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ダンジョン内での成長

このサイトで異世界転生にハマりました。今まで文章を書いたことがなく、小説を書くのもこれが初めてです。頑張って書いてみたので、読んでみてください。

俺は異世界に転生した。

俺の名は「平野大空ヒラノスカイ」ゴブリンに転生して、かなり焦ったが、今はレッドキャップにまで昇格して、部下のゴブリン達を従えながら、冒険者と戦っている。俺「だめだ、そっちは戦士が来てる。こっちから回って。ゴブリンB、ゴブリンF「グギャー。グガァー。」ゴブリンB、ゴブリンFは倒れた。俺「あーもう。だから言ったじゃん。」その時、密集したゴブリンをなぎ倒しながら冒険者パーティー戦士の鋭いバトルアックスが、うなりをあげて俺に向かって振り下ろされた。「ギーン」。ゴレッド「危ない」。とっさに俺の脇から現れたゴブリンリーダーのゴレッドが、石こん棒でバトルアックスをはじき返す。今俺を守った、こいつの名はゴレッド。ゴブリンリーダーとして、ゴブリンの群れをまとめながら、俺を懸命にサポートをしてくれる、頼もしい部下の一人だ。俺「すまない。助かった。ゴブリン隊、集まれ」俺の掛け声とともに、奥から大勢のゴブリンを従えたレッドキャップのマユリが現た。そして、マユリの左右にはそれぞれゴブリンチーフが、ゴブリン隊を展開させていた。マユリ「ゴブリン隊前へ。冒険者パーティーをなぎ倒せー!」マユリが先導してきたゴブリン隊は、冒険者の猛攻を、数の力で押し返し始めた。

俺「来たかマユリ。相手は冒険者になってまだ日が浅い。一気に押し返すぞー」一瞬ヒヤッとする場面もあったが、俺たちは何とか冒険者一行を退けたのだ。今回の被害はゴブリン16体にゴブリンチーフ1体だ。まぁじきに 復活するだろうから悲しむ必要はない。


この通り、いきなり冒険者パーティーに攻め込まれ乱戦となったが、これが転生した今の俺の日常だ。

俺が今いるダンジョンは現在、4階層の深さがあり、最下層に住む俺は冒険者が現れると、部下を引き連れ対処しているのだ。

今回は、相手の冒険者のレベルが低かったため、追い返すことが出来たが、いつもこう上手くいくとは限らない。

まぁ話せば長くなるが、俺はゴブリンの平和と秩序を乱す冒険者と対峙するために、ダンジョンマスターによって召喚されたってわけだ。


現世の俺は車にはねられて、地縛霊として生活していた。楽しい事と言えば、たまに誰かの写真に映りこんで、騒がれるのを面白おかしく眺めるくらいだった。俺を認識してくれたことが嬉しくて、ついついその場にとどまったりもした。そんなある日、異世界のゴブリンマスターが現世に向けて召喚魔法を使ったんだ。そして、地縛霊の俺は吸い寄せられるように異世界に転生してしまったのだ。

不思議なことに地縛霊にとって、異世界からの召喚はとってもいい匂いがして、引き寄せられずにはいられないのだ。


話を戻して、4階層のボスクラスとしてレッドキャップの仕事をしていたんだが、最近、全然冒険者が攻めてこなかったものだから、調査の名目で、ゴブリンに聞き取りをしていたら、さっきの冒険者に出くわしたってわけだ。護衛を連れずにうろついたもんだから、同じレッドキャップのマユリにメッチャ怒られた。

でもその甲斐あって、攻めてくる冒険者が少ない原因がなんとなくわかった。


そもそも、冒険者が攻めてくるのは、冒険者と街とダンジョンが密接に関係しているからだ。

どういうことかというと、まず、この世界ではモンスターがフィールド上をうろつくのは移動中ぐらいなもので、大抵は森や林で生活をしている。そこで同じモンスターが集まると群れが出来て、その群れの人数が一定数に増えると巣が出来て、目には見えない、思念体のような存在の、ダンジョンマスター生まれるのだ。


ダンジョンマスターが生み出したモンスターの巣には、なぜか必ず冒険者が討伐にやってくる。理由はわからないが、彼らは必ず現れるのだ。

モンスターが倒されると、しばらくして同じ場所に復活する。そして、そのたびにダンジョンマスターには「ポイント」が貯まる。このポイントが一定数に達すると、巣は「ダンジョン」へと進化するんだ。

ダンジョンになると、決められた数のモンスターが湧くようになり、討伐されても時間が経てば復活する。そして倒されるたびに、またポイントが貯まっていく。

つまり、ダンジョンに住むモンスターが狩られれば狩られるほど、ダンジョンマスターは使えるポイントが増え、ダンジョンは進化していくのだ。冒険者たちは討伐しているつもりでも、実はダンジョンを育てている――そんな皮肉な仕組みになっているわけだ。


ゴゴゴゴゴーー。ズズーン。

俺「おっ?うおおおぉぉぉぉーーー。やったー。進化だー!」なんと、さっきのゴブリン16体とゴブリンチーフ1体でダンジョンのレベルが上がり、ダンジョンが進化しはじめたみたいだ。

ダンジョンが進化したら俺のテンションが上がる理由は、その時に生きているモンスターの一部も、それに合わせて進化するからだ。

俺はワクワクしながら待った、ポウッ。突然、俺の身体が光始めた。俺「やった。やったーーーーグレムリンだーー!」やがて発光が落ち着き、俺の身体は二回りほど小さくなり、ダークグリーンで美しい色合いのグレムリンに進化したのだ。ヌメっとした質感が何ともセクシーだ。

