、少しずつ増えていく。


最弱パーティ、今日もちょっとだけ成長中。

ここまで読んでいただきありがとうございます。


今回は戦闘ではなく、

その前段階である「準備」に焦点を当てました。


どれだけ強くても、

準備が不足していれば不利になります。


逆に、

しっかり準備を整えれば、

戦いはぐっと楽になります。


今回の収穫は、

ケットルの弾だけでなく、

生き残るための知識も含まれていました。


小さな積み重ねですが、

確実に次へと繋がっています。


また少しだけ、成長しています。

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