表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

町を駆けるふたり

※第七話 スキル鑑定後の二人。


音凪「透真」


透真「ん?」


音凪「あれ、見て」


音凪は露店の雨除けに吊るされた、大きな蜘蛛の骸を指差した。


音凪「何に使うんだろうね」


透真「薬とかじゃないか?」


音凪「え……」


僅かに俯き、考え込む音凪。

暫くして、そっと顔を上げた。



音凪「……塗る、のかな……?」


透真「煎じる方かな」



音凪「えっ……」


透真 (かわいい)



***


たくさんの小瓶が並べられた露店の前で足を止めた二人。

音凪は立て掛けてある店の看板をじーっと見つめた。


音凪「ぽーしょん……一部? 『お裾分け』ってことかな?」


透真「魔法薬じゃないか?」


音凪「魔法薬?」


透真「ああ。 ほら、ゲーム……は、やったことなかったな」


音凪「うん。 透真もゲームしたこと、あったっけ?」


透真「……榊が」


音凪「そうなんだ。榊くん、ゲームするんだね」


透真「中学の時な。藤咲に手伝わせてたみたいで、その時にポーションの話をしてた」


音凪「そうなの?」


透真「『回復ポーションの生産だけでいいから』って」


音凪「ふふっ」


透真「回復以外にも色々種類があるみたいだぞ?能力向上系とか、毒消しみたいな物も」


音凪「そうなんだぁ。すごいね」


透真「ほら。そこの札にも『魔力増強』って」


紫の液体が入った小瓶に掛けられた札を指す透真。


音凪「……えっ? ゲームの話じゃなくて?」


透真「この世界の話」


音凪「……わあ」


音凪は目をまんまるにして、並べられた小瓶の札を一つずつ見始めた。


音凪(異世界ってすごい)


「……」


(どうやって使うんだろう)


「……かけるのかな?」


透真「飲む」


音凪「……えっ?」


小瓶の中身は青や緑、ピンクなど、一般的な飲み物ではあまり見かけない色もある。

音凪は"これも飲むの?"という表情で、透真を見つめた。


透真「……」


透真は小さく頷いた。

音凪は小瓶に再び視線を戻して、暫く考えた。


音凪「……ジュースみたいな感じなのかな……」


透真「……どうだろうな」


音凪「変わった味だったら、使う時大変だね」


透真「そうだな」


音凪はずっと真剣な表情をしている。

透真もそんな音凪に真面目に返した。


ふと、音凪は赤い魔法薬が入った小瓶を見つめて、ぼそっと呟いた。


音凪「……赤いのは——辛かったりしないかな?」


透真「ふっ」


音凪「調味料の代わりで一石二鳥だよ」


音凪は変わらず、真面目な表情で話している。

そしてそのまま、赤いポーションにそっと手を伸ばした。


透真「十中八九辛くないから」


透真は自分の手を音凪の手に重ねて、優しく下ろした。


音凪「……」


音凪は残念そうに眉を下げて透真の顔を見つめた。


透真「……後で調味料見に行くか」


音凪「!」


音凪の口元がそっと解けた。


音凪「うん……!」


透真は僅かに目を細めた。



〜おまけ〜


音凪「ハバネロあるかな?」

透真「買わないぞ?」

音凪「」しゅん


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