そして、ダンジョンの進化は、階層が1階深くなり、それに合わせて進化出来たモンスターは一部の部下を連れて、今までの持ち場から1階層下に行ける仕組みだ。

つまり、今日から俺は5階層を統べるモンスターの一人になったってわけだ。


話の途中で進化してしまったもんだから、忘れていたが、冒険者と街とダンジョンの関係は、冒険者は俺達モンスターを討伐して、経験値や、ゴル(お金)、ドロップアイテムを手に入れたりする。そんな冒険者が街で散在するから街も飲食、宿泊、武器、防具、アイテムなんかの店が出来て潤ってデカくなる。だからどこの街でも、冒険者ギルドなんてもんが出来て、モンスターの討伐依頼や、薬草採取といったクエストが頻繁に行われているらしい。さっきの駆け出しの冒険者集団も、あれだけの数のゴブリンを討伐したから相当儲かったに違いない。

まぁ、そのおかげでダンジョンも、俺も進化出来たんだから、持ちつ持たれつ、winwinの関係といえば、そうなんだが。


ん?俺達モンスターが毎回討伐されるからwinwinじゃないって?笑。俺たちモンスターがやられるとき、体力ゲージが0になると「グァー!」って叫ぶけど、実は全然痛くないんだ。腕が吹っ飛ぼうが、血しぶきが舞おうが、ただ体力が減るだけでダメージ感ゼロ。

感覚としては、自分とは別の場所に意思があって、目の前でそっくりな等身大のモンスター人形がぶっ壊される感じに近い。だから、死んでも痛みはなく、復活まで魂のまま体育座りして待つだけなんだ。

まぁ、自分そっくりのリアルな人形がボコボコにされるのを見せつけられるわけだから、気分は最悪だけどな。


そんな感じだが、ゴブリン族の進化は、まるで会社の出世レースみたいなものだ。

俺のいる世界では、ゴブリンはまず「ゴブリンチーフ」になり、次に「ゴブリンリーダー」、その後「レッドキャップ」「グレムリン」「ホブゴブリン」と進んでいく。最終的には「ゴブリンキング」、そしてトップの「ゴブリンエンペラー」にまで出世することができる。

現代社会の会社組織に当てはめると、ゴブリンは平社員、ゴブリンチーフは主任、ゴブリンリーダーは係長、レッドキャップは課長、グレムリンは次長、ホブゴブリンは部長、ゴブリンキングは役員、ゴブリンエンペラーは社長といった感じだ。

当然、進化(昇進)するほどその枠は狭まり、上位種(役職者)はどんどん減っていく。ゴブリンの世界もまさに椅子取りゲームってわけだ。狩られず、生き延びて、出世する――モンスターだって楽じゃない。


そんな中で、今の俺は、さっきの進化で次長に相当するグレムリンって種族(役職)を任されている。直属のモンスター(部下)が数多くいる。

この転生が俺に合っているのは、転生前のに社会人だった俺は、年功序列にも似たシステムが理解しやすかったからだ。冒険者がちゃちゃちゃーって討伐していって、ダンジョンポイントが貯まると、ダンジョンのレベルが上がる。その時に運が良ければ俺もクラスチェンジを果たすってわけだ。そんなわけで俺の次の目標は、ホブゴブリンだ。このダンジョンにはまだホブゴブリンはいないから、今のところ俺が出世頭だ。


他の奴らは気づいてなさそうだが、社会人経験の長かった俺は、この世界のクラスチェンジの仕組みにとんでもなく重要な法則を発見したんだ。

クラスチェンジする上で大事なのは、「仲間がやられるとダンジョンポイントが増える」ってことだ。だが、だからといって仲間を見殺しにすると、下位モンスター(部下)から総スカンを食らい、統率力がないと判断されてランクアップが遅れる――これが俺の結論だ。

実際に他の奴らを観察してみたが、これはほぼ確実。しかも、もし俺が舐められてしまえば、下位モンスター(部下)が先に上位モンスター(上司)へと進化(昇進)する可能性すらある。まさに、世知辛い出世競争の世界だ。

だからこそ、リーダーシップを発揮しつつ、下位モンスター(部下)には不信感を持たれないようにするのが重要。そして、危険な場所には「気持ちよく」彼らに行ってもらい、自分は極力近づかないという危機管理能力も求められる。要するに、うまく立ち回らないと、モンスター界の社畜にすらなれないってことだ。


それに加えて、最近強く思うのが、クラスチェンジには「ダンジョンの進化に合わせること」に加えて、 ①生きていること 、そして ②デス履歴が少ないこと という条件があるんじゃないかってことだ。

というのも、俺はこれまでに 4回 もクラスチェンジを経験してるんだが、そのたびに 俺が進化した直後 に周りのモンスターが復活し始めたんだ。まるで俺の昇進が決まるまで、全員一時停止させられていたみたいにな。

デス履歴に関しては完全に俺の体感だけど、やっぱりやられまくってる奴ほど昇進しにくい気がする。要するに、 「死にすぎると出世コースから外れる」 ってことかもしれない。まるで、「あいつすぐやられるから管理職は無理だな」って評価されてるみたいで、ちょっと納得いかねぇけどな。

全2話の短編です。

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